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「春」はどこにいった 酒井啓子(著/文) - みすず書房
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「春」はどこにいった (ハルハドコニイッタ) 世界の「矛盾」を見渡す場所から 2017-2022 (セカイノムジュンヲミワタスバショカラニセンジュウナナニセンニジュウニ)

社会科学
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発行:みすず書房
四六判
重さ 405g
272ページ
定価 3,800円+税
ISBN
978-4-622-09530-9   COPY
ISBN 13
9784622095309   COPY
ISBN 10h
4-622-09530-0   COPY
ISBN 10
4622095300   COPY
出版者記号
622   COPY
Cコード
C0031  
0:一般 0:単行本 31:政治-含む国防軍事
出版社在庫情報
不明
初版年月日
2022年12月9日
書店発売日
登録日
2022年10月24日
最終更新日
2022年12月1日
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書評掲載情報

2023-03-04 日本経済新聞  朝刊
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紹介

9・11米国同時多発テロから20年。「アラブの春」から10年。国際社会からの関心が薄れるなか、中東は注目すべき変化の途上にある。

「まがりなりにも、選挙を実施している。まがりなりにも、自分たちの手で政党を選び、表現の自由も与えられている。だから、言うべきことは言うべきだし、不当なことをされたらそれに抗議しなければならない。驚くべきことに、2003年以降のイラクには、ちゃんとした「民主主義」が育っていたのだ。だからこそ、彼らは国旗を背負って抵抗運動を繰り広げる」
「女性たちは長らく、社会的権利を奪われるばかりでなく、その身体そのものを支配されてきた。医療や美容、スポーツに携わる女たちは、他者に支配されてきた女性の身体を、自分自身で解放し、女性自身の手に取り戻そうとしている。それだけではない。女たちは、その技術で、負傷した男たちを守っているのだ。男に対して、「守って」というのではなく。「春」は女の顔をしている。それを「冬」へと導いたのは、力に頼るしかない「男社会」だ」

今知るべき中東情勢を歴史的厚みのある記述で伝えつつ、彼の地で失われてゆくものと生まれつつあるものを見つめ続けた時評集。

目次

若者は何を目指すのか
カタルーニャとスコットランドとクルドの、見果てぬ夢の夢
移動する人々の時代は続く
どけ、この文明は入れないぞ
Si le grain ne meurt
アラブがハリウッドのヒーローを演じるということ、雑感
父子鷹
世界は「1989」を賞賛する。それが中東を貶める
政治学と地域研究
イラクと中東の「朝」は
ステイホームは自治空間!
「アラブの心臓」が息絶えるとき
「春」はどこにいった
わきまえない私や彼/彼女たちの闘い方
アラブの冬とアフガニスタンの厳寒(そしてポスト「冷戦後」の見えない世界)
色褪せた規範のゴミを紛争地に捨てるな


あとがき

著者プロフィール

酒井啓子  (サカイケイコ)  (著/文

(さかい・けいこ)
千葉大学法政経学部教授。専門はイラク政治史、現代中東政治。1959年生まれ。東京大学教養学部教養学科卒。英ダーラム大学(中東イスラーム研究センター)修士。アジア経済研究所、東京外国語大学を経て、現職。著書に『イラクとアメリカ』(岩波新書 2002)『イラク 戦争と占領』(岩波新書 2004)『〈中東〉の考え方』(講談社現代新書 2010)『中東から世界が見える』(岩波ジュニア新書 2014)『移ろう中東、変わる日本 2012-2015』(みすず書房 2016)『9.11後の現代史』(講談社現代新書 2018)など。編著に『〈アラブ大変動〉を読む――民衆革命のゆくえ』(東京外国語大学出版会 2011)『中東政治学』(有斐閣 2012)『途上国における軍・政治権力・市民社会 21世紀の「新しい」政軍関係』シリーズ転換期の国際政治(晃洋書房 2016)など。

上記内容は本書刊行時のものです。