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死と歴史【新装版】 フィリップ・アリエス(著/文) - みすず書房
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死と歴史【新装版】 (シトレキシ) 西欧中世から現代へ (セイオウチュウセイカラゲンダイヘ)

歴史・地理
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発行:みすず書房
四六判
重さ 420g
304ページ
定価 4,700円+税
ISBN
978-4-622-09535-4   COPY
ISBN 13
9784622095354   COPY
ISBN 10h
4-622-09535-1   COPY
ISBN 10
4622095351   COPY
出版者記号
622   COPY
Cコード
C1022  
1:教養 0:単行本 22:外国歴史
出版社在庫情報
不明
初版年月日
2022年6月16日
書店発売日
登録日
2022年5月13日
最終更新日
2022年6月9日
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紹介

「まず私たちが出会ったのは、非常に古くからあり、非常に永続的な非常に巨大な感情、受動的な諦めと神秘的な信頼との中間にある、恐怖も絶望も伴わぬ、死との親近感でした。……死とは、自身の人格が、無化するのではなくて、眠ることになる〈運命〉を各人が認めることなのです。……この信仰は、今日のわれわれが考えるほど、前の時間と後の時間、生と死後の生とを対立させはしません」
「近代になると、死のとりあげ方やその儀式には一見連続性があるようでも、死は問題とされるようになり、一番なじみ深い物事の世界から、ひそかに離れていきました。想像界では、死はエロティシズムと結びつき、日常の秩序からの断絶を表わすようになりました」

『〈子供〉の誕生』では、〈小さな大人〉から〈子供〉への家族の感情・心性の歴史を、そして、『死を前にした人間』では、数多くの図像、文学作品、墓碑銘、遺言書をもとに、〈飼いならされた死〉から〈汝の死〉への感情・心性の歴史を描いた、歴史家アリエスによる講演・論文集。大著『死を前にした人間』を凝縮した内容の講演「死を前にしての態度」や、歴史家の方法論にも触れた「ホイジンガと死骸趣味の主題」「集合的無意識と明確な観念」などの論文を収めている。死生観が揺らぎ続けている現代に、本書から歴史に学び、俯瞰する視点を読み取ることができるであろう。

目次

序――終ることのない書物の物語

I 死を前にしての態度
飼いならされた死
己の死
汝の死
タブー視される死
結論

II 研究の道程 1966-1975
中世における死を前にしての富と貧困
ホイジンガと死骸趣味の主題
モーラスの『楽園への道』における死の主題
死者の奇跡
遺言書と墓に見られる近代的な家族感情について
現代における死者礼拝に関する試論
今日のフランス人における生と死
倒錯した死の観念。西欧社会における死を前にしての態度の変化
患者と家族と医者
『死期』
『瀕死の患者』
集合的無意識と明確な観念

訳者あとがき
原注

著者プロフィール

フィリップ・アリエス  (フィリップアリエス)  (著/文

(Philippe Ariès)
1914年、ロワール河畔のブロワで、カトリックで王党派的な家庭に生れる。ソルボンヌで歴史学を学び、アクシヨン・フランセーズで活躍したこともあったが、1941-42年占領下のパリの国立図書館でマルク・ブロックやリュシアン・フェーヴルの著作や『アナル』誌を読む。家庭的な事情から大学の教職には就かず、熱帯農業にかんする調査機関で働くかたわら歴史研究を行なった。『フランス諸住民の歴史』(1948)、『歴史の時間』(1954、1986、杉山光信訳、みすず書房、1993)、『〈子供〉の誕生』(1960、杉山光信・杉山恵美子訳、みすず書房、1980)、『死を前にした人間』(1977、成瀬駒男訳、みすず書房、1990)などユニークな歴史研究を発表し、新しい歴史学の旗手として脚光をあびる。1979年に社会科学高等研究院(l’École des Hautes Études en Sciences Sociales)の研究主任に迎えられる。自伝『日曜歴史家』(1980、成瀬駒男訳、みすず書房、1985)がある。1984年2月8日歿。

伊藤晃  (イトウアキラ)  (翻訳

(いとう・あきら)
1927年愛知県に生れる。1956年東京大学文学部仏文科卒業。修士。國學院大学名誉教授。2008年歿。訳書 R・ヤーコブソン『詩学から言語学へ』(国文社、1983)、M・オレゾン『死とその後』(共訳、春秋社、1974)他。

成瀬駒男  (ナルセコマオ)  (翻訳

(なるせ・こまお)
1931年横浜市に生れる。1953年東京大学文学部仏文科卒業。修士。國學院大学文学部教授を務める。1995年歿。著書『ルネサンスの謝肉祭』(小沢書店、1978)。訳書 E・ドールス『バロック論』(筑摩書房、1969)、J・グルニエ『地中海の冥想』(竹内書店、1971)、N・Z・デーヴィス『マルタン・ゲールの帰還』(平凡社、1986)『愚者の王国、異端の都市』(共訳、1987)『古文書の中のフィクション』(共訳、平凡社、1990)、A・ドービニェ『児らに語る自伝』(平凡社、1988)、Ph・アリエス『死を前にした人間』(みすず書房、1990)他。

上記内容は本書刊行時のものです。