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出版者情報
石器づくりで何がわかるか
実験考古学教本
- 初版年月日
- 2025年1月1日
- 書店発売日
- 2024年12月26日
- 登録日
- 2024年10月19日
- 最終更新日
- 2025年1月7日
書評掲載情報
2025-02-09 |
産經新聞
朝刊 評者: 青木奈緒(文筆家) |
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紹介
人類が最初に手に入れた道具である石器はどのように作られ、利用されてきたのか。その実態に迫るため、実験考古学では実際に石器を作って使うことで過去を追体験する手法をとる。考古学における「実験」の目的意識や考え方、研究者に求められるモラルなどを詳解。感覚と経験を活かして人類の歴史を追究する、新しい考古学の世界へと読者を誘う。
目次
プロローグ 経験か? 実験か?
実験考古学を考える/石器づくりはジャガイモで
第1章 石器はいつから?
石器はいつから?
石器はいつまで?
終わらない石器作り
身近にある石器もどき
第2章 石器とはどういうものか
石器というもの
石器を作る技術の進歩
意外に分かっていない使いみち
石器づくりは減算的
石器と石器じゃない石の違いは?
動物が作る偽石器
サルの猿まねとは思えない能力を侮るな
馬も石器もどきを作ります
石器を認定する
蛮勇を持て
第3章 石器づくりの記録を探る―フィールドからの経験知―
記録にみる石器づくり
民族誌を探ってみる
北米先住民の民族誌
石器づくりの多様な技術
民族誌にみる技術の衰退
エスキモーの押圧剥離具
「最後の野生インディアン」・イシ
驚異の発見・アイスマン
アイスマンの落とし物
メソアメリカの石刃づくり
アボリジニの民族誌
オーストラリアの石器づくり
ニューギニア高地人の石器づくり
火で石を操る人たち
産業としての石器づくり
伝統の創出
民族誌の向こう側を知る
穴のあいた不完全な知識として
第4章 何のために石器を作るのか?
考古学における実験とは?
実験、経験、体験
実験的思考の芽生え
好奇心として始まった模造
石器づくりの先駆者たち
実験考古学の始まり
ジョン・コールズの実験考古学
生活実験というもの
ルイス・ビンフォードの実験考古学
中範囲として考える
ジャック・ペレグランの経験
科学の衣を着たでっちあげか
できない「再現」と「復元」
誤った実験の例
民族誌を確かめ、仮説を強める
「痕跡」を読む力を鍛えよう
模造して過去に迫ろう
ルール違反をした複製家たち
前提が危ない
第5章 実験の枠組みを考える
科学的実験の始まり
実験考古学の類型学
ラボ実験の強みと弱み
フィールド実験というもの
再現性について
仮説と検証
ラボ実験とフィールド実験
実験考古学を分けてみる
第6章 実験の考え方を学ぼう
類推の方法
構造的類似を探す
実験の構造―科学的方法論の確立を目指して
民族誌が教える石斧の効能
ふたたび民族誌を検証する
フィールド実験の推論構造
仮説形成における注意点
アブダクション
仮説を検証する
実験における統制の意義
ラボかフィールドか
科学的方法論の採用
実験をデザインする
実験の落とし穴
熟練者の声に注意しよう
制御できない石器づくり
あなたに実験の技能はあるか?
記録を残そう
民族誌とうまく付き合おう
実験のガイドライン
考古学的実験レポートを作るには?
第7章 実験で分かってきたこと
技術を探る打撃と押圧
技術を探る―研磨と穿孔
石の割れが予測できるか
イレギュラーに割れる石に挑む
偶然か必然か、偉大な発明か
熱処理の謎を解く
水処理とは何か
石器は人(individuals)を語るのか
三次元パズルを読んでみよう
音の起源を探る
言語使用と石器づくり
身体を科学する
石器脳を探る
第8章 実験考古学のこれから
第2実験考古学
実験考古学を解体する
古い考えにこだわる否定論者たち
ふたたび実験考古学とは?
考古学における実験と経験
体験考古学を見直そう
石器ルネサンス
アートと石器づくり
人工素材で石器もどきを作るには?
求められる実験フィールド
実験考古学が学べるラボは?
石器づくりのモラル
第9章 知覚と感性を鍛えよう―考古学の実験は科学か?―
共感を得よう
知覚することの大切さ
抜けていた感覚ベースのアプローチ
考古学的現象学
アートと実験考古学
もっと遺跡公園を活用しよう
市民に開かれた体験考古学を求めて
未来の実験考古学を考える
エピローグ 終わらない石器づくり
多様性を受け入れた未来に向けて
「物心」を養おう
サバイバル術にあらず
地球、水、石
あとがき
図版目次・出典
索引
上記内容は本書刊行時のものです。