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いと高き貧しさ【新装版】 ジョルジョ・アガンベン(著/文) - みすず書房
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いと高き貧しさ【新装版】 (イトタカキマズシサ) 修道院規則と生の形式 (シュウドウインキソクトセイノケイシキ)

哲学・宗教
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発行:みすず書房
四六判
重さ 370g
256ページ
定価 4,800円+税
ISBN
978-4-622-09517-0   COPY
ISBN 13
9784622095170   COPY
ISBN 10h
4-622-09517-3   COPY
ISBN 10
4622095173   COPY
出版者記号
622   COPY
Cコード
C0010  
0:一般 0:単行本 10:哲学
出版社在庫情報
不明
初版年月日
2022年5月19日
書店発売日
登録日
2022年4月25日
最終更新日
2022年5月10日
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紹介

もしもふるまいや言葉において、生と規則が区別できないとしたら。そして物の使用が所有と無関係で、法の外にある生活が可能だとしたら、どうだろう。
神的なものと人間的なものが織りなす修道院の規則は、教義や掟ではなく、生の次元に位置する体験であった。それは西洋の政治と倫理に影響を与えつづけてきたが、現代はその遺産を考察さえできないでいる。
砂漠の聖者アントニオス。東西教会の代表的教父・バシレイオスとアウグスティヌス。アッシジのフランチェスコと後継の理論家たち。神秘家オリヴィ。イエスの〈貧しさ〉に従う修道者たちは、異端の疑いと背中合わせの中で、清貧の思想を鍛えぬいてきた。
とりわけフランシスコ会の兄弟たちは、所有権を拒否するだけでなく、「いかなる権利ももたない権利」を掲げて、法の外で生きようとした。アガンベンは彼らの言論に、大量消費社会を超える可能性を見る。
生きることがたんなる事実ではなく、生の可能性であるような生。国家という形態をとらない政治の可能性を考えるべく、アガンベンがかねて予告していた〈生のかたち〉、すなわち分離できないほど形式と固く結びつき、「生政治」に回収されない生を構築する探求が、ここに手がけられた。「ホモ・サケル」シリーズの一冊。

目次

序文

I 規則と生
1 規則の誕生
2 規則と法律
3 俗世からの逃亡と創憲


II 典礼と規則
1 生の規則
2 口述と書記
3 典礼のテクストとしての規則


III 〈生の形式〉
1 生の発見
2 法権利を放棄する
3 いと高き貧しさと使用


解説 所有することなき使用  上村忠男
訳者あとがき


人名索引

著者プロフィール

ジョルジョ・アガンベン  (ジョルジョアガンベン)  (著/文

(Giorgio Agamben)
1942年ローマ生まれ。ヴェネツィア建築大学教授を務めたのち、現在はズヴィッツェラ・イタリアーナ大学メンドリジオ建築アカデミーで教えている。主要著書に《ホモ・サケル》シリーズのほか、『中味のない人間』(1970)『スタンツェ』(1977)『幼児期と歴史』(1980)『言葉と死』(1982)『到来する共同体』(1990)『目的なき手段』(邦訳『人権のかなたに』1995)『残りの時』(2000)『涜神』(2005)『イタリア的カテゴリー』(2010)など。

上村忠男  (ウエムラタダオ)  (翻訳

(うえむら・ただお)
1941年兵庫県尼崎市に生まれる。1968年、東京大学大学院社会学研究科(国際関係論)修士課程修了。東京外国語大学名誉教授。学問論・思想史専攻。著書『ヴィーコの懐疑』(みすず書房、1988)『バロック人ヴィーコ』(同、1998)『歴史家と母たち――カルロ・ギンズブルグ論』(未來社、1994)『グラムシ 獄舎の思想』(青土社、2005)『カルロ・レーヴィ『キリストはエボリで止まってしまった』を読む――ファシズム期イタリア南部農村の生活』(平凡社、2010)『ヘテロトピア通信』(みすず書房、2012)『ヴィーコ論集成』(同、2017)ほか。訳書 G・アガンベン『アウシュヴィッツの残りのもの』(共訳、月曜社、2001)『瀆神』(共訳、月曜社、2005)『残りの時 パウロ講義』(岩波書店、2005)『幼児期と歴史』(岩波書店、2007)『例外状態』(共訳、未來社、2007)『言葉と死』(筑摩書房、2009)『身体の使用――脱構成的可能態の理論のために』(みすず書房、2016)『哲学とはなにか』(みすず書房、2017)、など多数。

太田綾子  (オオタアヤコ)  (翻訳

(おおた・あやこ)
1947年東京生まれ。フィレンツェ大学教育学部イタリア語・イタリア文学科卒業、教皇庁立ウルバノ大学マーテル・エクレシエ短期大学(宣教カテケーシス専攻)卒業。教皇庁グレゴリアン大学聖書学院でヘブライ語・ギリシア語を学ぶ。滞伊26年、1991年に帰国。日伊協会講師(1989-97)。1993年イタリア語通訳翻訳会社「アド・イタリア」設立。訳書 アガンベン『いと高き貧しさ――修道院規則と生の形式』(共訳、みすず書房、2014)。

上記内容は本書刊行時のものです。