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Q&A 親の離婚と子どもの気持ち NPO法人Wink(編) - 明石書店
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Q&A 親の離婚と子どもの気持ち (キューアンドエーオヤノリコントコドモノキモチ) よりよい家族関係を築くためのヒント (ヨリヨイカゾクカンケイヲキズタメノクヒント)

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発行:明石書店
四六判
224ページ
並製
定価 1,500円+税
ISBN
978-4-7503-3392-2   COPY
ISBN 13
9784750333922   COPY
ISBN 10h
4-7503-3392-1   COPY
ISBN 10
4750333921   COPY
出版者記号
7503   COPY
Cコード
C0036  
0:一般 0:単行本 36:社会
出版社在庫情報
在庫あり
初版年月日
2011年4月
書店発売日
登録日
2011年4月26日
最終更新日
2012年2月10日
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紹介

これまであまり語られてこなかった、親の離婚を経験した子どもたちの本音を、離婚家庭で育った22歳のふたりが、自身の経験や取材、当事者活動を通して知り合った子どもたちへのインタビューをもとに明らかにする。切なく、そしてたくましい子どもたちの声。

目次

 はじめに(新川てるえ)
 「アンファン宣言」と私たち(新川明日菜、光本歩)

第1章 子どものほんとうの気持ち

Q1 親が離婚していちばん嫌だったことはなんですか?
Q2 離婚するなら親にこれだけは守ってほしい、という約束ごとはありますか?
Q3 離婚が決まるまでの間、どんな気分で過ごしましたか?
Q4 離婚してから生活が苦しく、子どもから何かねだられると、悪いなと思いつつ、お金がないからだめと言ってしまうことがあります。お金についてどう話せばよいのか、悩みます。
Q5 お金に余裕もなく、子どもと遊んでやる時間もなかなかとれません。子どもはどう思っているでしょう。親として何をしてやれますか?
Q6 ひとり親家庭だということで、親に遠慮してきたことはありますか?
Q7 親の離婚を経験していると、子どもが結婚に夢を抱かなくなるのではないかと責任を感じます。将来結婚したいと思いますか? 今からでも親にできることはありますか?
Q8 子どもは「自分は離婚被害者なんだから」と言って、私を強く責め、ときには無茶な要求をしてきます。どう対応すればよいでしょう?
Q9 産後すぐ離婚しました。最近、子どもが父親(母親)の出てくる絵本を読んでほしがるのですが、どういう心境なのでしょう? やはり、父親(母親)がほしいのでしょうか?
Q10 よその家(ひとり親家庭以外)を見て、うらやましく感じるのはどんなときですか?
Q11 現在離婚を考えていますが、子どもにいつどのように伝えたらよいでしょうか? どんなふうに伝えてほしいですか?
Q12 顔も覚えていない離別した親の写真を見たいと思うものでしょうか? 写真を見て、どんなふうに感じ、どんなことを考えるのでしょう?
Q13 子どもには「パパ(ママ)は死んだ」と話してありますが、ほんとうのことを言ったほうがよいでしょうか?
Q14 「どうしてお父さん(お母さん)と結婚したの?」と子どもに聞かれます。思い出したくもないのですが、子どもはなぜそんなことを知りたがるのでしょう?
Q15 子どもが復縁を期待しているようですが、どうしたら復縁はありえないとわかってもらえるでしょう?
Q16 つい元夫(元妻)の悪口を子どもの前で言ってしまいます。子どもは黙っていますが、ほんとうはどんな気持ちなのでしょう?
Q17 友達の家庭と比べたりして、ひとり親家庭であることに引け目を感じることはありますか?
Q18 自分の家庭の状況を、まわりにどんなふうに説明してきましたか?
Q19 祖父母が子どもにこっそり「お母さんを支えてあげろ」と言っている様子です。子どもはプレッシャーに感じていないでしょうか?
Q20 近所の人が子どもに「お母さんがいつもいなくてかわいそうね」と言っているようです。そんなふうに言われたことはありますか? どう思いましたか?
Q21 子どもと離れて暮らす親です。子どもといつでも話せるように専用の携帯電話を持たせたいのですが、親からのそんな要望を子どもはどう感じますか?
Q22 子どもに会えないので、手紙やプレゼントを送っています。子どもは嬉しいものなのでしょうか? 一緒に住む親に気をつかうのではないかと、気になっています。

