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欧化と国粋 ケネス・B・パイル(著/文) - みすず書房
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欧化と国粋 (オウカトコクスイ) 明治新世代と日本のかたち (メイジシンセダイトニホンノカタチ)

歴史・地理
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発行:みすず書房
四六判
重さ 390g
288ページ
定価 5,000円+税
ISBN
978-4-622-09544-6   COPY
ISBN 13
9784622095446   COPY
ISBN 10h
4-622-09544-0   COPY
ISBN 10
4622095440   COPY
出版者記号
622   COPY
Cコード
C0021  
0:一般 0:単行本 21:日本歴史
出版社在庫情報
不明
初版年月日
2022年10月3日
書店発売日
登録日
2022年8月25日
最終更新日
2022年10月6日
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紹介

「日本人は西洋近代とどのようにして出会ったのか。それは、自己をいったん解体し再建する試みと同義であった。本書はその過程を見事に再構成し、われわれに提示してくれる」 白井聡(『永続敗戦論』著者)

本書は明治中期に国を二分した論争の重要研究であり、アメリカ人研究者が弱冠33歳で書き上げたものである。以来本作は日米で50年にわたり断続的に読み継がれてきた。その名著をここに改めて刊行する。
近代世界において日本人であるということは、一体何を意味していたのだろうか? 近代国家建設のため西洋文明を急激に吸収する一方で、日本人の自己像は大きく揺らいでいた。それは、明治の初代指導層から見て新世代にあたる青年を中心に「欧化か国粋か」の激論を巻き起こす。日本の完全な欧化を主張したのは徳富蘇峰らの民友社であり、日本の国粋保存を訴えたのは志賀重昂、三宅雪嶺らの政教社であった。国民的な関心を集めたかれらの真摯な激論は、後発的発展社会にとって宿命的なアポリアを解消する可能性を秘めていたのだが――
「日本にとって悲劇であったのは、この健康なナショナリズムが、その後、愚かしく有害なナショナリズムの形態に圧倒されてしまったことである」(「日本語版への序文」より)。
かれらを飲み込んだ国家主義は何をもたらしたのか。本書が克明に描く明治新世代の苦悩に、現代の我々は何を読みとり、何を思うだろう。問いは読者に開かれている。

目次

日本語版への序文
序文

序章
第一章 新しい世代
第二章 明治青年と欧化主義
第三章 日本人のアイデンティティをめぐる諸問題
第四章 国民意識の苦悩
第五章 条約改正と民族自決
第六章 精神的保証を求めて
第七章 国民的使命の探求
第八章 戦争と自己発見
第九章 日本の歴史的苦境

原注
訳者あとがき
人名索引

著者プロフィール

ケネス・B・パイル  (ケネスパイル)  (著/文

(Kenneth B. Pyle)
ワシントン大学名誉教授。The New Generation in Meiji Japan (Stanford University Press, 1969)(『新世代の国家像――明治における欧化と国粋』五十嵐暁郎訳、社会思想社、1986年/『欧化と国粋――明治新世代と日本のかたち』五十嵐暁郎訳、講談社、2013年)、The Making of Modern Japan (Heath, 1978)、Japanese Question (AEI Press, 1992)(『日本への疑問』加藤幹雄訳、サイマル出版会、1995年)、Japan in the American Century (Harvard University Press, 2018)(『アメリカの世紀と日本』山岡由美訳、みすず書房、2020年) などの著作を発表したほか、日本研究の主要ジャーナルJournal of Japanese Studiesを創刊。長年にわたりワシントン大学ヘンリー・M・ジャクソン国際研究所長の任にあり、全米アジア研究所も設立、所長を務める。

松本三之介  (マツモトサンノスケ)  (監修

(まつもと・さんのすけ)
1948年、東京大学法学部卒業。東京教育大学文学部教授、東京大学法学部教授、駿河台大学法学部教授などを歴任し、現在は東京大学名誉教授。専攻は日本政治思想史。著書『天皇制国家と政治思想』(未來社)、『国学政治思想の研究』(未來社)、『近世日本の思想像――歴史的考察』(研文出版)、『明治思想史――近代国家の創設から個の覚醒まで』(新曜社)、『明治思想における伝統と近代』(東京大学出版会)、『吉野作造』(東京大学出版会)、『近代日本の中国認識――徳川期儒学から東亜協同体論まで』(以文社)、『「利己」と他者のはざまで――近代日本における社会進化思想』(以文社)、『増補 明治思想史――近代国家の創設から個の覚醒まで』(以文社)ほか共著、編著多数。

五十嵐暁郎  (イガラシアキオ)  (翻訳

(いがらし・あきお)
1976年、東京教育大学大学院文学研究科博士課程修了。1987-2012年、立教大学法学部教授。現在、立教大学名誉教授。専攻は現代日本政治論。著書『民主化時代の韓国――政治と社会はどう変わったか 1987-1992』(世織書房)、『新 アジアのドラマ――ポスト冷戦・高度経済成長の光と影』(潮出版社)、『明治維新の思想』(世織書房)、『日本政治論』(岩波書店)、『女性が政治を変えるとき』(共著、岩波書店)ほか共著、編著多数。テツオ・ナジタ『相互扶助の経済――無尽講・報徳の民衆思想史』(みすず書房)監訳。

上記内容は本書刊行時のものです。