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ヘイトスピーチ 表現の自由はどこまで認められるか エリック・ブライシュ(著) - 明石書店
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ヘイトスピーチ 表現の自由はどこまで認められるか (ヘイトスピーチヒョウゲンノジユウハドコマデミトメラレルカ)
原書: The Freedom to Be Racist? How the United States and Europe Struggle to Preserve Freedom and Combat Racism, First Edition

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発行:明石書店
四六判
352ページ
上製
定価 2,800円+税
ISBN
978-4-7503-3950-4   COPY
ISBN 13
9784750339504   COPY
ISBN 10h
4-7503-3950-4   COPY
ISBN 10
4750339504   COPY
出版者記号
7503   COPY
Cコード
C0036  
0:一般 0:単行本 36:社会
出版社在庫情報
在庫あり
初版年月日
2014年2月
書店発売日
登録日
2014年1月28日
最終更新日
2014年1月28日
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書評掲載情報

2014-04-20 東京新聞/中日新聞
評者: 五野井郁夫(政治学者)
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紹介

いまも公然と活動を続けるKKK、厳しく規制されるホロコースト否定…豊富な事例からヘイトスピーチとその対応策の世界的課題を掴み、自由と規制のあるべきバランスを探る。在日コリアンなどへの人種差別が公然化する日本にあって、いま必読の包括的入門書。

目次

 序文と謝辞

イントロダクション

1 自由と反レイシズムを両立させるために――本書の見取り図


Ⅰ 表現の自由

2 ヨーロッパにおけるヘイトスピーチ規制の多様性
 1920年代から90年代のヨーロッパ――規制に向けたゆっくりとした歩み
 1990年以降の展開――ヘイトスピーチを規制する立法とその執行
  ・イギリスの2006年宗教的憎悪法
  ・フランスの法規制
  ・デンマークの風刺画とヘイトスピーチ規制の限界
 結論――ヨーロッパにおける規制の限界

3 ホロコースト否定とその極限
 ホロコーストにまつわるレイシズム――類型と潮流
 ホロコースト否定を禁止する法律の制定時期とその種類
 施行されるホロコースト否定禁止――高まっていく圧力
 かくも遠くまで来てしまった――これからどこへ向かうべきか

4 アメリカは例外なのか?
 「言論の自由」の原則が生まれるまで――19世紀から1930年代
 言論規制の時代――1940年代から50年代
 ヘイトスピーチの保護へ――1960年代から70年代
 アメリカにおけるヘイトスピーチの制限――90年代の状況
 ヨーロッパとの比較


Ⅱ 結社の自由と人種差別

5 結社の自由と人種差別団体規制のジレンマ
 人種差別団体規制の課題
 アメリカ――人種差別団体が自由を謳歌する国
 ベルギー――極右政党封じ込め その可能性と限界
 ドイツ――ネオナチと闘う民主主義
 各国の事例から学べること

6 人種差別とヘイトクライムを罰する
 レイシストの犯罪を違法化する
 アメリカにおける差別禁止法の歴史
 アメリカにおけるヘイトクライム法
 ヨーロッパにおける差別禁止法とヘイトクライム法
 結論


結論

7 どの程度の自由をレイシストに与えるべきなのか
 自由とレイシズムをめぐる歴史の教訓
 どの程度の自由をレイシストに与えるべきなのか
  ・政策の文脈を理解する
  ・法律の影響を評価する
  ・原則を構築する
 レイシストでいる自由をめぐる政治哲学


訳者解説
 はじめに
 訳語と構成
  ・訳語について
  ・本書の構成
 本書の内容
  ・各国の法制度のまとめ
  ・補足的な論点
 日本という文脈
  ・日本のレイシズムの現状
  ・ヘイトスピーチとしての「在日特権」
  ・政府の対応
  ・法学者の立場
  ・反レイシズム運動の登場
 おわりに――本書翻訳の経緯について


  注
  参考文献
  索引

前書きなど

訳者解説(明戸隆浩)

 (……)

