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精神障害者施設におけるコンフリクト・マネジメントの手法と実践 野村 恭代(著) - 明石書店
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精神障害者施設におけるコンフリクト・マネジメントの手法と実践 (セイシンショウガイシャシセツニオケルコンフリクトマネジメントノシュホウトジッセン) 地域住民との合意形成に向けて (チイキジュウミントノゴウイケイセイニムケテ)

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発行:明石書店
A5判
256ページ
上製
定価 4,000円+税
ISBN
978-4-7503-3780-7   COPY
ISBN 13
9784750337807   COPY
ISBN 10h
4-7503-3780-3   COPY
ISBN 10
4750337803   COPY
出版者記号
7503   COPY
Cコード
C0036  
0:一般 0:単行本 36:社会
出版社在庫情報
在庫あり
初版年月日
2013年4月
書店発売日
登録日
2013年3月27日
最終更新日
2013年3月27日
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紹介

入院から地域生活へと舵をとる精神保健医療福祉の流れの中で発生する施設コンフリクト。地域住民との合意に至るプロセスの中では、一方的に「理解」を求めるのではなく、関係者や関係機関を含めた時間をかけた「信頼」の醸成が重要であることを示す実証的研究。

目次

序章
 第1節 問題提起
 第2節 本書の目的

第1章 精神障害者施設コンフリクトの合意形成(コンフリクトの解消)をめぐる課題
 第1節 先行研究にみるコンフリクトの諸概念
 第2節 施設コンフリクト分析の枠組み
 第3節 精神障害者に対する住民意識と理解重視アプローチの限界
 第4節 小括──本研究で用いる「施設コンフリクト」の定義

第2章 環境リスクに関わるコンフリクトの合意形成
 第1節 「迷惑施設」建設におけるコンフリクト・マネジメント
 第2節 リスクコミュニケーション手法を用いた合意形成
 第3節 リスクコミュニケーションの成否と信頼の醸成
 第4節 小括

第3章 精神障害者施設コンフリクトの実態
 第1節 全国調査にみる精神障害者施設コンフリクトの動向──1980年代~1990年代
 第2節 精神障害者施設コンフリクトの発生状況および住民意識の変化──2000年~2010年
 第3節 施設コンフリクト発生要因の検討
 第4節 考察

第4章 仲介者の介入による信頼の醸成と合意形成──高知県精神障害者授産施設の事例から
 第1節 研究方法
 第2節 結果
 第3節 調査結果の分析
 第4節 考察

第5章 条件闘争による合意形成とその後の信頼の構築──沖縄県C病院グループホームの事例から
 第1節 研究方法
 第2節 結果
 第3節 調査結果の分析
 第4節 考察

第6章 住民自身による施設整備に対する信頼とその後の理解の獲得──山口県D施設建設の事例から
 第1節 研究方法
 第2節 結果
 第3節 調査結果の分析
 第4節 考察

結章
 第1節 結論
 第2節 本研究の意義と残された課題

 図表リスト
 参考文献

 あとがき

前書きなど

あとがき

 現在でも、障害者施設を建設する際、地域住民からの反対運動等が発生したために、結局、施設を開設することができなかったという話をよく耳にする。先日も、某県で障害者グループホームを建設しようとしたが、近隣住民からの反対運動によって断念せざるを得なかったという話を耳にしたばかりである。今後、知的障害者や精神障害者、触法障害者の地域定着支援等により、地域住民と社会福祉施設とのコンフリクトは避けられない問題となることが予想される。
 そのようななか、本研究では、精神障害者施設を含む社会福祉施設におけるコンフリクトにおいても、リスクコミュニケーションの手法を基軸としたコンフリクト・マネジメント手法が有効である可能性を示した。また、これまで定説とされてきた、障害や障害者への「理解」が施設コンフリクトを合意に導くための条件であるということに加えて、関係者や関係機関を含めた「信頼」が重要であるということを明らかにすることができた。さらに、事例からは、長い時間をかけて醸成された信頼は、1つの事故などでは簡単には崩壊しないということを目の当たりにした。これまで、いわゆる「迷惑施設」として人々から認識されることの多かった社会福祉施設は、「人と人とのつながり」という新たな資源を形成する場となりうる可能性があることを確信するとともに、今後、この確信を実証していきたいと考えている。

(…後略…)

著者プロフィール

野村 恭代  (ノムラ ヤスヨ)  (

1976年東京都生まれ。大阪大学大学院人間科学研究科修了(人間科学博士)。関西福祉科学大学講師等を経て、現在、大阪市立大学大学院生活科学研究科准教授。主な研究テーマは、施設コンフリクトの合意形成、精神保健福祉に関する諸問題。
〈主な著書〉
『福祉コミュニケーション論』(共著、中央法規、2011)
『よくわかる福祉財政』(共著、ミネルヴァ書房、2010)
『地域福祉論-地域福祉の理論と方法-』(共著、へるす出版、2009)

上記内容は本書刊行時のものです。