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出版者情報
市川房枝
後退を阻止して前進
- 初版年月日
- 2021年2月10日
- 書店発売日
- 2021年2月19日
- 登録日
- 2021年1月23日
- 最終更新日
- 2021年9月30日
書評掲載情報
2021-04-17 | 毎日新聞 朝刊 |
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紹介
市川房枝(1893年から1981年)社会運動家、政治家。
戦前は女性参政権獲得運動を牽引し、戦後は参議院議員として女性の地位向上に努めた市川房枝。その足跡を追うことで、日本におけるデモクラシーの来歴をたどり、女性の政治参加や社会運動、自由主義、国際連帯について考える。
目次
はじめに――「一人一役」の生涯
第一章 婦人運動家の誕生――「大正デモクラシー」の洗礼をうけた自由主義者
1 郷関を出る――時代に憧れる職業婦人
2 婦人労働運動から新婦人協会へ――平塚らいてうとの出会いと別れ
3 アリス・ポールとの出会い――アメリカ体験
4 二足のわらじ――国際労働機関東京支局と婦選獲得同盟
第二章 政党内閣制下の婦選運動家として――デモクラシーに棹さして
1 「憲政常道」の活用――政友会内閣と男子普選第一回総選挙での応援
2 攻勢の中で――民政党内閣と男子普選第二回総選挙での革正運動
3 満州事変下の運動指導者――政友会内閣と男子普選第三回総選挙での婦選要求
4 苦難の中の薄明かり――非常時暫定政権の連続と男子普選第四回総選挙
第三章 非常時局下の婦人運動指導者として――デモクラシーなき日本にて
1 皮肉な選挙粛正運動――二・二六事件後の日本政治と社会運動
2 国民精神総動員運動を使って――戦時下の困難を前に
3 近衛新体制を真の新体制とするために――婦選獲得同盟の解散
4 東へ西へ――アジア太平洋戦争下の婦人指導者として
第四章 占領下の高揚と追放――復活強化されるデモクラシーとともに
1 敗戦後の新たなスタート――日本民主主義の再建過程と並行して
2 公職追放下の日々――重なり合う敗戦の跡と冷戦の影
3 占領下での運動への復帰と講和への不安――日本婦人有権者同盟を率いて
第五章 戦後日本の議会政治家として――「逆コース」を許さない
1 訪米後、参議院議員となる――「理想選挙」の実証実験と婦人有権者教育
2 混沌とした戦後初期の参議院議員――売春防止法と婦人参政10年
3 革新系参議院議員としての独立独歩――60年安保騒動の後
4 美濃部革新都政の実現と沖縄復帰――「逆コース」を越えて70年安保に向かう日本
5 1970年の分水嶺と落選――「理想選挙の灯」消える
第六章 次なる日本の同伴者として―「逆コース」との闘いの先に
1 議員落選後の日々――後片付けを意識して
2 参議院全国区から復活の四選――国際婦人年と一党優位政党制との闘い
3 全国区第一位での五選と死――新冷戦と保守回帰への警戒
主要参考文献
おわりに――市川房枝の遺産
市川房枝略年譜
人名・事項索引
上記内容は本書刊行時のものです。