書店員向け情報 HELP
出版者情報
在庫ステータス
取引情報
当事者が語る精神障害とのつきあい方
「グッドラック! 統合失調症」と言おう
- 出版社在庫情報
- 在庫あり
- 初版年月日
- 2013年3月
- 書店発売日
- 2013年3月25日
- 登録日
- 2013年3月27日
- 最終更新日
- 2014年1月16日
紹介
7人の精神障害(統合失調症圏)当事者が、障害とともに生きてきたこれまでの半生を、そして今の生活や社会について思うことを、ときにはユーモラスに、ときにはシビアに綴る。当事者・支援者・家族、そして精神障害の問題に関心をもつすべての人に贈る一冊。
目次
はじめに
第1章 のんちゃんのこれまで歩んできた道(松永典子)
コラム1 私の「3・11以降の人生」と「精神病院入院体験記」――2011年3月11日以降を振り返りつつ(安原荘一)
第2章 統合失調症、自衛隊入隊、そして今(北川剛)
コラム2 寝屋川サナトリウム5回目の入院のいきさつ(下村幸男)
第3章 統合失調症になって良かった(佐野卓志)
コラム3 恋愛体質ウテナの記録(ウテナ)
第4章 シングルマザーで精神病! だけど私は夢をかなえる(森実恵)
本書解説──ありきたりでない人生に乾杯!(原昌平:読売新聞大阪本社編集委員)
前書きなど
はじめに
4~5年前のこと、友人の安原さんから、「統合失調症圏の当事者が何人か集まって、本を出したい」という提案があって、「協力してほしい」と言われました。ぼくはいままで共著の本を2冊出していたこともあって、「いいですよ」と言ったのが運のつき。形になるまでのいろいろな苦労を引き受けることになってしまいました。友人や知り合い関係とか動員して、当事者に声をかけ、あるいは紹介してもらって、ひとり増えふたり増えて、メーリングリストでやり取りしながら進めることにしました。
原稿もある程度集まり、ある出版社に持ち込んだのですが、2年以上塩漬け状態。「出版社を変えてみるか」と、安原さんの中学・高校時代の同窓生が編集者として働く明石書店にたどり着いたのでした。その編集部からは、「今集まっている原稿のままでは出版できない。半生記を4本立てと、残りをコラムにしてはどうか」との提案があり、その方向で各自修正や削除など地道な作業をしていきました。
詰めに近づくにつれて、ぼくも含め、「もう直せない」「直したくない」「ここを直してほしい」とぎりぎりの調整が続き、難航しました。出版予定の直前になっても、題名やそのほかについても、もめてまとまらないのです。しかたないのですべて編集部に一任ということになりました。本当に気の合わない人たちの集まりです(笑)。
出版ができるのか、途方に暮れてしまったこともありました。自己主張の強い皆さん(笑、もちろんぼくも入っていますが)をまとめる代表として、ぼくはいちおう編集部との窓口になっていたのですが、窓口らしいこともなかなかできず、一時は放り出したりもして、苦労ばかりおかけした末に、やっと出版にまでこぎ着けました。
統合失調症圏の当事者自身の手で企画して集まって、編集部との交渉を詰めていったという、とてもユニークな本が、ついにできあがったと思います。
共著者の皆様、本当にご苦労様でした。明石書店編集部の神野さんには、本当にお世話になりました。メーリングリストの技術サポートをしてくれた石井さん、いっさいの口出しをせず温かく見守ってくれた下釜さんにも感謝です。
すったもんだの末にできたこの本を手に取られた皆さんには、楽しんでいただければ、一同ホントにうれしいです。そして「な~んだ。おんなじ人間じゃないか」と気づいてくだされば、それだけで大満足です。
2013年2月 執筆者を代表して 佐野卓志
上記内容は本書刊行時のものです。