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いじめの罠にさようなら クラスで取り組むワークブック キャロル・グレイ(著) - 明石書店
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いじめの罠にさようなら クラスで取り組むワークブック (イジメノワナニサヨウナラクラスデトリクムワークブック) 安全な学校をつくるための子ども間暴力防止プログラム (アンゼンナガッコウヲツクルタメノコドモカンボウリョクボウシプログラム)
原書: (1) No Fishing Allowed: Student Workbook / (2) No Fishing Allowed: Teacher Manual

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発行:明石書店
A5判
124ページ
並製
定価 1,500円+税
ISBN
978-4-7503-3937-5   COPY
ISBN 13
9784750339375   COPY
ISBN 10h
4-7503-3937-7   COPY
ISBN 10
4750339377   COPY
出版者記号
7503   COPY
Cコード
C0036  
0:一般 0:単行本 36:社会
出版社在庫情報
在庫あり
初版年月日
2013年12月
書店発売日
登録日
2013年12月13日
最終更新日
2014年1月6日
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紹介

すべての子どもが安心して学習できる学校を作ることをねらいとして考案された小学生向けの児童生徒間暴力防止プログラム。「暴力」「いじめ」とは何かをクラスみんなで考え、いじめを受けた際や、いじめを目撃したときの対処法を身につける。参考図書を題材にクラスで理解を深められる活用マニュアル付き。

目次

 まえがき――子ども間暴力防止プログラム「いじめの罠にさようなら」について


学級会 いじめの罠にさようなら【子ども用ワークブック】

 「暴力」ってなに?
 「いじめ」ってなに?
 なぜいじめるの?
 言葉を使ったいじめってどんなこと?
 体を使ったいじめってどんなこと?
 仲間はずれにするいじめってどんなこと?
 いじめられたら こう言おう
 いじめられたら こうしよう
 いじめを見たら
 いじめられている子がいたら、どうすればいいの?
 つげ口と報告のちがい
 いじめについて学んだこと


学級会 いじめの罠にさようなら【教師用マニュアル】

 はじめに――子ども間暴力に対する大人の介入
 いじめの罠にさようなら 学校の安全を保つには
 「暴力」ってなに?
 いじめとけんかのちがい
 「いじめ」ってなに?
 いじめにかかわる子どもたち
 いじめをするのは、こんな子
 いじめをする子の仲間たち
 なぜいじめるの?
 言葉を使ったいじめってどんなこと?
 体を使ったいじめってどんなこと?
 仲間はずれにするいじめってどんなこと?
 いじめられやすいのはこんな子
 おとなしくて内気な子がいじめられないために
 落ち着きのない子がいじめられないために
 いじめられたら こう言おう
 いじめられたら こうしよう
 いじめを見たら
 いじめられている子がいたら、どうすればいいの?
 つげ口と報告のちがい
 いじめを報告しよう
 女の子の世界へようこそ
 女の子のいじめ方
 女の子のいじめ対処法
 いじめにさそわれたら


 指導プラン
 子ども間暴力防止関連の参考図書
 特別支援教育を受けている子どものための子ども間暴力防止対策

 参考文献
 監修者あとがき

前書きなど

監修者あとがき


 「いじめられ体験」を持つ者は、どんなに他で満たされていても「いじめられた」日々の、あのいいようのない孤独感は消えないように思います。クラスが変わっても、たとえ別の学校に転校しても、それは「いじめられ体験」以後の環境変化であり、「いじめられた」ことが消えるわけではありません。「いじめられ体験」はそんなことでは絶対に消えません。
 僕自身がいじめられた経験者ですから本当です。何が消えないのかというと、「いじめられた」悔しさ、恨み、おびえ、いろいろありますが、僕にとってはなによりも「いじめられた」あの日、あのとき、「僕はとても孤独だった」という、あの伝えようのない寂しさが、いつまでも脳裏から消えないのです。いじめるメンバーには、かつての友人もいました。仲良く遊んだはずの彼らがどうして僕に辛くあたるのか理解できませんでした。
 「いじめられた」経験は、単に仕返しが恐ろしいということばかりでなく、自分自身で立ち向かえないばかりに恥ずかしい気持ちが強く、誰にも相談できません。僕はずっと一人で抱え続けて生きていました。
 精神科外来で「別に何かをしてもらいたいわけではないんだ、ただ、ぼくがいじめにあったということを知っておいてほしかったんだ」と、面接室で泣きながら訴えた少年の言葉に僕は、大きく頷きました。そうなのです、ただ、わかってほしいだけなんです。ただ、それを誰に伝えれば真剣に聴いてくれて、受けとめてくれるのかが、大きな問題なのです。

