書店員向け情報 HELP
出版者情報
原発事故後のエネルギー供給からみる日本経済
東日本大震災はいかなる影響をもたらしたのか
- 書店発売日
- 2016年7月20日
- 登録日
- 2016年7月12日
- 最終更新日
- 2016年7月12日
紹介
福島の原発事故によってエネルギー供給の不確実性が増大し、総合的なエネルギー・
ポートフォリオの構築が急務となった。そのため本書では、まず近年の経済状況が日本のエネルギー需給に与えたインパクトを明らかにする。そのうえで日本の事業所の現況を考慮したエネルギー供給体制を構築し、今後のエネルギー政策や温暖化政策、経済政策、復興政策の方向性を提言することを目指す。
目次
はしがき
序 章 エネルギー問題とは何か(馬奈木俊介・北村利彦)
1 エネルギーを考える視座
2 エネルギー供給――電力供給を中心に
3 エネルギー需要
4 エネルギー情勢を概観してみえたこと
5 本書の構成
第1章 製造業における自家発電の位置付け
――購入電力と自家発電の価格弾力性分析(北村利彦・馬奈木俊介)
1 電力需給を巡る情勢
2 先行研究のレビュー
3 LA/AIDSモデルの説明
4 自家発電用燃料データとその使用パターン
5 購入電力と自家発電用燃料の価格/支出弾力性
6 購入電力と自家発電との関係
付録 (14)式の推定結果
第2章 原子力発電所停止の影響と火力代替の効果
――季節・時間帯別のシミュレーション分析(細江宣裕)
1 原発停止シミュレーションの目的
2 9地域電力空間均衡モデルの概要
3 原発停止と代替電源導入のシミュレーション
4 季節・時間帯ごとに異なる電力価格上昇とその政策的含意
第3章 太陽光発電のある家庭のデマンドレスポンス
――横浜市のフィールド実験から(田中 誠・依田高典・村上佳世)
1 再生可能エネルギーの導入促進と需要側のマネジメント
2 米国におけるデマンドレスポンスのフィールド実験
3 日本におけるデマンドレスポンスのフィールド実験
4 太陽光発電のプロシューマーとデマンドレスポンス
5 横浜市のフィールド実験
6 太陽光発電プロシューマーと電力システム、環境負荷
第4章 社会規範vs価格インセンティブ
――フィールド実験による家計の省エネルギーの分析(松川 勇)
1 省エネルギー政策における価格介入と非価格介入
2 家計を対象とした省エネルギー政策の有効性に関する実験
3 実験の方法
4 電力需要のパネル分析
5 HERおよびCPPによる節電効果の向上
第5章 東日本大震災と製造事業所の回復
――どのような製造事業所が早期回復に成功したか(乾 友彦・枝村一磨・一宮央樹)
1 問題の背景と研究目的
2 日本各地域における生産指数の状況
3 自然災害が経済活動に与える影響の先行研究
4 分析に用いたデータ
5 生産回復のモデルと推計結果
6 まとめと復興政策への示唆
第6章 エネルギー生産効率性の変化
――産業集積のエネルギー効率化に対する影響分析(田中健太・馬奈木俊介)
1 製造業における更なるエネルギー効率性向上の必要性
2 エネルギー生産効率性に関する先行研究および産業集積の影響可能性
3 エネルギー効率性の推定と要因分析の方法
4 エネルギー効率性の推定および要因分析に用いるデータ
5 エネルギー効率性の推計結果および要因分析結果
6 地域性を考慮したエネルギー政策の必要性
第7章 製造業におけるエネルギー消費の変動要因
――要因分析法を用いた検証(岩田和之・田中健太)
1 製造業での温室効果ガス排出量
2 要因分析法
3 分析に用いるデータ
4 要因分析法の分析結果
5 エネルギー変化の主要因と今後の課題
第8章 消費者を対象とした環境技術導入に関する要因分析
――選好、行動経済的要因による技術普及に対する影響可能性の検証(田中健太・馬奈木俊介)
1 消費者のエネルギー関連機器の購買行動
2 自動車購入に関する先行研究
3 アンケート概要
4 時間選好と行動経済的要因の車種選択への影響可能性
5 燃費選択の要因分析
6 民生部門における省エネ技術普及のあり方
第9章 日本の固定価格買取制度と太陽光発電普及の効果
――価格インセンティブはどの程度太陽光発電の普及を促進したか(日引 聡)
1 再生可能エネルギーの普及と固定価格買取制度
2 固定価格買取制度と再生可能エネルギーの現状
3 買取価格の効果
4 制度改正の意義と今後の規制緩和
あとがき
索 引
上記内容は本書刊行時のものです。