第2章 養育費のこと 離れて暮らす親と会うこと

Q1 面会交流の頻度は多いほうがよいと思いますか? 面会頻度はどんな基準で決めたらよいでしょうか?
Q2 子どもが別れた父親(母親)とは会いたくないと言っていますが、それは本心でしょうか? このままずっと会わせなくてもほんとうによいのかどうか、悩みます。
Q3 元夫(元妻)にどうしても子どもたちを会わせたくないので、面会の要請を無視しています。子どもたちには知らせていないのですが……。
Q4 再婚を考えているので、元夫(元妻)と子どもとの面会交流をやめさせたいのですが、子どもにとっては続けたほうがよいでしょうか?
Q5 反抗期で口もきかなかった息子が、離婚以来3年ぶりに母親(父親)に会ってから、落ち着いてきました。面会交流にはどんな意味があったのでしょうか?
Q6 面会交流のあと、子どもが不安定になるのはなぜですか? 面会させないほうがよいのでしょうか? 自分はなるべく嫌な顔を見せないようにしているつもりです。
Q7 面会交流させていますが、最近、元夫(元妻)が養育費を支払いません。面会交流をやめてもよいでしょうか? 面会交流のたび、ストレスがたまります。
Q8 別れた夫(妻)が養育費を払ってくれず、子どもにも会いたがりません。子どもにほんとうのことを言うべきかどうか、迷っています。

第3章 親に恋人ができたとき 再婚するとき

Q1 親の新しい恋人に対して、子どもはどんな感情を持ちますか? 親をとられたような気持ちになりますか?
Q2 親に恋人ができたら、子どもとしてはどのタイミングで紹介してほしいと思いますか?
Q3 親の恋人のことを、なんと呼んでいましたか?どんなふうに呼ぶのが理想ですか?
Q4 親の恋人からのプレゼントは、こころよく受け取れるものですか?
Q5 親の恋人との別れを経験したとき、子どもはどんなふうに感じるものなのでしょうか?
Q6 親の恋人や再婚相手と一緒に暮らし始めたとき、子どもはどんな気持ちですか? 子どもの居心地はどうですか?
Q7 同居の親が再婚して、父親(母親)の異なる弟や妹ができたとき、子どもはどんな気持ちになりますか? 疎外感はありませんか?
Q8 再婚した夫(妻)が「子どものしつけが甘い」と言って、私の子どもを厳しく叱ります。しつけを夫(妻)にまかせてよいでしょうか?
Q9 元夫(元妻)が再婚しました。子どもには伝えないほうがよいですか? 伝えられると、どんな気持ちになりますか? どんなふうに伝えられたいですか?
Q10 再婚した元夫(元妻)に母親(父親)の異なる弟や妹ができたとき、子どもはどんなふうに感じるものですか?

第4章 必ず知っておきたい法律と手続きのこと

Q1 離婚時に子どもに関して必要な手続きについて教えてください。
Q2 離婚後は母子とも実家で暮らすので、実家の戸籍に入りたいのですが、不都合はありますか?
Q3 子どもは離婚前の苗字を名乗り、私は旧姓に戻りたいが、不都合はあるでしょうか?
Q4 養育費の取り決めで話がつかないのですが、どうしたらよいでしょうか?
Q5 取り決めた養育費の支払いが滞ったときは、どうしたらよいでしょうか?
Q6 離れて暮らす親と子どもの面会交流について、どんなことに気を付けたらよいですか?
Q7 再婚するのですが、これからの養育費と面会交流はどう考えたらよいでしょうか?
Q8 再婚時の養子縁組の必要性について教えてください。
Q9 再婚して、また離婚しました。離婚により、養子縁組は自動的に消滅しますか?
Q10 子どもと離れて暮らす親です。子どもと同居する元夫(元妻)によって、取り決めた面会交流が果たされない場合には、どうしたらよいでしょうか?
Q11 相手のドメスティックバイオレンス(DV)が原因で離婚をしましたが、養育費と面会交流はどうすべきでしょうか?

第5章 離婚家庭の子どもたち

ケース1 川嶋みなこ(仮名)24歳:栃木県在住 いつも前向きな母と、地域のつながりのおかげで、貧乏でも幸せだった
ケース2 高橋涼夏(仮名)13歳:東京都在住 義理のきょうだいが悩みの種。子どもだって大変なんだと叫びたい
ケース3 篠田芽衣(仮名)14歳:静岡県在住 異母きょうだいたちへの父の思いを聞かされるたび、自分の存在が嫌になる
ケース4 林颯太:11歳:神奈川県在住 離婚してお父さんとお母さんが仲良くなったから、ぼくはいいかなって

第6章 大人から子どもたちへ そして社会へ

 離婚家庭の子どもの気持ち(新川てるえ)
 もっと子どもを大切にする国であってほしい!(坂田雅彦)
 子どものために大人が、親が、なすべきこと(田中秀明)

