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アメリカの歴史教科書問題
先生が教えた嘘
原書: LIES MY TEACHER TOLD ME
- 出版社在庫情報
- 品切れ・重版未定
- 初版年月日
- 2003年12月
- 書店発売日
- 2004年1月5日
- 登録日
- 2010年2月18日
- 最終更新日
- 2015年8月22日
紹介
アメリカの若者たちが歴史を学んでいる教科書では,自分たちの歴史がどのように書かれているのか。先住民や白人以外の移民の歴史・社会・文化の無視,白人西洋文明中心の嘘を,代表的な教科書の記述を取り上げながらえぐり出す。
目次
本書で検討された一二冊のアメリカ史教科書一覧
謝 辞
序 文 なにかがひどく間違ってしまった 富田虎男訳
第1章 歴史にハンディキャップを負わされて 富田虎男訳
――英雄づくりの過程
英雄化/社会主義者ヘレン・ケラー/対外侵略の急先鋒ウィルソン/人種主義者ウィルソン/英雄はつくられる/われわれの英雄はだれか
第2章 一四九三年 佐藤 円訳
――コロンブスの二回目の航海の重要性
コロンブスの目的/コロンブス以前のアメリカ探検/コロンブスの実像/コロンブスによる収奪と奴隷貿易/「ヨーロッパ」の誕生/自己陶酔の歴史
第3章 最初の感謝祭の虚実 佐藤 円訳
疫病の影響/ヨーロッパ人到来以前のアメリカの人口/「民主的で道徳的な」ピルグリムズ/ピルグリムズの協力者たち/起源神話としての感謝祭
第4章 赤人の目線から 鵜月裕典訳
歴史教科書のなかのインディアン像/文化接触とインディアン文化の変容/インディアンになったヨーロッパ人/インディアン文化の貢献/インディアン戦争は戦争でないのか/植民地争奪戦争とインディアン/一八一二年戦争とインディアン/戦争に代わる選択肢/インディアン文化は生き残れるのか
第5章 『風と共に去りぬ』 竹本友子訳
――アメリカ史教科書の目につかない人種差別主義
奴隷制をめぐって/人種差別主義の原因/建国の父祖と奴隷制/奴隷制と対外政策/ダグラスとリンカン/南部連合の再建神話/「どん底」の時代の人種差別主義/その後の人種差別主義
第6章 ジョン・ブラウンとエイブラハム・リンカン 竹本友子訳
――アメリカ史教科書の目につかない反人種差別主義
ジョン・ブラウン――狂信者か殉教者か/リンカン――奴隷制の告発者/南部連合内部の矛盾/再建期の理想主義
第7章 機会の国 鵜月裕典訳
貧富の格差と学校教育/階級的成層化と社会的流動性
第8章 ビッグ・ブラザーを監視して 近藤淳子訳
――教科書は連邦政府についてなにを教えているか
「国際的にいい奴」アプローチ/多国籍企業と合衆国の対外政策/アメリカの六つの謀略/公民権運動とFBI
第9章 記憶の奈落の底へ 白井洋子訳
――消された少し前の過去
歴史教科書のなかのヴェトナム戦争/無視されるサシャ
第10章 「進歩はわが社の最も重要な製品である」 篠田靖子訳
――ジェネラル・エレクトリックス社のモットー
進歩の理念/進歩の代償/魔女が歌う「進歩」の歌
第11章 歴史はなぜこのように教えられているのか 富田虎男訳
「現在を支配するものが過去を支配する」/教科書の採択過程/執筆者の責任か/教師の怠慢か/検閲は必要か
第12章 このように歴史を教えるとどういう結果になるか 富田虎男訳
生活に根づいた歴史教育/「ヴェトナム練習問題」/忠誠と社会化
結 び これからの嘘――どう対処すべきか 富田虎男訳
歴史教育の改善に向けて/新しいアメリカ史像の探求
原 注
監訳者あとがき
索 引
上記内容は本書刊行時のものです。