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グリーン経済学 ウィリアム・ノードハウス(著/文) - みすず書房
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グリーン経済学 (グリーンケイザイガク) つながってるけど、混み合いすぎで、対立ばかりの世界を解決する環境思考 (ツナガッテルケドコミアイスギデタイリツバカリノセカイヲカイケツスルカンキョウシコウ)

社会科学
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発行:みすず書房
四六判
重さ 505g
416ページ
定価 3,800円+税
ISBN
978-4-622-09571-2   COPY
ISBN 13
9784622095712   COPY
ISBN 10h
4-622-09571-8   COPY
ISBN 10
4622095718   COPY
出版者記号
622   COPY
Cコード
C0033  
0:一般 0:単行本 33:経済・財政・統計
出版社在庫情報
不明
初版年月日
2023年1月16日
書店発売日
登録日
2022年12月9日
最終更新日
2022年12月28日
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書評掲載情報

2023-12-23 日本経済新聞  朝刊
2023-04-01 日本経済新聞  朝刊
評者: 細田衛士(東海大学教授)
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紹介

ノーベル経済学賞受賞者による『フォーリンアフェアーズ』誌ベストブック

「グリーンのレンズから見た経済学のすべてだ」
ニコラス・クリスタキス(『ブループリント』)

「これまでに読んできた中で最良の環境書だ…人類の未来、そして地球とあらゆる生命の未来についてのガイドを探しているなら、それこそが本書だ」
キャス・サンスティーン(ハーバード大学ロースクール教授)

「ノードハウス自身が生み出し、洗練させてきた経済的ツールが、いかにグローバルなグリーン目標を達成しうるかを示している」
ジェフリー・サックス(コロンビア大学教授)

「グリーン[とは]個人の行動、企業、政治活動、法に対する新たなアプローチを表す社会的ムーブメントの意味だ。現代の産業社会がもたらす危険な副次的影響と、その影響を解決するか、少なくとも歯止めをかける方法についての、関連し合ったアイデアの集合である。…本書では、社会、経済、政治分野の幅広い問題をグリーンの観点から考察する。…例をあげれば、グリーンエネルギーの税制を変更する、国内生産を表すもっと正確な指標を考え出す、グリーンエネルギーのインセンティブを高める、などだ。これらは[…]法や人びとの態度を変えることで社会を変えていく方法である。…
未来を脅かす課題に取り組む能力について、私たちは楽観的にも悲観的にもなれるだろう。その反面、私たちが未知の海域に漕ぎ出しているのも事実だ。…だが、もし私たちが知性に裏づけされた誠実さと先見の明を持って未来と向き合えるなら、グリーンアースという夢を実現できるのだ」(本文より)
環境思考で経済的効率性、持続可能性、政治、税制、倫理、金融といった現代社会のあらゆる側面を鳥瞰する。

目次

1 序文
グリーン・プラネットのブループリント

第I部 グリーン社会を築く

2 グリーンの歴史
ピンショー、ミューア、アメリカの環境主義の基礎
人間中心主義vs生物中心主義
コモンズ(共有地)の悲劇
レイチェル・カーソンの先駆的貢献
地球を救う急進的な考え

3 グリーン社会の原則
「よく管理された社会」の目標
四つの柱
グリーン社会の四つの柱
グリーン精神のテーマ
本章のまとめ

4 グリーン効率性
哲学的原則の背景
一般的な効率性
環境経済学の創始者アーサー・ピグー
公共財vs私的財
灯台は公共財
ネットワーク外部性
金銭的外部性

5 外部性を規制する
外部性の規制図
所有権問題としての外部性
解決策
正の外部性と技術の進歩
最適な大気汚染の基本条件

6 グリーン連邦主義
アメリカの環境連邦主義
依頼人=代理人問題で生じる外部性
連邦主義と依頼人=代理人問題

7 グリーン公平性
不平等を測定する
不平等の原因を探る
市場は公平か
グリーン公平性と一般的な公平性との違い
世代間の公平性
環境が所得分配に及ぼす影響
環境政策が分配に与える影響
動物に公平か
結論

第II部 危機に立つ世界の持続可能性

8 グリーン経済学と持続可能性の概念
グリーン経済学の種類
グリーン経済のビジョンについて
持続可能な成長──その起源
持続可能性──経済的解釈
持続可能性の構成要素
本章の最後に

9 グリーン国民計算
国民生産をどう測定するか
マーティン・ワイツマンの環境会計の優れた理論
純生産と持続可能な生産
環境活動の三つの部門を補正する
まとめ──グリーン会計の評価

10 エクソ文明の魅力
奇跡のような人類文明
経済成長を再現する
エクソ文明──火星、さらにその先の惑星での生活
バイオスフィア2──持続可能性のラボ
まとめ──人工的な地球の持続可能性を判断する

11 パンデミックなどの社会的カタストロフィ
カタストロフィの種類
カタストロフィのグリーン次元
極端な出来事
パンデミックの問題
新型コロナウイルス感染症のパンデミック
感染力と致死率
感染力と致死率を低下させる
パンデミックに対処する
パンデミックなどのカタストロフィに対する評価基準
科学と技術
準備と資源
実施
コミュニケーション