 本書は、Carol GrayとJudy WilliamsによるNo Fishing Allowed: Reel In Bullying(2006)の全訳です。同じ書名で子ども用ワークブックと教師用マニュアルの2冊からなっているものを、日本語版では1冊にしています。
 本書は、まえがきにもあるように、児童生徒間の暴力防止プログラムであり、いじめの本質を学ぶことで、いじめる側といじめられる側の双方に対して、この行為で関係を作らないことを勧めています。No Fishing Allowedという原書のタイトルは、まさに「釣りをしてはいけません」という注意表示です。これは、「いじめ」という行為をしてはいけない(釣ってはいけない)ということと、「いじめ」からは護られる(釣られてはいけない)という、二重の意味があるように思います。

 (…中略…)

 本書を用いて、学校で「いじめ」という行動に対する本質的な理解を促すことで、改めてクラス集団の支えあいや助けあい、そして分かちあいを学ぶことができます。医学的な対応が求められる前の、予防的実践のひとつになると思います。いじめに関した事柄にきちんと向き合い語りあうことが、どれほど大切かは、「別に何かをしてもらいたいわけではないんだ、ただ、ぼくがいじめにあったということを知っておいてほしかったんだ」という少年の叫びを思い返すと自明ではないでしょうか。

 (…後略…)

著者プロフィール

キャロル・グレイ  (グレイ,キャロル)  (

グレイ・センター(The Gray Center for Social Learning and Understanding)所長。ASD(自閉症スペクトラム障害)やその他の社会的コミュニケーションに困難を抱える人たちのためのコンサルタントを務めている。ASDの当事者とその支援者のためのコンサルティング、講演、著述を多く手がけ、「ソーシャルストーリーズ(R)」の開発者として、また、いじめや学習障害、教師のための効果的な習慣に関する画期的な著作で知られている。ASDのある子どもたちの教育・福祉への国際的貢献に対して、数々の賞を受賞している。著書に『コミック会話』(明石書店、2005年)、『発達障害といじめ』(クリエイツかもがわ、2008年)、『いじめに立ち向かうワークブック』(同、2009年)など邦訳多数。

ジュディ・ウィリアムズ  (ウィリアムズ,ジュディ)  (

教育現場で30年以上のキャリアを持つ認定専門カウンセラー。カウンセリングや子ども間暴力防止対策、また最近は生徒のリーダーシップ開発の分野で、子ども・大人の双方に影響を与えている。子どもたちが前向きな人間関係を築けるよう促すプログラムである本書 No Fishing Allowed と Recess Leadership で高い評価を得た。世界各国で発言し、誰もが安全な教育的機会を得られるよう主張を続けている。

田中 康雄  (タナカ ヤスオ)  (監修

精神保健指定医・児童精神科医・臨床心理士。北海道大学名誉教授。
1958年、栃木県生まれ。獨協医科大学医学部卒業後、旭川医科大学精神科神経科にて研修。北海道内の精神科・精神病院で勤務したのち、国立精神・神経センター精神保健研究所、児童思春期精神保健部室長、北海道大学大学院教育学研究院教授をへて、2012年、こころとそだちのクリニックむすびめを開業して現在に至る。
主な著書に、『軽度発達障害――繋がりあって生きる』(金剛出版、2008年)、『支援から共生への道――発達障害の臨床から日常の連携へ』(慶應義塾大学出版会、2009年)、『つなげよう――発達障害のある子どもたちと私たちができること』(金剛出版、2010年)、『発達支援のむこうとこちら』(日本評論社、2011年)、『児童生活臨床と社会的養護』(編著、金剛出版、2012年)。監修書として『子どもと青年の破壊的行動障害』(明石書店、2012年)などがある。

小川 真弓  (オガワ マユミ)  (

1971年生まれ。翻訳者。中央大学卒業。主な訳書に『家庭と学校ですぐに役立つ感情を爆発させる子どもへの接し方』(明石書店、2011年)、『ADHDのある子のやる気を引き出すペアレントトレーニング』(同、2012年)、『子どもと青少年のためのマインドフルネス&アクセプタンス』(同、2013年)などがある。

上記内容は本書刊行時のものです。