 NPO法人ウインクのなりたちと活動
 アンファンパレット活動紹介

【コラム】
 ごめんねのひとこと
 愛情は小さいのをたくさん
 父子家庭で育つということ

前書きなど

 はじめに

 本書は離婚家庭の子どもの“ほんとうの”気持ちを世の中に伝えたいという思いで企画されました。子どもたちの率直な思いを知ることで、離婚後の大人たちが親としてどうあるべきなのか考え直したり、大人都合の言いわけや別れたあとにまで続く憎しみ合いや対立を見つめ直したりするきっかけにならないだろうかと考えたからです。
 本書の大部分を執筆した光本歩と私の長女である新川明日菜は、離婚家庭で育ちました。22歳と23歳のふたりは現在ウインクの理事を務めており、2010年「アンファン宣言」という、離婚家庭の子どもの気持ちを世の中に伝える活動をスタートしました。
 彼女たちが取材などを通して伝える子どもたちの思いは、私が想像していたとおりのものもあれば、かけ離れているものもありました。たとえば、私が力を入れて活動している養育費の問題については、私と娘とでは認識が違います。
 私は離婚で養育費をあきらめてしまっています。長女が思春期に入り、ふとしたきっかけで父親の話が出たときに「私にはお父さんなんかいない。ママひとりから生まれて育ってきたの」と口にしました。実の父親に対する否定感をやわらげようと「離れて暮らしていてもお父さんはきっと思ってくれているよ」と声をかけたときに、長女から「証拠は?!」という、するどいひとことが返ってきました。そのときに私は、養育費をあきらめてしまったことを後悔しました。
 このやりとりがきっかけとなり、NPO法人ウインクとして、養育費問題解決のための10年計画を立てました。
 2003年、2004年は支援者に問題を提議しました。支払われない養育費の問題や、相談窓口を訪れても的確なアドバイスをもらえずに泣き寝入りを強要されてしまうことを広く知らせ、支援者が子どもの権利である養育費を守るためにできることを考えて積極的にサポートしてほしいということを訴えました。
 2005年、2006年のセカンドステージでは、当事者の啓発をめざしました。嫌いで別れた相手からお金なんかもらいたくない、もうかかわりたくないと思っている養育親もたくさんいますが、「大人の都合で子どもたちの親子関係を断ち切ってしまってほんとうにいいものでしょうか?」とメッセージを投げかけました。
 2007年~2010年、サードステージの現在は、養育費は子どもの権利であるということを、すべての大人が考えていけるように活動をしています。
 ラストステージの2011年~2013年は、払わない親への啓発として、「離れていてもわが子のためにできることを考えて」という投げかけをしたいと思っています。
 このようなウインクの啓発活動と併行して、私は別れた夫と養育費の調停をしました。結果、長女の養育費は14歳から17歳まで、3年間支払いがありました。
 私はずっと、養育費とは親として守るべき義務であり、わが子に対する離れている親からの愛情の証だと信じてきました。しかし長女からしたら、父親と会ってみようと考えられるようになったほんのきっかけにすぎないと言います。父親との面会にしても、「会ってみた結果として、会えてよかったと思った」という程度で、最初からぜひとも会いたいという気持ちがあったわけではない、というドライな感想でした。
 子どもたち自身は、大人が想像するほどの思いを抱いていなかったり、大人が思っている以上の思いがあったり、気持ちはさまざまのようです。
 本書では、養育費の問題も含め、「離婚家庭の親たちがわが子に聞きたいけれど聞けない質問」を集めて、子どもたちにぶつけてみました。回答に協力してくれた子どもたちは一部であって、決してすべての子どもたちの声を代弁しているわけではありませんが、それでも少なくとも親が自分本位に想像しているよりは、参考になる回答ではないかと思います。
 この本に書かれた“ほんとうの”子どもの声から、離婚した大人たちが、子どもへの対応のあり方や、離れて暮らす親同士の関係のあり方を改めて考えられるきっかけになればいいなと思います。

 特定非営利活動法人ウインク 理事長 新川てるえ

著者プロフィール

新川 明日菜  (シンカワ アスナ)  (

 1988年1月20日生まれ・現在23歳
 生まれてすぐに両親が離婚。母子家庭生活を経て、4歳で母が1度目の再婚。7歳で弟が生まれ、間もなく2度目の離婚。その後15歳まで母の新しい彼氏(事実婚)と同居生活を送る。17歳で母が3度目の再婚。現在は母と弟(14歳)、継父とその娘たち(6歳、17歳)で構成するステップファミリーの一員。

光本 歩  (ミツモト アユミ)  (

 1988年8月13日生まれ・現在22歳
 中学2年生のとき、母親の借金を理由に両親が離婚。父とともに大阪から静岡へと引っ越し、父子家庭生活を始める。その後、金銭的な問題や環境の変化、親戚などとの関係で起こる問題を乗り越え、現在は学習塾を設立し、同じような境遇に育った子どもたちや、悩みを抱える子どもたちのメンタルケアに努めている

上記内容は本書刊行時のものです。