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出版者情報
イスラエル・パレスチナ
巻次:3
- 初版年月日
- 2020年9月30日
- 書店発売日
- 2020年9月15日
- 登録日
- 2020年8月5日
- 最終更新日
- 2021年9月30日
紹介
日本における中東政治研究の最新の知見をあつめたシリーズの第三巻(全五巻)。政治研究で例外視される中東地域の分析において、政治学と地域研究を組み合わせ、その構造的変動を解明することを目指す本シリーズは、今後の中東地域内力学および国際関係を見通す視座も提供する。本巻では、大国の思惑、地域のパワーバランスにさらされてきたイスラエルとパレスチナを丁寧に分析する。
目次
巻頭言 「関わりのある他者」中東に関する地域研究と政治学の協調と融合へ
序 章 日本のイスラエル・パレスチナ研究における政治学と地域研究の新しい均衡(浜中新吾)
1 日本のイスラエル・パレスチナ政治を対象とする中東地域研究の概観
2 イスラエル・パレスチナをフィールドとする日本の政治学・国際関係論研究の概観
3 本書の特色
4 新しい均衡に向けて
第1章 日本・イスラエル関係──疎隔からパートナーシップへ(メロン・メドジニ[澤口右樹訳])
1 日本・イスラエル関係の第一期
2 日本・イスラエル関係の第二期
第2章 多文化主義──イスラエル左派運動とシオニズムの桎梏(錦田愛子)
1 架橋し得る存在の中での分断
2 シオニズムの規範化と一国家解決
3 イスラエルの穏健左派による平和運動と国家像
4 ゾフロットによる共生への試みと帰還権の承認
5 平和的共存に向けた葛藤
第3章 市民社会──パレスチナ市民社会の多面性と国際援助による影響(田中香織)
1 パレスチナ市民社会研究
2 パレスチナ市民社会の発展──英委任統治時代から自治政府発足まで
3 自治政府発足後のパレスチナ市民社会
4 パレスチナ市民社会と国際援助──結びに代えて
第4章 パレスチナの内政──「アラファートの民主主義」とその後の暫定自治政府(鈴木啓之)
1 改革を必要とするPA体制
2 研究の現状と課題
3 PA改革と政治的亀裂の表出
4 PA改革が直面する課題
5 PA体制の行方
第5章 イスラエルの内政──選挙政治を通じた「右傾化」(浜中新吾)
1 イスラエル社会の「右傾化」
2 イスラエルの投票行動研究
3 アイデンティティ投票モデル
4 マクロデータ分析
5 ミクロデータ分析
6 イスラエルの政治の右傾化と社会の「右傾化」が意味すること
第6章 外 交──対外政策からみるイスラエル・パレスチナ(江﨑智絵)
1 本章のリサーチ・デザイン
2 イスラエルの対外政策
3 パレスチナの対外関係
4 異なる地域秩序観
第7章 対米関係──福音派ロビーの台頭とエルサレム問題(立山良司)
1 イスラエル・ロビーと福音派
2 白人福音派の親イスラエル活動とイスラエル政府
3 イスラエルのためのキリスト教徒連合(CUFI)
4 影響力増す白人福音派ロビー
第8章 紛 争──イスラエル・パレスチナ間における非対称的関係の再検討(辻田俊哉)
1 暴力の再発要因と紛争の長期化に関する研究
2 非対称的関係の諸要素
3 武装集団の特徴と非対称的関係の多様化・複雑化
4 イスラエルの戦略とディレンマ
5 紛争における継続性と変化
第9章 政治と経済──イスラエルの市場主義への転換(佐藤千景)
1 経済危機からの復活
2 政府主導型経済運営とその限界
3 経済安定化計画の背景──改革を促した要因
4 マクロ経済政策の変化
5 経済の自由化
6 成果と課題
終 章 イスラエル・パレスチナという「地域の理解」(浜中新吾)
1 理論によって導出される仮説検証を通じた「地域の理解」
2 政治学上の関心を惹起する「地域の動態」の言語化
3 日本との関係および国際政治理論へのフィードバック
4 新たな均衡に向けて
索 引
上記内容は本書刊行時のものです。