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コスモポリタニズム クワメ・アンソニー・アッピア(著/文) - みすず書房
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コスモポリタニズム (コスモポリタニズム) 「違いを越えた交流と対話」の倫理 (チガイヲコエタコウリュウトタイワノリンリ)

哲学・宗教
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発行:みすず書房
四六判
重さ 385g
312ページ
定価 3,600円+税
ISBN
978-4-622-09533-0   COPY
ISBN 13
9784622095330   COPY
ISBN 10h
4-622-09533-5   COPY
ISBN 10
4622095335   COPY
出版者記号
622   COPY
Cコード
C1010  
1:教養 0:単行本 10:哲学
出版社在庫情報
不明
初版年月日
2022年9月16日
書店発売日
登録日
2022年8月10日
最終更新日
2022年9月12日
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紹介

「コスモポリタニズムの出発点をなすのは単純な考え方である。国家における場合と同様、全人類を単位とする共同体においても、私たちは違いを乗り越えて平和に共存することを習慣としなければならない、という発想がそれである」(本文より)

コスモポリタニズムのこうした発想は耳に心地よいが、現実離れした理想主義的な考え方だ、ととらえる向きもある。コスモポリタニズムの考え方を徹底することで、国家や地域、さらには家族といった、個性や伝統を備えたつながりや愛着が犠牲になりはしないだろうか、といった疑念がもたれることもあるだろう。
しかし、と著者アッピアは言う。この地球に住むすべての人を気にかけて暮らすことと、個々別々の地域に根差した文化や伝統を大切にして暮らすことは両立させられるはずだ。
アッピア自身が、ガーナ人の父とイギリス人の母のもとに生まれ、現在アメリカに居を構えるコスモポリタンである。本書は、ともすれば安易な理想主義に陥りかねないコスモポリタニズムの思想を、さまざまな文化や習慣に触れてきた著者の経験を交えつつ、現代に通用する形で鍛え直すことをねらいとしている。「過去の遺物」ではない、「新しい可能性」をもった倫理として。

目次

はじめに 共に暮らし/言葉を交わすということ

第一章 砕け散った鏡
旅人の物語/鏡のメタファーを越えて

第二章 実証主義の檻を抜け出す
プロフェッショナルの相対主義/価値を追放する/実証主義の問題点/価値を取り戻す

第三章 地上の事実
霊魂と共に暮らす/アコスアを説得する/デュエムの発見

第四章 道徳をめぐる見解の不一致
「重くて中身の詰まった倫理」と「軽くて中身の詰まっていない倫理」/「親族」について/水曜日の赤いピーマン/身の毛がよだつ話/論争の余地を残す言葉/光るものすべては金ならず/どちらの価値が重要なのか?/価値をめぐって他者たちと対立する

第五章 実践の優位
ローカルな合意/価値観に変更を加える/善を求めて戦う/勝利するものと敗北するもの

第六章 想像上の他者たち
王を待ちながら/帰郷する/「普遍」の必要性について

第七章 コスモポリタンな混交
グローバル化時代の村社会/変わってはいけない/「文化帝国主義」の問題/「混交」を讃えて

第八章 「文化を所有する」という考え方について
戦利品の徴発/「文化遺産」をめぐる困惑/大切は禍いのもと/芸術のある暮らし/登録商標「文化」/人類の利益/想像力を通じたつながりについて

第九章 コスモポリタニズムの対抗者たち
国境なき信仰者たち/普遍と普遍が競合する/イード・アル=フィトルの祝宴とサフィ家の思い出/「小さな集団を愛すること」について

第十章 見知らぬ他者たちに善意を
中国の役人を殺害する/浅い池/基本的なニーズ/よりよい未来に向けた決意

謝辞
訳者解説

原注
索引

著者プロフィール

クワメ・アンソニー・アッピア  (クワメアンソニーアッピア)  (著/文

(Kwame Anthony Appiah)
ニューヨーク大学哲学・法学教授。プリンストン大学名誉教授。米国芸術文学アカデミー会長。ガーナ人の父とイギリス人の母のあいだで、ロンドンに生まれる。専門は、文学、カルチュラル・スタディーズ、アフリカ人やアフリカ系アメリカ人の知的営為に関する歴史や文学研究、倫理学。道徳哲学と心理学の関連や、政治哲学や社会科学の哲学など。著書に、Lies That Bind (Liveright Pub Corp, 2018), Experiments in Ethics (Harvard University Press, 2010), The Honor Code (W. W. Norton, 2010) などがある。

三谷尚澄  (ミタニナオズミ)  (翻訳

(みたに・なおずみ)
1974年、三重県に生まれる。1997年、京都大学文学部卒業。2002年、京都大学大学院文学研究科博士課程単位取得退学。2006年、文学博士(京都大学)。現在、信州大学人文学部教授(専攻/西洋哲学・倫理学)。著訳書に『哲学しててもいいですか?――文系学部不要論へのささやかな反論』(2017)、『若者のための〈死〉の倫理学』(2013。以上、ナカニシヤ出版)、『新・カント読本』(共著:牧野英二編、第21章「カントにおける生と死の倫理」を担当、法政大学出版局、2018)、‘The World in which Everything is the Self’, in Jay Garfield (ed.), Wilfrid Sellars and Buddhist Philosophy (Routledge, 2019)、K・A・アッピア『コスモポリタニズム』(みすず書房、2022)、C・コースガード『義務とアイデンティティの倫理学』〔共訳〕(岩波書店、2005)などがある。

上記内容は本書刊行時のものです。