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出版者情報
トルコ
巻次:1
- 書店発売日
- 2019年5月27日
- 登録日
- 2019年5月6日
- 最終更新日
- 2021年9月30日
紹介
日本における中東政治研究の最新の知見をあつめたシリーズの第1巻。政治研究で例外視される中東地域の分析において、政治学と地域研究を組み合わせ、その構造的変動を解明することを目指す本シリーズは、今後の中東地域内力学および国際関係を見通す視座も提供する。第1巻は、「中心・周辺」の力関係を軸に分析する、トルコを知るための必読書。
目次
巻頭言 「関わりのある他者」中東に関する地域研究と政治学の協調と融合へ
序 章 トルコ政治の枠組み転換(間 寧)
1 トルコ政治の2000年代の枠組み転換
2 「中心・周辺」枠組み
3 「周辺」強化の要因
4 各章の概観
第1章 日本・トルコ関係──皇室・政府・市民の「三層外交」(大曲祐子)
1 「親日国」トルコというイメージと実体
2 黎明期から関係の実質化まで
3 冷戦後の戦略的パートナーシップと市民の関係強化
4 皇室、政府、市民の「三層外交」
5 過去・現在、そして未来へ
第2章 多文化主義──公正発展党のアレヴィー政策の事例から(柿崎正樹)
1 トルコ社会の多様性とアレヴィー
2 欧米とトルコにおける多文化主義
3 トルコ政治史におけるアレヴィー
4 公正発展党によるアレヴィー政策
5 今後の見通し
第3章 市民社会──世俗・宗教軸と対政権軸(幸加木 文)
1 政治と市民社会をめぐる問題
2 市民社会に関する論点と関心
3 市民社会の政治的位置づけと経緯
4 公正発展党政権期における市民社会組織の諸相
5 二元論を超えて
第4章 政治体制──経済、宗教、政権支持(間 寧)
1 一党優位制の台頭から定着へ
2 一党優位制下の投票行動
3 研究設計
4 分析結果
5 価値観戦略の限界
第5章 政党制──10パーセント阻止条項への有権者と政党の戦略(荒井康一)
1 トルコの政党制に関する研究
2 阻止条項と戦略投票の理論
3 トルコにおける阻止条項と多党化
4 トルコにおける戦略投票の実態
5 阻止条項と政党の戦略変化
6 高い阻止条項と政党制
第6章 地方行政──分権化から再権威主義化へ(山口 整)
1 地方行政の再権威主義化──ケマリスト体制から公正発展党政権へ
2 地方行政の矛盾と分析の視角
3 AKP政権による地方分権化のアジェンダ化
4 地方分権化の後退
5 トルコ地方行政はどこへ行くのか
第7章 外 交──米国中東政策の「請負」理論とその検証(今井宏平)
1 国際秩序安定化政策としてのオフショア・バランシング
2 オフショア・バランシングの理論的考察
3 中東におけるオフショア・バランシング
4 事例研究──オバマ政権下での公正発展党の域内外交
5 評 価──オバマ政権下でトルコは責任請負国だったのか
6 オフショア・バランシングの課題
第8章 国内治安──クルド問題における和平の試みと失敗(岩坂将充)
1 クルド問題「解決」の試み
2 PKKとトルコ
3 軍事的アプローチから政治的アプローチへ
4 AKP政権と「解決プロセス」
5 遠のくクルド問題「解決」
第9章 政治と経済──経済自由化と社会的保護(間 寧)
1 経済自由化政策の貧困層への影響
2 AKP政権下での成長と分配
3 貧困層の相対的厚生
4 経済自由化の現実主義
終 章 「周辺」強化の定着過程(間 寧)
1 「周辺」強化がもたらしたもの
2 政治制度
3 社会的多様性
4 国内治安と国際関係
あとがき
索 引
上記内容は本書刊行時のものです。