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出版者情報
「いま」を考えるアメリカ史
- 初版年月日
- 2022年9月30日
- 書店発売日
- 2022年10月19日
- 登録日
- 2022年8月31日
- 最終更新日
- 2022年9月21日
紹介
「いま」のアメリカを形づくったものは何か。歴史の源流を遡り、その根源を探るとともに、人種や消費などのトピックからも追究。現代のアメリカ社会を多角的にとらえ直し、社会問題の処方箋を考えるテキスト。
目次
はしがき
第Ⅰ部 アメリカの基層――歴史で考える
第1章 収監と移民・難民管理のアメリカ――現代国家論・政治経済史(村田勝幸)
1 社会の基層としての政治経済史
2 新自由主義の歴史的文脈
3 アメリカ社会の基層を映し出す「監獄国家」
4 「移民の国アメリカ」の実態と再編
5 アメリカの「いま」を文脈化するために
第2章 理念国家アメリカの誕生とこじれる人びと――思想史(松原宏之)
1 アメリカ革命――理念国家の誕生
2 反民主主義的な革命?――共和主義者の攻勢
3 アメリカ人ならセルフメイドマンであれ――ある妥協点
4 セルフメイドマンの困難――19世紀社会の激変
5 「自由」を!――白人であること,男らしくあること
第3章 アメリカ例外主義の遍歴――外交史(三牧聖子)
1 孤立主義のアメリカ
2 世界関与へ
3 自由主義世界の盟主
4 「帝国」アメリカ
5 例外主義を超えて
第4章 アメリカ文化の四つの地層――文化史(鈴木 透)
1 四つの地層としてのアメリカ文化
2 モデルなき国家の深層
3 産業社会の到来とアメリカン・スタイルの形成
4 カウンターカルチャーと文化戦争
5 疑いと恐怖の文化
第Ⅱ部 「いま」をつかみなおす――トピックで考える
第5章 草の根公民権運動の抵抗と変革――人種・政治(藤永康政)
1 社会運動を歴史的に理解する
2 「長い公民権運動」の始まり
3 公民権運動の諸相
4 ブラック・パワー運動
5 ブラック・ライヴズ・マター運動へ
第6章 「移民の国」を問いなおす――移民・多文化主義(南川文里)
1 移民からアメリカの「いま」を考える
2 セトラー・コロニアリズム――「移民の国」の前提条件
3 出生地主義――偶発的な移民国家化
4 多文化主義――「多文化のアメリカ史」の探求
5 「移民の国」像から「いま」を問いなおす
第7章 ジェンダーでみる国際関係史――軍事・外交(高内悠貴)
1 外交・軍事史の分析枠組みの変化
2 植民地主義から考える沖縄とフィリピン
3 ビューティーコンテストからみるフィリピン独立後のアメリカ―フィリピン関係
4 沖縄にもち込まれる米比の「兄弟的な絆」
5 少数派であっても無力ではない
第8章 投票権をめぐる攻防――選挙・民主主義(庄司 香)
1 アメリカはいつから民主主義なのか
2 現代アメリカ民主主義の起点としての1965年投票権法
3 マイノリティの投票力を抑え込む口実と手法
4 投票権に吹き荒れる大逆風
5 2020年選挙が示すアメリカの民主主義の現在地
6 発展途上のアメリカ民主主義
第9章 演じる消費者――消費・権力・マイノリティ(野村奈央)
1 顧客から消費者へ――アメリカ消費文化の黎明期
2 多様化する消費の場――ショッピングモールからオンラインショッピングまで
3 消費文化に利用される/利用するマイノリティ――マイノリティ市場の形成
4 消費文化とマイノリティの駆け引き
第10章 変化するメディア――ジェンダーとポピュラー・ミュージック(佐久間由梨)
1 現代アメリカにおける女性の活躍と女性蔑視――背景知識
2 メディア文化とジェンダー規範の関係
3 ジェンダーからみるアメリカのポピュラー・ミュージックの歴史
4 テイラー・スウィフトのフェミニズム
5 ポピュラー・フェミニズム,セレブリティ・フェミニズム
第11章 ブラック・フェミニズムとインターセクショナリティ
――人種・階級・ジェンダー・セクシュアリティ(土屋和代)
1 黒人女性が経験する重層的差別
2 自由を求めた闘いと黒人女性
3 「周縁から中心へ」――ブラック・フェミニズムの思想的展開
4 インターセクショナリティという分析枠組み
5 「変化のためのロードマップ」としてのインターセクショナリティ
第12章 宗教の自由のゆくえ――アメリカ社会思想・キリスト教(佐藤清子)
1 建国の理想と挑戦
2 「事実上の国教」と不自由の19世紀
3 帝国化と自由の輸出の20世紀
4 20世紀後半の世俗化と宗教右派
5 21世紀の宗教の自由
人名索引
事項索引
上記内容は本書刊行時のものです。