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アーレントと革命の哲学 森一郎(著/文) - みすず書房
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アーレントと革命の哲学 (アーレントトカクメイノテツガク) 『革命論』を読む (カクメイロンヲヨム)

哲学・宗教
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発行:みすず書房
四六判
重さ 415g
320ページ
定価 4,000円+税
ISBN
978-4-622-09554-5   COPY
ISBN 13
9784622095545   COPY
ISBN 10h
4-622-09554-8   COPY
ISBN 10
4622095548   COPY
出版者記号
622   COPY
Cコード
C1010  
1:教養 0:単行本 10:哲学
出版社在庫情報
不明
初版年月日
2022年12月16日
書店発売日
登録日
2022年11月10日
最終更新日
2022年12月9日
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紹介

暴力によるのではない仕方で、新しく始めることはいかにして可能か。…革命の成否のカギは暴力にあるとする固定観念を疑問に付し、政治的なものに固有な「権力(パワー)」、つまり言論と行為にみなぎる人間力に革命の本質を見出そうとするのが、アーレントの『革命論』なのである。同じく人類古来の言い伝えを借りて表現すれば、こうなろう――「はじめに言論(ロゴス)があった」と。新しい始まりとしての革命を構想する哲学は、暴力ならぬ言論の力を、つまりその意味での人間力を信ずるものでなければならない〉
アーレント『革命論』をどう読むか。本書は『革命論』の訳者による、詳細なテクスト読解である。「革命とは何か」についてのアーレントの基本的考え方、フランス革命からロシア革命にいたる系譜だけでなく、アメリカ独立革命にアーレントが重点を置いた意味、さらに、始まりとは、約束とは、「どんな革命にも驚くべき規則性で現われてくる新しい国家形態」である評議会制とは、そして憲法とはいかなるものか。
このように『革命論』を読み解きながら、著者はわれわれを取り巻く戦後日本の姿、とくに日本国憲法のあり方をめぐって考察を進めてゆく。
一冊の本から何を知り、理解し、考えることができるか。厳密かつ自由なレッスンの書である。

目次

はじめに――コロナ禍と革命論

序論「戦争と革命」を読む
自由は革命の大義名分ではなかったか/戦争が時代遅れとなったことの徴候/戦争の神は死んだ/はじめに暴力ではなく言論があった

第一章「歴史的背景」を読む
アメリカの豊かさという要因/自由人の対等制/活動の幸福/復古としての革命/歴史的必然としての革命

第二章「社会問題」を読む
生物学的必然/搾取という概念/電化たす(プラス)ソヴィエト/アメリカにおける社会問題の不在/政治問題としての貧困と富裕/貧困という暗闇/人民とその一般意志/同情と哀れみ/連帯という原理/徳のテロルと心の奥底/偽善という問題現象/仮面の政治学/憤激の力

第三章「「幸福の追求」」を読む
革命の条件/革命の担い手/憲法論へ/加藤典洋の遺作/革命、憲法、創設/公的幸福とは何だろうか/あらためて、革命とは何だろうか

第四章「創設――自由の構成」を読む
憲法のどこが革命的なのか/権力の構成/権力分立論の意味するもの/権威という難問/国民主権という観念/憲法制定権力という原初/日本国のどこが国民主権か/新しいアメリカ的権力概念/相互約束の力/アーレントの社会契約論/約束の世界形成能力

第五章「時代の新秩序」を読む
権威、権力、暴力/絶対者が必要/地獄も必要/万人平等は自明の真理か/始まりが新しい権威となった/日本国憲法の場合/権威は最高裁判所にあり/始まりという謎/創設が制作と解されるとき/創設が誕生と解されるとき

第六章「革命の伝統と、革命精神」を読む
評議会はどこまで革命的か/アメリカ革命の記憶喪失/民主制と共和制/意見の多様性と純化の府/革命精神は憲法改正を求めるか/フランス革命における微光/ジェファソンの構想/初等共和国の市民力/革命の伝統と、評議会制/政党制と評議会制/選挙ではなく互選/アーレントのペシミズム

おわりに――憲法について語り合うために
人名索引

著者プロフィール

森一郎  (モリイチロウ)  (著/文

(もり・いちろう)
1962年生まれ。東京大学大学院人文科学研究科博士課程中退。現在 東北大学情報科学研究科教授。著書『死と誕生』『死を超えるもの』(以上、東京大学出版会、2008、2013)『世代問題の再燃』(明石書店、2017)『現代の危機と哲学』(放送大学教育振興会、2018)『ハイデガーと哲学の可能性』(法政大学出版局、2018)『核時代のテクノロジー論』(現代書館、2020)『ポリスへの愛』(風行社、2020)ほか。編著『近代日本思想選 三木清』(筑摩書房、2021)。訳書 アーレント『活動的生』『革命論』(以上、みすず書房、2015、2022)、ニーチェ『愉しい学問』、ハイデガー『技術とは何だろうか』(以上、講談社、2017、2019)ほか。
*ここに掲載する略歴は本書刊行時のものです。

上記内容は本書刊行時のものです。