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アフリカ文学講義 アラン・マバンク(著/文) - みすず書房
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アフリカ文学講義 (アフリカブンガクコウギ) 植民地文学から世界‐文学へ (ショクミンチブンガクカラセカイブンガクヘ)

文芸
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発行:みすず書房
四六判
重さ 380g
280ページ
定価 4,500円+税
ISBN
978-4-622-09067-0   COPY
ISBN 13
9784622090670   COPY
ISBN 10h
4-622-09067-8   COPY
ISBN 10
4622090678   COPY
出版者記号
622   COPY
Cコード
C1098  
1:教養 0:単行本 98:外国文学、その他
出版社在庫情報
不明
初版年月日
2022年1月17日
書店発売日
登録日
2021年12月10日
最終更新日
2022年1月6日
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紹介

2016年、フランスのコレージュ・ド・フランス芸術創造講座で行われた「アフリカにかんする8つの講義」。ヨーロッパ人の見たアフリカ史から説き起こし、植民地期、ポストコロニアル期、パリ郊外に住む移民が生んだ文学まで、1920年以後のブラック・アフリカ文学の全体像をわかりやすく、かつ「内戦と子ども兵」「ルワンダ・ジェノサイド以後に書くこと」など、文学を超え、現代史や思想、社会問題にも広がる視野をもつ類ない文学史である。
フランス語圏ブラック・アフリカの作家は、カリブ海やアメリカの黒人文学作家とパリでどのように出会い、みずからの文学を築き上げていったか。フランス文学という「国民文学」からも、アフリカ諸言語で執筆する正統的「国民文学」からも除外されてきた「フランス語圏文学」は、いかにしてグローバルな認識に立つフランス語表現文学として、「世界‐文学」に連なることができるのか。本書に盛り込まれた著者のメッセージは、1530年の創設以来、名だたる哲学者や文学者を迎えてきたフランスの知の殿堂で「アフリカ人」として初めて講義したこと自体の意味も併せ、今後の文学と世界を考えるひとつの指針となるだろう。
著者アラン・マバンクは1966年コンゴ共和国生まれ。『割れたグラス』『ヤマアラシの回想』はじめ、作家としてフランス語で多くの作品を発表し数々の賞も受賞、2006年以来カリフォルニア大学ロサンゼルス校で教えている。
日本ではほとんど知られていないアフリカ文学の歴史を知るために、世界文学の今後を考えるために、ここにおくる。

目次

まえがき

第一講 黒人文芸――闇から光へ 2016年3月17日
第二講 ネグリチュードとは何か 2016年3月29日
第三講 アフリカ文学のいくつかのテーマ系について 2016年4月5日
第四講 フランスにおけるアフリカ文学の出版について 2016年4月12日
第五講 国民文学と政治的デマゴギー 2016年4月19日
第六講 アフリカと「黒いフランス」が歴史に直面する時 2016年5月10日
第七講 ブラック・アフリカにおける内戦と子ども兵 2016年5月17日
第八講 ルワンダ・ジェノサイド以後に書くこと 2016年5月24日

後日譚
フランス共和国大統領への公開書簡 2018年1月15日
黒人部隊慰霊碑に捧げる演説 ランス、2018年11月6日

原注
訳者あとがき
アフリカ文学読書案内
人名索引

著者プロフィール

アラン・マバンク  (アランマバンク)  (著/文

(Alain Mabanckou)
作家、大学教員。1966年、コンゴ共和国ポワント=ノワール生まれ。首都ブラザヴィルのマリアン・ングアビ大学で学んだ後、渡仏し、法学を修めた。2002年に渡米するまで、スエズ=リヨン水道社でコンサルタントとして働く傍ら、詩人として出発する。最初の小説Bleu-Blanc-Rouge(Présence Africaine, 1998)はブラック・アフリカ文学大賞を受賞し、一躍注目を集めた。小説Verre cassé(Seuil, 2005)ではフランコフォニー五大陸賞を、Mémoires de porc-épic(Seuil, 2006)ではルノドー賞を受賞。フランス語表現アフリカ文学の最重要の書き手の一人として大きな発信力をもつ。2006年よりカリフォルニア大学ロサンゼルス校の正教授としてフランス語圏文学とクリエイティヴ・ライティングを教え、2015年には作家として初めてコレージュ・ド・フランスの招聘教授に着任した。本書『アフリカ文学講義』はこのコレージュ・ド・フランスでの講義録である。

中村隆之  (ナカムラタカユキ)  (翻訳

(なかむら・たかゆき)
1975年、東京生まれ。早稲田大学法学学術院准教授。フランス語を主言語とする環大西洋文学、広域アフリカ文化研究、批評と翻訳などを行う。著書に『エドゥアール・グリッサン──〈全-世界〉のヴィジョン』(岩波書店、2016)『野蛮の言説──差別と排除の精神史』(春陽堂書店、2020)。訳書にエメ・セゼール、フランソワーズ・ヴェルジェス『ニグロとして生きる──エメ・セゼールとの対話』(共訳、法政大学出版局、2011)、エドゥアール・グリッサン『フォークナー、ミシシッピ』(インスクリプト、2012)『ダヴィッド・ジョップ詩集』(編訳、夜光社、2019)などがある。

福島亮  (フクシマリョウ)  (翻訳

(ふくしま・りょう)
1991年、群馬生まれ、ソルボンヌ大学文学部博士課程在籍。カリブ海をはじめとするフランス語圏文学の研究を行う。論考を寄せた書籍として、立花英裕編『クレオールの想像力――ネグリチュードから群島的想像力へ』(水声社、2020)、Érick Noël (dir.), Paris créole : Son histoire, ses écrivains, ses artistes, XVIIIe-XXe siècles (Presses universitaires de Nouvelle Aquitaine, 2020) がある。

上記内容は本書刊行時のものです。