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出版者情報
大学教育を再考する
グローバル社会をともに生きるための「教養」
- 初版年月日
- 2021年3月30日
- 書店発売日
- 2021年7月13日
- 登録日
- 2021年6月5日
- 最終更新日
- 2021年6月22日
紹介
大学の職業訓練学校化、文部科学省による人文社会科学系学問の軽視、教育における消費者主義が席巻している。国内外で起こっている多様な問題に対処するために不可欠な「リベラル・アーツ(liberal arts)」「教養(culture)」がもつ力やそのあり方について、さまざまな分野の研究・教育に取り組む執筆者(社会学、社会政策、教育学、心理学、歴史学、英語教育、日本語教育、キャリア教育、国際協力論、地域研究等)が、大学における教育実践を通じて考える。
目次
序――グローバル社会をともに生きていくために大学教育ができること(松本かおり)
第Ⅰ部 大学教育再考
第1章 現在の大学教育が抱える問題(居神 浩)
はじめに
1 大学教育の大衆化と階層化
2 市場化される大学教育
3 大学における「知」の布置状況と教養教育の復権
4 大学教育の「創生」に向けて
おわりに
第2章 近年の教育改革と教養教育(山本克典)
はじめに
1 新制大学の発足
2 四六答申における大学教育改革の提言
3 臨教審による大学教育改革の提言
4 一般教育から教養教育へ
5 生きる力と学士力
6 高大接続改革
おわりに
第3章 オンライン授業の課題と可能性――包括的総括とICTを視座とした教養教育への展開(三宅義和)
はじめに
1 オンライン授業について
2 オンライン授業の課題
3 オンライン授業に対する学生の見方
4 オンライン授業の可能性と展望
5 ICTと教養教育
第4章 グローバル時代の高等教育の輸出産業化――ロシアの事例をもとに(松本かおり)
はじめに
1 西欧の高等教育制度の導入
2 ロシアの世界大学ランキング
3 ソ連崩壊後のロシアの大学
4 留学生の国際移動の要因
5 ソ連時代の留学生戦略
6 新生ロシアの留学生戦略――地域の経済的・文化的リーダーとして
おわりに
第5章 グローバリゼーションの中の大学(下村雄紀)
はじめに
1 人口の減少と大学のグローバル化の背景
2 留学生の動向
3 「知」のグローバル化と留学生受け入れ制度
4 日本人の海外留学の現状と環境整備
5 ポストコロナ期の中のグローバル化
6 「知」のグローバル化の必要性
おわりに
第Ⅱ部 教養教育の実践
第6章 ことばを鍛え,磨き,ことばから学ぶ――大学での英語教育に求められるもの(魚住香子)
はじめに
1 「グローバル人材」の定義と広がり
2 英語は「単なる道具」か
3 今日の「教養教育」における英語教育
4 実用面と教養面を鍛える多読の可能性
おわりに
第7章 日本語教育と人材育成――「グローカル」と「教養教育」の視点から(瀨古悦世)
はじめに――問題提起にかえて
1 外国人留学生の現状
2 留学生政策の変遷
3 日本語教育の変遷
4 大学における日本語教育が目指すべきものとは
5 教養教育を念頭に置いた授業実践報告
おわりに
第8章 キャリア教育の位置づけと展開――改革至上主義に惑わされない学びの道標として(松本かおり)
はじめに
1 キャリア教育の急速な広がり
2 大学におけるキャリア教育の位置づけ――初年次教育,キャリア形成支援,そして教養教育をもとに
3 キャリア教育の導入と構築
4 キャリア教育のこれから
おわりに――改革至上主義からの脱却
第9章 アフリカ地域を題材とした〈学び〉 ――国際協力,ボランティアの視点から(新山智基)
はじめに
1 アフリカを知る(理解する)ための機会
2 大学生へのアンケート調査
3 大学での〈学び〉とアフリカ
4 教養教育からつぎへのステップアップを目指して
おわりに
第10章 ウィズ・コロナの時代におけるアクティブ・ラーニングのあり方について――オンライン授業への取り組みのなかでの一考察(居神 浩)
はじめに
1 アクティブ・ラーニングおよびオンライン授業「狂騒曲」のなかで
2 大学の授業における学生の主体性とは
3 コピペにならないレポートの指導
4 「考えて」もらう授業とアクティブ・ラーニング
5 オンライン授業で可能になったこと
おわりに――ウィズ・コロナ時代におけるアクティブ・ラーニングの今後
あとがき(魚住香子)
人名索引/事項索引
上記内容は本書刊行時のものです。