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漫画に描かれた日本帝国 韓 相一(著) - 明石書店
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9784750332185

漫画に描かれた日本帝国 (マンガニエガカレタニホンテイコク) 「韓国併合」とアジア認識 (カンコクヘイゴウトアジアニンシキ)
原書: IRBON, MANHOARO JEIGUGUR GWRIDA: Josenbiengtangoi sisenwi jeongci

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発行:明石書店
A5判
266ページ
上製
定価 3,800円+税
ISBN
978-4-7503-3218-5   COPY
ISBN 13
9784750332185   COPY
ISBN 10h
4-7503-3218-6   COPY
ISBN 10
4750332186   COPY
出版者記号
7503   COPY
Cコード
C0021  
0:一般 0:単行本 21:日本歴史
出版社在庫情報
品切れ・重版未定
初版年月日
2010年6月
書店発売日
登録日
2010年7月26日
最終更新日
2014年1月14日
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紹介

近代日本において漫画は、帝国建設へと国民を誘い動員する「絵の招待状」だった。漫画に描かれたアジア観、国民の熱烈な支持のもとに展開された日清・日露戦争と「韓国併合」、今日の漫画に通底する問題等を論じる。図版186点収録、カラー口絵付。

目次

 日本語版への序
 はじめに

序章 招待状、下絵を描く
 帝国建設への招待状
 日本の漫画ジャーナリズム形成期
 日本の漫画ジャーナリズム発達期
 日本の漫画ジャーナリズム隆盛期

第1章 朝鮮の扉が開く
 大陸と列島の間の朝鮮
 開国と朝鮮の位相
 濁流のなかの朝鮮政治
 日清戦争前夜
 結び

第2章 未完の帝国建設
 日清戦争
 敵をつくりあげる
 戦争地図を描く
 日清戦争と朝鮮
 結び

第3章 日本、帝国の隊列に伍す
 日露戦争
 日本とロシア、そして朝鮮
 極東の憲兵、日本
 日露戦争と日本社会
 ロシアの虚像
 傲慢な帝国
 交差する列強の視線
 結び

第4章 宿願の達成
 朝鮮併合
 乙巳強制条約と大陸進出
 朝鮮併合の前奏曲
 目を覚ます朝鮮
 併合の瞬間
 朝鮮を手なずける
 結び

第5章 伊藤博文と寺内正毅
 帝国建設のふたりの主役
 伊藤博文
  伊藤の朝鮮統治政策
  伊藤暗殺
  伊藤博文と女
 寺内正毅
  寺内と朝鮮
  寺内と軍部、中国、政党
 結び

終章 漫画、まなざしの政治
 漂う帝国の亡霊

 注
 参考文献
 あとがき
 訳者あとがき
 訳者付記
 索引

前書きなど

はじめに

 近年、書店には漫画関連書籍が氾濫している。漫画本はもちろん、漫画に関する本、漫画で描かれた歴史本、漫画を通してみた社会像など、その種類は多様である。このような現象はふたつの大きな流れが合わさって起きた現象である。ひとつは、映像メディア、ゲーム文化やサイバー空間になじんだ世代が社会の主たる消費者として成長するにつれて現れた、彼らを対象とした視覚的なメディアや娯楽性を強調した出版戦略である。もうひとつは、文献史料のみを「権威」ある史料と見なし、視覚的な資料はせいぜい補助資料くらいに見なす既存の態度に対する研究者たちの反省とともに、視覚資料を新たに再評価しようという動きである。

(…中略…)

 本書は序章と終章の他、全5章で構成されている。序章では西洋の近代的メディアとともに日本に流入した時事漫画というジャンルの発展過程を追跡した。第1章では朝鮮の開国を前後して現れた時事漫画を通して、帝国をめざす日本の姿と日本人の朝鮮像を探った。第2章と第3章ではそれぞれ日清戦争と日露戦争を、第4章では日露戦争から1910年朝鮮併合にいたるまでの時期に描かれた時事漫画を通して、日本社会の朝鮮に対するまなざしを分析した。第5章では朝鮮併合の主役である伊藤博文と、併合を実現し強圧的な武断統治を実施した寺内正毅を素材とした漫画の数々を紹介した。終章では、今日の日本における時事漫画のもつ意味を探った。
 『易経』に、「無往不復」という句がある。「往きて復さぬものなし」という意味である。過去は単に過ぎ去ったものの集合ではなく、現在と未来の一部だと解釈できるだろう。カール・マルクスもまた「歴史は2度繰り返される」が、「1度目は悲劇であり、2度目は喜劇である」といった。これは『易経』における過去の理解と一脈通じるものがあり、これを多少皮肉を込めて表現したのではないか。古今東西を問わずこうした金言は、よりよき将来のためには過去に対する深い洞察がなされなければならないという智恵を盛り込んでいるのではないかと、私なりに解釈する。本書が、よりよい日韓関係を構築していこうという人々に、多少ともそうした智恵の糧になれば幸いである。

(…後略…)

著者プロフィール

韓 相一  (ハン サンイル)  (

高麗大学行政学科を卒業し、クレアモント大学院で日本政治史で博士学位を取得した。スタンフォード大学、東京大学、同志社大学、プリンストン大学などで研究活動をした。『アジアの連帯と日本帝国主義』『日本の知識人と韓国』『帝国の視線』などの著述を通して、新しい視点からの歴史の再読を試みるなど、情熱あふれる学者である。1982年には「日本帝国主義の一研究」で、韓国政治学会学術賞を受賞した。国民大学政治外交学科教授を務めた。日本語訳に『日韓近代史の空間──明治ナショナリズムの理念と現実』(日本経済評論社)がある。

韓 程善  (ハン ジョンソン)  (

高麗大学史学科を卒業し、ワシントン大学で歴史学博士学位を取得した。東京大学社会科学研究所特別研究員、高麗大学アジア研究所専任研究員を経て、現在、高麗大学国際学部助教授。日本の自由主義知識人と帝国主義との関係を研究してきた。現在、日本の視覚文化、言論メディア、消費文化との関係のなかで、日本の帝国主義的近代の再構成を試みている。論文に、「大正民本主義の再評価」「Rationalizing the Orient」などがある。

神谷 丹路  (カミヤ ニジ)  (

国際基督教大学卒業。日本大学、和光大学、東京女子大学非常勤講師。日朝関係論、韓国文化論。
著書に『韓国歴史漫歩』(明石書店)、『増補版 韓国 近い昔の旅』『韓国の小さな村で』(凱風社)など、訳書に『だまされたトッケビ』『よじはん よじはん』(福音館書店)など、共訳書に『太白山脈』全巻(集英社)がある。

上記内容は本書刊行時のものです。