本書の構成

 その上で、本書の構成について簡単に書いておきたい。本書はぜんぶで7章からなり、第1章は序論、第2章から第6章までが各テーマについての具体的な議論、最後の第7章が結論となっている。第1章は原著者が本全体の見取り図について書いている部分なので、まずはこの部分をざっと読むのがよいだろう。その上で第2章から第6章に入るわけだが、この部分については、必ずしもこの順序のとおりに読む必要はない。むしろ、自分が一番興味のあるところから読み始めるということでかまわないと思う。
 たとえば、ヘイトスピーチ規制に興味がある場合で、そうした規制に比較的熱心なヨーロッパについて知りたいというときには、第2章から。ヨーロッパでの規制の中でも、特にホロコースト否定(より広くは「歴史修正主義」の問題)の扱いについて気になる場合は、第3章から。ヘイトスピーチ規制に興味がある場合でも、むしろ規制がほとんどないと言われるアメリカに興味があるときには、第4章から。少し角度を変えて、むしろこうした問題の担い手である極右政党や差別団体に対する規制について知りたいという場合は、第5章から。ヘイトスピーチではなく、ヘイトクライム法および人種差別禁止法について知りたいという場合は、第6章から。なお、第7章は本全体の議論のまとめとして書かれている部分だが、細かい事実関係よりこの問題に対する基本的なスタンスについて考えたいという場合は、第7章から入るのもまったく無理なことではないだろう。各章の議論はそれぞれ関連しているから、もちろん最終的には全体を通して読むに越したことはないが、それは結果的にそうなればいいことである。

著者プロフィール

エリック・ブライシュ  (ブライシュ,エリック)  (

ミドルベリー大学政治学部教授。国際政治経済学コースの主任も務める。専門はヨーロッパ政治における人種とエスニシティの問題。本書以外のおもな著作に Race Politics in Britain and France: Ideas and Policymaking since the 1960s (Cambridge University Press, 2003)、編著に Muslims and the State in the Post-9/11 West (Routledge, 2010)。

明戸 隆浩  (アケド タカヒロ)  (

東京大学大学院人文社会系研究科社会文化研究専攻博士課程単位取得退学、関東学院大学・東京工業大学ほか非常勤講師。専攻は社会学・社会思想、専門は多文化社会論。著作に『ナショナリズムとトランスナショナリズム』(法政大学出版局、2009年、共著)、「1960年代アメリカにおける〈リベラル・マジョリティ〉の成立」『年報社会学論集』(2009年、第22号)など。

池田 和弘  (イケダ カズヒロ)  (

東京大学大学院人文社会系研究科単位取得退学、上智大学大学院地球環境学研究科特別研究員。専攻は環境社会学・市民社会論。著作に『驀進する世界のグリーン革命』(ポット出版、2013年、共著)、「気候変動の多重メディア」『地球環境学』(2011年、第6号)など。

河村 賢  (カワムラ ケン)  (

東京大学大学院人文社会系研究科社会文化研究専攻修士課程修了、同博士課程。専攻は科学社会学、政治社会学。著作に「テロリズム研究における宗教的動機の概念分析――「新しいテロリズム」論争を事例として」『ソシオロゴス』(2013年、第37号)、「「ルールに従うこと」はいかにして記述されるか――サールの外在的記述と初期ロールズの内在的記述の差異について」『現代社会学理論研究』(2013年、第7号)など。

小宮 友根  (コミヤ トモネ)  (

東京都立大学大学院社会科学研究科社会学専攻博士課程修了、明治学院大学社会学部付属研究所研究員。専攻は社会学(エスノメソドロジー/会話分析、ジェンダー論)。著作に『実践の中のジェンダー』(新曜社、2011年)、「評議における裁判員の意見表明」『法社会学』(2012年、第77号)など。

鶴見 太郎  (ツルミ タロウ)  (

東京大学大学院総合文化研究科国際社会科学専攻博士課程修了、日本学術振興会海外特別研究員(ニューヨーク大学)。専攻は歴史社会学、ロシア・東欧ユダヤ史、パレスチナ問題。著作に『ロシア・シオニズムの想像力――ユダヤ人・帝国・パレスチナ』(東京大学出版会、2012年)、「ダニエル・パスマニク――白系ロシアのシオニスト、あるいは二重ナショナリスト」『思想』(2013年、第10号)など。

山本 武秀  (ヤマモト タケヒデ)  (

慶應義塾大学政策メディア研究科修士課程修了、予備校講師。専攻は政治学。著作に『ファンダメンタル政治学[増補改訂版]』(北樹出版、2013年、共著)。

上記内容は本書刊行時のものです。