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デモクラシーの現在地 青山直篤(著/文) - みすず書房
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デモクラシーの現在地 (デモクラシーノゲンザイチ) アメリカの断層から (アメリカノダンソウカラ)

社会一般
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発行:みすず書房
四六判
重さ 415g
312ページ
定価 2,700円+税
ISBN
978-4-622-09545-3   COPY
ISBN 13
9784622095453   COPY
ISBN 10h
4-622-09545-9   COPY
ISBN 10
4622095459   COPY
出版者記号
622   COPY
Cコード
C0036  
0:一般 0:単行本 36:社会
出版社在庫情報
不明
初版年月日
2022年10月17日
書店発売日
登録日
2022年9月9日
最終更新日
2022年10月7日
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書評掲載情報

2023-01-14 日本経済新聞  朝刊
2022-10-29 東京新聞/中日新聞  朝刊
評者: 我那覇潤(評論家)
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紹介

「相互的な(reciprocal)……これがものすごく大事な言葉だ」(序章より)。2018年4月、日米首脳会談後の会見で、トランプ大統領はこう言った。かつて福沢諭吉も説いたこの言葉こそ、戦後の日米関係がはらむ矛盾を照らし出すものだった――。
著者は、2018年4月から22年3月までの4年にわたり、朝日新聞の経済・通商担当特派員として、米中貿易戦争、コロナ危機、連邦議会襲撃、ロシアのウクライナ侵攻などに揺れるトランプ・バイデン政権期のアメリカを追った。変化の底流を探るべく、19世紀フランスの思想家トクヴィルの観察記『アメリカのデモクラシー』を手がかりに、貿易戦争の荒波をかぶる大豆農家、「幽霊病院」で再生をはかる旧炭鉱街、日米協力が深化する多国籍の半導体メーカー、河港プロジェクトに挑む全米一人口が減った町など、さまざまな「断層」の現場を訪ねる。その傍ら、米通商代表部(USTR)のR・ライトハイザーや「エレファントカーブ」で知られるB・ミラノヴィッチ、ノーベル経済学賞を受賞したA・ディートンなど数多くの当局者や識者とも対話を重ねた。〈草の根〉の人々と〈鳥〉の視点で考える識者らの取材をへて見えた、〈デモクラシー〉の可能性とは?
激変する超大国の肖像を通し、「存在の根幹にアメリカが深く関わる国」日本の針路をも問う、深層報告の決定版。

目次

序章 マール・ア・ラーゴの王
サンタモニカ/トクヴィルの導き

第1章 3月の砲声――米中貿易戦争
怒りと寂寥/3月の砲声/「保護主義」の内実/綿花地帯(コットンベルト)へ/ひとと資本の「裂け目」/分断の源流/貿易戦争の将軍/貿易戦争は階級闘争か/「敗軍の将」の勝利宣言

第2章 ひび割れる世界──アメリカと中国
ある外交官との再会/ロイ家の物語/ビジネスの論理/関与政策の挫折/「中国株式会社」の台頭/「勝者」の驕り/「二つの資本主義」の行方/ウクライナ侵攻と経済戦争/「見張る石(パランティア)」/「通商国家」日本の針路

第3章 超大国の蹉跌──コロナ危機 
急転直下の「戦争」/「今回こそ違う」のか/供給危機の現場へ/巨大工場の「英雄」たち/ファストフード店の祈り/「絶望死」の社会/リベラリズムの陥穽/自由主義の再興へ/青いカニの思い出

第4章 物語を取り戻す──グローバル化と民主主義
「ビッグ・アグ」への怒り/エコノミークラスの邂逅/ポピュリズムの「良い面」/「鍛冶場」と「第3の支柱」/防波堤としてのローカリズム/「幽霊病院」で/物語を書く/知られざる「内戦」/「復興」に向けて

第5章 半導体と空気調節──国家の復権
ディストピアの首都/国家なき「楽園」/スリーピー・ジョーの登場/財政政策の復権/「日本化」の恐れ/「底辺への競争」に歯止め/「釘一つないために……」/極小の宇宙で「官民連携」/日米の信頼が支える供給網/「シリコンバレーの問題児」の憤懣/「市場主導の産業政策」/「空気調節」/「9割がトランプ投票」の町で

第6章 咆哮と興奮──日米の虚脱を越えて
トランプの咆哮/無条件降伏と民主主義/客死した民権運動家/二つの大河が交わる町で/忘れ去られた人々/ハックとジムが目指した地/夢は続く/「新しい国制の興奮」

終章 ひび割れる世界に湧く泉
トランプの警鐘と限界/偽善と生きがい/小の虫と大の虫/「在所」のパトリオティズム/アメリカと日本/コーデル・ハルの生家で/民主主義への祈り

あとがき

著者プロフィール

青山直篤  (アオヤマナオアツ)  (著/文

(Aoyama Naoatsu)
朝日新聞記者。1981年横浜生まれ。2003年東京大学法学部卒業。共同通信記者をへて米タフツ大学大学院フレッチャー・スクール修了。2008年に朝日新聞社入社。山口総局、GLOBE編集部、経済部を経て、18年-22年、アメリカ総局(ワシントン)にて、貿易戦争やコロナ危機の激動に揺れたトランプ・バイデン政権期を取材。取材班の一員として執筆に関わった本に『ルポ 税金地獄』(朝日新聞経済部、文春新書、2017年)、『分極社会アメリカ』(朝日新聞取材班、朝日新書、2021年)などがある。本書が初の単著。現在は国際報道部次長。

上記内容は本書刊行時のものです。