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せめぎあう中東欧・ロシアの歴史認識問題 橋本 伸也(編集) - ミネルヴァ書房
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せめぎあう中東欧・ロシアの歴史認識問題 (セメギアウチュウトウオウロシアノレキシニンシキモンダイ) 巻次:222 ナチズムと社会主義の過去をめぐる葛藤 (ナチズムトシャカイシュギノカコヲメグルカットウ)

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A5判
336ページ
定価 5,000円+税
ISBN
978-4-623-08094-6   COPY
ISBN 13
9784623080946   COPY
ISBN 10h
4-623-08094-3   COPY
ISBN 10
4623080943   COPY
出版者記号
623   COPY
Cコード
C3322  
3:専門 3:全集・双書 22:外国歴史
出版社在庫情報
不明
書店発売日
登録日
2017年12月2日
最終更新日
2018年9月6日
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紹介

冷戦後の世界において歴史認識と記憶がアイデンティティ・ポリティクスの焦点として浮上し、国内のみならず、諸国家・国民間の紛争要因に転じている。そうした紛争化が深刻な形で進行したのが、中東欧とロシアをはじめとしたポスト共産主義諸国である。本書では、中東欧諸国・ロシアにおける歴史政治の展開過程を広域的に捉え、欧州統合の進展と同時進行したナショナルな利害に沿った歴史政治が紛争化する局面を描く。

目次

序 章 中東欧・ロシアにおける歴史と記憶の政治化と紛争化(橋本伸也)


 第Ⅰ部 歴史・記憶政治の制度化――政策と組織


第1章 エストニア――人道に対する犯罪調査のための国際委員会(小森宏美)
 1 犠牲と正義の回復
 2 人道に対する犯罪調査のためのエストニア国際委員会
 3 「歴史政治」は終わったのか

第2章 ラトヴィア――歴史家委員会(小森宏美)
 1 歴史家委員会設立の背景と組織
 2 歴史家委員会以外の歴史政治関連組織
 3 歴史家委員会の成果と評価

第3章 リトアニア――ジェノサイド・センターと国際委員会(梶さやか)
 1 ジェノサイド・センター
 2 国際委員会
 3 国際社会におけるリトアニアの歴史認識

第4章 ポーランド――国民記憶院(吉岡 潤)
 1 国民記憶院(IPN)
 2 ポーランドにおける移行期正義
 3 学問と政治のはざまのIPN
 4 歴史・記憶の政治資源化とIPN
 5 第二次「法と公正」政権と歴史政策の第二波

第5章 チェコ――全体主義体制研究所と史料アーカイヴ(森下嘉之)
 1 設立の経緯
 2 研究所設立後の経緯
 3 「全体主義史観」とチェコ現代史

第6章 スロヴァキア――国民記憶院(福田 宏)
 1 移行期正義をめぐるスロヴァキアとチェコの違い
 2 国民記憶院の役割
 3 国民記憶院と政治
 4 記憶を映し出す鏡としての国民記憶院

第7章 ハンガリー――56年研究所、「テロルの館」、ホロコースト記念センター(姉川雄大)
 1 体制転換と非共産化
 2 ホロコーストと全体主義

第8章 ルーマニア――ホロコースト委員会と共産主義独裁委員会(高草木邦人)
 1 ホロコースト研究国際委員会
 2 ルーマニア共産党独裁研究大統領委員会

第9章 ロシア――ロシア歴史協会(立石洋子)
 1 ロシア歴史協会の構成と活動目的
 2 活動領域
 3 第二次世界大戦の歴史に関する活動


 第Ⅱ部 歴史の政治化と紛争化

第10章 ルーマニアにおける反共産主義運動の記憶と政治――シゲト記念館を中心に(高草木邦人)
 1 反共産主義運動の展開
 2 シゲト記念館の語るもの
 3 ルーマニアにおける「共産主義」の記憶と政治

第11章 現代ロシアの歴史認識論争と歴史教科書――自国史教科書におけるスターリン期の描写(立石洋子)
 1 現代ロシアの歴史認識と政治
 2 「歴史・文化の標準」と「『ロシア史の困難な諸問題』の一覧」
 3 プロスヴェシチェニエ社の教科書のスターリン期の描写

第12章 リトアニア臨時政府(1941年)――「抵抗」の歴史とその記憶(重松 尚)
 1 犠牲と抵抗の歴史
 2 リトアニア人行動主義戦線とリトアニア臨時政府
 3 リトアニア臨時政府の記憶に関する出来事
 4 今なお残る歴史認識の乖離

第13章 ハンガリーの歴史認識と現代政治――「ヨーロッパ」性と新自由主義・人種主義政治(姉川雄大)
 1 現代ハンガリーにおける犠牲者性の歴史認識
 2 歴史認識の展開と現代政治
 3 新自由主義・人種主義・難民

第14章 現代スロヴァキアにおける歴史論争――第二次世界大戦期の位置づけをめぐって(福田 宏)
 1 新しい国家における新しい国民史の模索
 2 歴史教育をめぐる論争――民族主義派とリベラル派
 3 スロヴァキア国の成立とティソの役割
 4 ユダヤ人迫害についての責任
 5 スロヴァキア国民蜂起の位置づけ
 6 国民史における複数の歴史観

第15章 エストニアとラトヴィアの社会統合――歴史教育による国民化と社会的包摂の行方(小森宏美)
 1 多文化主義的なソ連時代の遺制
 2 歴史教育と社会統合
 3 社会的包摂と記憶の政治

第16章 ルーマニアにホロコーストはなかった?――ルーマニアの民族浄化(野村真理)
 1 「暗黒大陸」の周縁にて
 2 民族浄化政策の始動
 3 トランスニストリア
 4 ユダヤ人追放政策の転換
 5 ユダヤ人のいない街で

第17章 セルビアの歴史認識における「コソヴォ」の意味――1980年代の議論から(百瀬亮司)
 1 コソヴォとは何か?
 2 1980年代セルビアの政治状況とコソヴォ
 3 セルビア人受難の場としてのコソヴォ
 4 歴史的行動原理の源としてのコソヴォ
 5 再び、コソヴォとは何か?


あとがき
事項索引
人名索引

著者プロフィール

橋本 伸也  (ハシモト ノブヤ)  (編集

2017年12月現在
関西学院大学文学部教授

上記内容は本書刊行時のものです。