第III部 行動科学主義とグリーン政策

12 グリーンの敵である行動科学主義
割引のアノマリー
初期費用バイアス
アノマリーの理由
アノマリーの解決策
ライフサイクル費用分析
ライフサイクル費用分析の専門的な詳細
行動の問題に対する規制のアプローチ

13 グリーン政治理論
個人的スピルオーバーに対処するメカニズム
社会的スピルオーバーと効率的な環境汚染理論
外部性の効率的な政策ツール
政府プログラム
民間のアプローチ
政治は個人の選好の集合
環境政策のサイクル?
環境保全の法律や規則にバイアスはないのか

14 グリーン政治の実践
民主主義と環境
環境クズネッツ曲線
政治、分配の政治、環境政策
関税
硫黄政治
気候変動政策
グリーン政治のまとめ

15 グリーンニューディール
ニューディール
グリーンニューディールの起源
グリーンニューディール2018~20年

第IV部 社会と経済から見たグリーン

16 グリーン経済の利益
利益に対するいろいろな考え方
利益の経済学
利益の動向
株主価値という動的利益
利益は市場経済のコンパス
経済利益のコンパスを再調整する
利益のコンパスを再調整する例
まとめ──利益を補正する

17 グリーン税
租税効率
グリーン税
渋滞緩和の課金制度──理論と実践
グリーン税の可能性
二酸化硫黄などの大気汚染
グリーン税の現状
不平等に及ぼす影響
まとめ──グリーン課税

18 グリーンイノベーションの二重の外部性
新製品のグリーン設計
イノベーションの二重の外部性──展覧会の絵
グリーン政策が、グリーンイノベーションのインセンティブに与える影響
低炭素経済のイノベーション
低炭素経済の難問
有望なテクノロジー
低炭素イノベーションを推進する

19 グリーン世界における個人の倫理
倫理連邦主義
倫理的行為──悪い行為、正しい行為、中立の行為
よく管理された社会と個人の倫理
よく管理された社会の外へ──規制されていない外部性
無後悔対策
外部性の倫理学──気候変動の場合
あなたのカーボンフットプリントを減らすには?
グリーン倫理の情報的重荷
グリーン倫理を前に進める

20 グリーン企業と社会的責任
企業の社会的責任
利益を最大化する社会的責任
ESGと法的不完全性
外部性に取り組む企業の責任
ESGと利益のトレードオフに取り組む
利益のないESGの原則
企業の無責任の第九圏
まとめ

21 グリーンファイナンス
社会的責任投資とは何か
社会的責任の理由──啓発された利益
社会的責任の理由──公共の目的
イェール大学の倫理的投資方針
社会的責任投資の実際
グリーンポートフォリオの実際
グリーンポートフォリオの費用とは何か
グリーン投資家の投資戦略

第V部 グローバルグリーン

22 グリーンプラネット
気候変動はグローバルな外部性
気候変動の変わりゆく科学
気候の基礎
気候変動否定論者
気候変動の経済学

23 地球を守るための気候協約
フリーライド症候群
国際的な気候合意の短い歴史
気候政策の実効性
フリーライドを許さない気候協約
今日とるべき四つの措置

第VI部 批判、そして最後の熟考

24 グリーン懐疑派
マック・ブラウン
ディープ・グリーン
フリードマンとリバタリアンの伝統
イエローストーンは公共財
フリードマンの環境汚染の料金について
自由市場の道徳的な事例
規制のゴルディロックス・ルール
規制について──シカゴ学派
自由市場の炭素税の擁護論
本章のまとめ

25 グリーン精神をめぐる旅

索引/原注

著者プロフィール

ウィリアム・ノードハウス  (ウィリアムノードハウス)  (著/文

(William Nordhaus)
イェール大学経済学教授。専門はマクロ経済と環境。気候温暖化を抑制するための科学、経済学、政策を統合したDICEモデル、RICEモデルを構築。アメリカ経済学会会長、イェール大学学長、カーター政権の大統領経済諮問委員なども歴任。2013-15年にはボストン連邦準備銀行議長を務めた。2018年ノーベル経済学賞を受賞。受賞理由は「気候変動をマクロ経済分析に統合した業績」。邦訳 『気候カジノ』(藤﨑香里訳、日経BP、2015)『地球温暖化の経済学』(室田泰弘・山下ゆかり・高瀬香絵訳、東洋経済新報社、2002)『サムエルソン経済学』(P・サムエルソンとの共著、都留重人訳、岩波書店、1992)ほか。
*ここに掲載する略歴は本書刊行時のものです。

江口泰子  (エグチタイコ)  (翻訳

(えぐち・たいこ)
翻訳家。訳書 パーロース『サイバー戦争 終末のシナリオ』(早川書房、2022)トゥーズ『世界はコロナとどう闘ったのか?』(東洋経済新報社、2022)バルファキス『クソったれ資本主義が倒れたあとの、もう一つの世界』(講談社、2021)トゥーズ『暴落』(共訳、みすず書房、2020)ほか。
*ここに掲載する略歴は本書刊行時のものです。

上記内容は本書刊行時のものです。