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出版者情報
日本の流行歌
巻次:13
栄枯盛衰の100年、そしてこれから
- 初版年月日
- 2020年11月1日
- 書店発売日
- 2020年10月29日
- 登録日
- 2020年9月25日
- 最終更新日
- 2021年9月30日
紹介
流行歌は時代を映す鏡! 歌とともに時代が見えてくる
本書は「カチューシャの唄」誕生の大正初期にはじまり、ラジオやテレビとともに隆盛を極めた昭和期を経て、退潮となった平成期まで、100年にもおよぶ流行歌の栄枯盛衰の歴史をたどる。はやりうた、演歌、ブルース、軍歌、和製ポップス、ムード歌謡、アイドルポップス。歌詞や曲に戦争や不況などの時代の世相を映し、人々に愛された流行歌の数々を、レコードやテレビ・ラジオ等の音楽業界の変遷とともに、音楽の作り手の視点からていねいに紹介する。
目次
はじめに
序 流行歌はどのように生まれ、どのように発展し、どのように消えようとしているのか
流行歌が生まれる
流行歌とは何か
流行歌とレコードの深い関係
なぜ流行歌は100年間も発展し続けたのか
20世紀末に起こった急激な異変~流行歌は消えてしまうのか
1 流行歌の起源と揺籃(ゆりかご)時代
1 江戸時代にも民衆が歌う「はやりうた」があった
2 明治の大ヒット曲「オッペケペー節ぶし」の誕生
3 演歌が生まれる
4 初めての流行歌「カチューシャの唄」が生まれた
5 レコード会社の誕生と流行歌
6 早くもタイアップ・ソングが出現
7 関東大震災を予告した?「船頭(せんどう)小唄」
2 流行歌の開拓時代の仕事人たち
1 浅草・銀座に日本初のレコード店創業--三光堂(さんこうどう)・松本武一郎(まつもとたけいちろう)
2 イギリスの録音技師が来日録音--フレッド・ガイスバーグの仕事
3 流行歌ディレクターの草わけ--ニッチクの森垣二郎(もりがきじろう)
4 関西の歌を全国に広めたい--大阪に日東レコード創業・森下辰之助(もりしたたつのすけ)
3 昭和初期 本格化する流行歌の発展--世界のメジャー・レコード会社が日本に進出
1 電気録音という技術革命がもたらした流行歌の発展
2 「波浮(はぶ)の港」「君恋し」のビクターが独走--“晋平節”が流行歌をリード
3 「酒は涙か溜息(ためいき)か」「影を慕(した)いて」でコロムビアが巻き返し--古賀メロディが街に流れる
4 メロディは外国生まれで歌詞は日本語--混血の流行歌誕生
5 ブルース、タンゴが日本製の流行歌のなかにも現れる
6 流行歌の発展が中断される--強まる軍国主義
4 レコード・映画・ラジオの蜜月(みつげつ)時代--歌謡曲の誕生
1 「東京行進曲」が大ヒット--レコードと映画の連携が本格化
2 流行歌の最重要な宣伝媒体となったラジオ
3 放送局から生まれた“歌謡曲”という歌
5 昭和中期 戦禍からの復興(1945~60年代)--それは和製ポップスと演歌で始まった
1 敗戦に沈む人の心を鼓舞した「リンゴの唄」「東京ブギウギ」
2 進駐軍(GHQ)が残した“大いなる”遺産
3 アメリカの曲を日本語歌詞で歌う--カバー・ポップス流行
4 才能ある作曲家・作詞家たちの登場と和製ポップスの広がり
5 グループ・サウンズの登場
6 演歌の広がり(Ⅰ)美空ひばり・北島三郎で開花したコロムビア、クラウンの演歌
7 演歌の広がり(Ⅱ)キングレコードが放った演歌の連続ホームラン
8 ムード歌謡“都会の演歌”の誕生(Ⅰ)フランク永井、石原裕次郎の世界
9 ムード歌謡“都会の演歌”の誕生(Ⅱ)男性コーラス・グループが競う
6 昭和後期 テレビ時代が生んだ流行歌の新しい展開(1970~90年代)--それはアイドル・ポップスで始まった
1 テレビ局とアーティスト事務所が主導したアイドル・ポップス
2 新世代フリー作家の登場と流行歌のさらなる隆盛
3 加速したテレビと流行歌のタイアップ
4 子ども向けテレビ番組が生んだ“オバケ”流行歌--「およげ! たいやきくん」
5 毎年の大トリは演歌--NHK紅白歌合戦と演歌の深い関係
6 日本のフォークの誕生--テレビを嫌ったミュージシャンたちの台頭
7 ニューミュージックの誕生と発展
8 J–POP とともに始まったプロデューサーの時代
9 CDという新メディアの開発と流行歌の隆盛
7 流行歌の発展過程に起こった3つの“事件”
1 カラオケの出現と発展--歌う楽しさを知った流行歌ファン
2 貸しレコード店の登場とその大きな波紋
3 音楽ビデオの誕生--聴くものから観るものにもなった音楽
8 何が起こったのか--21世紀に流行歌に訪れた急激な退潮
1 「レコード大賞」「紅白歌合戦」の様変わり
2 音楽配信がもたらした音楽の価値の低下
3 音楽を所有しなくなった音楽ファン
4 音楽の作り方が変わった
5 コンサート市場の盛況と突然の躓つまずき
9 流行歌はこのまま消えてしまうのか
あとがき
参考文献
巻末資料:この本で紹介している曲目一覧
人名さくいん
上記内容は本書刊行時のものです。