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発達相談と新版K式発達検査
子ども・家族支援に役立つ知恵と工夫
- 出版社在庫情報
- 在庫あり
- 初版年月日
- 2013年11月
- 書店発売日
- 2013年11月30日
- 登録日
- 2013年11月26日
- 最終更新日
- 2017年10月24日
紹介
新版K式発達検査を使い続けてきた著者たちが、アセスメントにあたっての留意点、子どもの発達像の読み方、所見作成、保護者への助言について、その考え方とヒントを公開。累計1万部にも達している『発達相談と援助』をより深めた、充実のK式発達検査ガイド。
目次
推薦の言葉(松下裕)
はじめに
第1章 発達支援とアセスメント
第1節 新版K式発達検査によるアセスメントに欠かせない視点
知能・発達検査の歴史
知能検査と発達検査の違いは何か
検査結果を伝える相手が異なる
新版K式発達検査は子どもの発達に出会うためのツール
新版K式発達検査をとおして子どもの何が見えてくるのか
第2節 発達検査の結果を子どもの成長に活かすために
「発達相談の目的」とは何か
相談支援とアセスメントの関係
発達検査によるアセスメント
コモン・アセスメント・フレームワークとは何か
アセスメントシートの利用にあたって
援助を必要としている子ども・家庭のアセスメントシート
CAFをベースに
幅広い視点をもって臨む
第3節 新版K式発達検査の基礎知識
歴史
特徴
構造
第2章 新版K式発達検査を使って子どもの発達像を読む
第1節 プロフィールと縦の関連・横の関連・斜めの関連
プロフィールとは何か
プロフィールと桜前線
桜は何分咲き?
プロフィールはなぜ凸凹になるのか
裏つながりの極意
斜めの関連の実際
3つのプロフィールライン
第2節 新版K式発達検査の反応の背後にあるもの
新版K式発達検査をメタで読む
検査場面をとらえる枠組み
介在する課題の特徴から
子どもの取り組みの特徴か
より背後にあるかもしれない問題
子どもの全体像をつかむ
付録:7歳~9・10歳頃の検査項目(第5葉前半)について
子どもの内面について想像を巡らせよう
第3節 検査への取り組みから垣間見える子どものリアリティ
構造化された観察場面
通過基準
検査から見えるもの――具体例を通して
検査から見えるもの――量的研究から
子どもの行動を理解する視点をたくさん持とう
第3章 検査結果から所見を作成するまで
第1節 新版K式発達検査のデータから発達像を見立てる
第2節 2人の見立てと所見へのコメント
執筆陣からのリアクション
第4章 来談者への援助――助言のために共有したいもの
第1節 新版K式発達検査を介在させるなかで見えてくる助言
面接・発達相談の枠組みと流れ
新版K式発達検査を介在させて行なう助言の実際例
介在のさせ方のポイント
第2節 助言場面をどのように演出するか
助言場面への導入のヒント
検査結果を含む見立てを伝えるときの配慮
援助に向けたさらなる配慮
第3節 児童相談所での新版K式発達検査を活用した臨床例
第5章 新版K式発達検査の深い学びへ――ワークショップの真髄
第1節 ワークショップ・イン・神戸の歴史と「子どものロールプレイ」の意義
どんなふうにワークショップは続いてきたか?
どんな人が参加してきて、何の役に立ってきたのか?
変わってきたこと
私自身が子どもロール体験から得られたこと
まいた種、咲いた花
関東に咲いた花
第2節 ワークショップ・イン・川崎の開催
新版K式発達検査との出会い
WS川崎の開催
WS川崎、その後
第3節 ロールプレイによる助言のトレーニング
助言のバリエーション
ロールプレイを有効に
第4節 メタローグ・ワークショップ――ワークショップを通じて私たちがやっていること
インターアクティヴな営みのなかから生まれるナラティヴ
関係性の視点から見る
コンテンツとコンテキスト
私の個人的体験とワークショップのあり方
ワークショップを通じて私たちがやっていること
まとめ――メタローグってなに?
おわりに
文献一覧
執筆者紹介
【コラム】
包括的アセスメントのすすめ
K式の検査項目はどこから始めてどこで終わったらよいのか?
K式専門用語をふつうの言葉に
+(プラス)と-(マイナス)
身体障害のある子どもに対するアセスメント
検査項目はどういう順番で実施したらいいか
子どもを縦断的にみる
どこでつまずいたのか
前書きなど
はじめに
現場から発信する子ども福祉臨床の実践誌として、2006年秋に創刊した『そだちと臨床』誌の第12号(2012年春・明石書店発行)の誌面で、「編集スタッフの充電・リフレッシュのための時間をいただき、2013年の春から秋のどこかの時点で、『そだちと臨床』は新しい装いで再デビューします!」と、休刊のお知らせをしました。実はその「新しい装いで再デビュー」がこの本です。雑誌ではなく本になりました(この1冊かぎりの本ではなく、次にはまた違う本を出版できればと企んでいます)。
(…中略…)
第1章では発達相談についての大局的な視点とK式の特徴を述べ導入としました。大島が、発達相談とK式のつながりの強さを示し、菅野が、児童福祉現場におけるアセスメントの軸の1つに「発達」を据えることの重要性を説きます。
第2章では、K式を使って子どもの発達像を読み込むプロセスについて執筆しています。K式で得られたエビデンスをどう読むのか、子どもをどう見立てるのかに焦点を当てます。大島は、「縦・横・斜めの関連」や独自の「桜前線」というメタファーを用いた考え方の提案、川畑は、子どもの反応を「メタ」の視点からとらえてみるとどのように見えるかについての試論、大谷は、検査項目の属性や子どもの成長にかんする考察を展開します。
第3章では、子どものデータを得てから所見を作成するまでの作業を追います。笹川と梁川が対談を行ない、そこから導き出される子どもの発達像についてまとめた所見案を提示します。そして、その対談の内容や所見について、伏見が「メタ」の立場からコメントを加えます。
第4章では、発達相談における保護者への助言について述べられます。衣斐は、助言による実質的な援助はどのように可能なのか、K式を来談者との間に介在させることの特長はどのようなものかについて示します。川畑は、保護者の立場に立った具体的な助言プランを紹介し、伏見は、行政機関だからこそ必要な配慮を志した事例をあげます。
第5章では、著者たちが実施してきている「K式を用いた臨床」のワークショップについて述べます。宮井が、「ワークショップ・イン・神戸――若手心理判定員のための臨床的心理検査法勉強会」の歴史や意義、裏話を、菅野は、そのワークショップでの「助言のロールプレイ」場面を紹介します。また「ワークショップ・イン・神戸」の参加者であり、今は自らワークショップの主催者となって活動している井口、長嶋が川崎市での自分たちの実践を紹介します。菅野は、神戸での「助言のロールプレイ」場面を紹介し、最後に衣斐がそれらの実践の「コンテンツとコンテキスト」についてまとめています。
また、いくつかのコラムがあちこちに顔を出します。読者が質問したいかもしれないことがらを取り上げ、私見を披露します。
『そだちと臨床』は新しい装いで再デビューしました!
2013年11月1日 大島剛・川畑隆
上記内容は本書刊行時のものです。