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居場所なき革命 吉田徹(著/文) - みすず書房
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居場所なき革命 (イバショナキカクメイ) ドゴール主義とフランス5月革命 (ドゴールシュギトフランスゴガツカクメイ)

社会科学
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発行:みすず書房
四六判
重さ 400g
288ページ
定価 3,800円+税
ISBN
978-4-622-09081-6   COPY
ISBN 13
9784622090816   COPY
ISBN 10h
4-622-09081-3   COPY
ISBN 10
4622090813   COPY
出版者記号
622   COPY
Cコード
C0036  
0:一般 0:単行本 36:社会
出版社在庫情報
不明
初版年月日
2022年4月18日
書店発売日
登録日
2022年3月10日
最終更新日
2022年4月18日
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書評掲載情報

2022-07-03 産經新聞  朝刊
評者: 会田弘継(関西大学客員教授)
2022-07-02 日本経済新聞  朝刊
評者: 渡邊啓貴(帝京大学教授)
2022-06-04 毎日新聞  朝刊
評者: 岩間陽子(国際政治学者)
2022-05-21 朝日新聞  朝刊
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紹介

1968年。それは、世界中の学生と労働者が〈システム〉に異を唱え、現代政治の諸問題を提起するという、戦後史の分岐点となった年であった。しかし、1968年が何であったのか、何を意味するのかは今も定まらない。運動の本拠地フランスの五月革命も、あれから半世紀が経ってなお、その成否をめぐる意見は分かれ、意義についての評価も一致をみない。
本書は、このとらえ難さを乗り越えるために、これまでにない手法を用いている。反革命であるところのドゴール主義による政治を、友鏡にするのだ。
フランス五月革命は、その直後の議会選挙でドゴール派が圧勝したため、から振りに終わった。しかし翌年には、自らが仕かけた国民投票の結果を受けてドゴール大統領が辞任する、という展開を生む。「新しい政治」への希求に対峙した「旧い政治」たるドゴール主義は、なぜ国民投票に打って出ることになったのか。はたして五月革命は、成功だったのか、失敗だったのか。この問いへの答えを模索するなかに、五月革命の相貌が見えてくるだろう。「居場所なき」ことを余儀なくされた――ふたつの――革命の姿として。
戦後政治史の一画期を根底からとらえ直す、清新な試み。

目次

序章 「六八年五月革命」――シンボルと歴史の狭間で
1五月革命の意味 2五月革命の推移と帰結 3本書の射程と意義 4構成と資料

第1章 五月革命をめぐる諸解釈と問題設定
1反システム運動としての一九六八年 2世界同時/個別革命としての一九六八年 3「六八年世代」の形成 4五月革命の複数の時間性 5分析視角 

第2章 ドゴール主義とは何であったのか
1ドゴールとバイユー演説 2ドゴール主義はいかなるナショナリズムなのか 3ドゴール主義と民主主義 4ドゴール主義における社会的次元――「参加」とは何か 5社会に抗する国家

第3章 「革命」に対する政治の「勝利」
1五月革命の予兆 2ナンテール校からカルチエ・ラタンへ 3学生/労働運動の共闘の開始 4「学生の五月」から「社会の五月」へ 5ドゴールの政治的勝利 6ポンピドゥーの退陣 

第4章 国民投票とドゴールの退陣
1フォールによる高等教育改革法案 2グルネル合意の経済的影響 3国民投票への道――州議会設置と上院改組 4国民投票キャンペーンの開始 5「ノン」の勝利とドゴール退陣 6ポンピドゥーによるポスト・ドゴール期の開始

終章 居場所なき革命
1ドゴール主義による革命 2新たな保守政治への助走

あとがき
文献

索引

著者プロフィール

吉田徹  (ヨシダトオル)  (著/文

(よしだ・とおる)
東京都生まれ。慶応義塾大学法学部卒、東京大学総合文化研究科博士課程修了(学術博士)。北海道大学法学研究科/公共政策大学院教授、パリ政治学院客員教授等を経て同志社大学政策学部教授、フランス国立社会科学高等研究院日仏財団リサーチアソシエイト。著書に『ミッテラン社会党の転換――社会主義から欧州統合へ』(法政大学出版局,2008年)、編著に『ヨーロッパ統合とフランス――偉大さを求めた1世紀』(法律文化社,2012年)、論文に”L'Alternance de 2009 au Japon” in P. Aldrin et al. (eds.) Politiques de l'Alternance, Éd. du Croquant; "Parliaments in an age of populism" in C. Benoît and O. Rozenberg, Handbook of Parliamentary Studies, Edward Elgar Publishing,「極右に投票する労働者」日本政治学会編『年報政治学』2020-Ⅱ号など。

上記内容は本書刊行時のものです。