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出版者情報
AIは社会を豊かにするのか
人工知能の経済学Ⅱ
- 初版年月日
- 2021年3月31日
- 書店発売日
- 2021年3月9日
- 登録日
- 2021年2月3日
- 最終更新日
- 2021年2月26日
紹介
超スマート社会、Society5.0の中核には、AI技術の実装がある。AIスピーカー、金融システム、自動翻訳、自動運転、医療機器などはいかに進化し、私たちの社会をどのように変貌させるのだろうか。デジタルトランスフォーメーション(DX)をはじめとするいま話題の最新情報を盛り込みながら、AIが社会に与える影響や諸課題を明らかにし、これからの労働のあり方や、必要となる諸政策を提言する。
目次
序 章 人工知能をいかに社会で受容していくのか?(馬奈木俊介・田中健太)
1 人工知能の現在とこれからの社会での利用の在り方
2 人間性を考慮したAI受容のための政策的施策の必要性
3 現状の経済学からのAIに対するアプローチ
4 本書の構成について
第1章 AIと雇用の構造変化・働き方改革・経済格差(岩本晃一)
1 雇用総数の将来推計
2 雇用構造の変化と経済格差の拡大
3 AI導入で職を失うルーティン業務事務職者数の推計
4 主にルーティン業務事務職を担う女性の失業リスク
5 RPAの急速な拡大
6 人間から機械への代替プロセス
7 積極的な情報化投資による経済格差の拡大
8 製造業現場へのデジタル技術の導入
9 AI時代に大きく出遅れた日本
第2章 AIを活用した都市と企業のガバナンス(小倉博行・馬奈木俊介)
1 はじめに
2 AIを活用した都市のガバナンス
3 持続可能な開発のためのAIガバナンスの国際標準化
4 環境・社会・ガバナンス(ESG)経営の評価基準
5 先進事例におけるESG経営分析と統合的な管理・バランス評価指標の提案
6 まとめ
第3章 自動運転と製造物責任(佐藤智晶)
1 はじめに
2 基本的前提――責任を負う可能性がある者
3 交通事故、負傷、死亡
4 衝突事故の社会的コスト
5 自動車及び部品の技術的な不良
6 開発者、製造者、運用者の製造物責任
7 自動運転自動車の利用可能性と社会的受容
8 分 析
9 結 論
第4章 自動運転化に向けた高齢化社会における交通事故分析(今井ちひろ・東田啓作・馬奈木俊介)
1 はじめに
2 先行研究
3 市区町村パネル分析
4 250mメッシュデータ分析
5 まとめ
第5章 患者から見る医療AIの在り方――家計調査による患者満足度の分析(岩田和之・鶴見哲也・馬奈木俊介)
1 はじめに
2 患者の医療満足度に関する先行研究と本研究の位置付け
3 分析方法
4 分析に用いるデータ
5 分析結果
6 まとめ
第6章 対人ロボットへの期待――余命宣告を想定して(森田玉雪・馬奈木俊介)
1 医療現場での人工知能
2 先行研究
3 分析手法
4 調査結果
5 人間とAIの関係
第7章 工作機械メーカーのスマート・ファクトリー・ビジネス――第4次産業革命に対応したソリューション・ビジネスの新たな展開(榎本俊一)
1 はじめに
2 2000年代までの高付加価値化戦略と工作機械ビジネス
3 第4次産業革命――21世紀における工作機械のパラダイム・シフト
4 工作機械メーカーのスマート・ファクトリー
5 まとめ
第8章 “Smart Factory”はTPSに収斂するのか?――日独製造思想の対決(榎本俊一)
1 Smart FactoryとTPS
2 トヨタ生産方式(TPS)――変化する製造ニーズに対応してきた「ムダ排除」の統合システム
3 “Smart Factory”とDENSOのものづくり――生産システム改革は自動化できるか
4 TPSとオートメーション化――DENSOにおけるIoTへの道
5 結 び
第9章 労働規制変化による技術利用変化と生産性に対する影響(田中健太・馬奈木俊介)
1 技術進歩と労働市場に対する影響
2 労働者派遣法の改正とその影響
3 分析データ及びモデル
4 分析結果
5 労働規制影響と今後の生産性向上のための技術導入の在り方
第10章 高度人材とイノベーション――AI導入へのインプリケーション(池田雄哉・乾 友彦)
1 はじめに
2 先行研究
3 データとモデル
4 推定結果
5 頑健性の確認
6 結 論
第11章 貿易、技術及びオフショアリング(寳多康弘)
1 背 景――貿易自由化と技術進歩
2 賃金格差の理論モデル――貿易と技術進歩
3 賃金格差の実証研究――貿易と技術進歩
4 今後の技術革新の影響
おわりに(馬奈木俊介)
索 引
執筆者紹介
上記内容は本書刊行時のものです。