版元ドットコム

探せる、使える、本の情報

文芸 新書 社会一般 資格・試験 ビジネス スポーツ・健康 趣味・実用 ゲーム 芸能・タレント テレビ・映画化 芸術 哲学・宗教 歴史・地理 社会科学 教育 自然科学 医学 工業・工学 コンピュータ 語学・辞事典 学参 児童図書 ヤングアダルト 全集 文庫 コミック文庫 コミックス(欠番扱) コミックス(雑誌扱) コミックス(書籍) コミックス(廉価版) ムック 雑誌 増刊 別冊
恥のきずな カルロ・ギンズブルグ(著/文) - みすず書房
..
【利用不可】

恥のきずな (ハジノキズナ) 新しい文献学のために (アタラシイブンケンガクノタメニ)

歴史・地理
このエントリーをはてなブックマークに追加
発行:みすず書房
四六判
重さ 510g
376ページ
定価 5,800円+税
ISBN
978-4-622-09057-1   COPY
ISBN 13
9784622090571   COPY
ISBN 10h
4-622-09057-0   COPY
ISBN 10
4622090570   COPY
出版者記号
622   COPY
Cコード
C1022  
1:教養 0:単行本 22:外国歴史
出版社在庫情報
不明
初版年月日
2022年1月17日
書店発売日
登録日
2021年12月10日
最終更新日
2022年1月6日
このエントリーをはてなブックマークに追加

紹介

インターネットが時間・空間の距離を消し、歴史的記憶は危機にある。最先端の検索システムも利用しながら、人生で蓄積した経験や知識をもって歴史の空無化にあらがうにはどうしたらよいか。本書は現在必要となる文献学をさし示す論考集である。
解決済みの問題を読み替える。細部にこだわり新発見に至る。熟慮の末に「偶然」を働かせる。遠く離れた事例の比較。行為当事者の(イーミック)次元と観察者の(エティック)次元が対話する時。
たとえばテーマになるのは、異端裁判の魔女とシベリアのシャーマンの記録に表れる「霊となって旅する」同型性である。著者がびっくり仰天した現ローマ教皇の「神はカトリックではない」発言。アウシュヴィッツから生還後、他者の犯した悪行に恥ずかしさを感じ苦しみ続けたプリモ・レーヴィ。
歴史をつくってきたのは人間だから、時代と文化がいかに異なっていても、記録資料を解読し、解釈し、翻訳することは可能である。ヨーロッパでこの基礎を築いたのは17世紀ナポリ生まれの哲学者ヴィーコだった。人類学と歴史学の対話はここから出発した。
歴史の厚みを取り戻すことによって、世界は現在と別の、もっと豊かなものになる。その複雑さを知ることが、世界を変革することに役立つだろう。

目次

序言 日本の読者へ

I
第1章 霊となって旅する――フリウリからシベリアまで

II
第2章 目で見ることのできないテクスト、目で見ることのできるイメージ
第3章 微細な差異について――エクフラシスと鑑定
第4章 家族的類似性と系統樹――二つの認知メタファー
第5章 民族文献学――二つの事例研究
第6章 オライオンと会話する

III
第7章 恥のきずな
第8章 文字は殺す――「コリントの信徒たちへの手紙 二」三・六のいくつかの含意について
第9章 「神はカトリックではない」
第10章 モンテーニュの秘密

IV
第11章 デ・マルティーノ、ジェンティーレ、クローチェ――『呪術的世界』のある頁にかんして
第12章 『世界の終わり』に向かって
第13章 カルヴィーノ、マンゾーニ、灰色の地帯


付論 イーミックとエティック――距離をとることにかんするギンズブルグの省察  上村忠男
編訳者あとがき

著者プロフィール

カルロ・ギンズブルグ  (カルロギンズブルグ)  (著/文

(Carlo Ginzburg)
歴史家。1939年、イタリアのトリーノに生まれる。ピサ高等師範学校専修課程修了。ボローニャ大学・近世史講座教授、カリフォルニア大学ロスアンジェルス校教授を経て、ピサ高等師範学校教授。

上村忠男  (ウエムラタダオ)  (編集 | 翻訳

(うえむら・ただお)
1941年兵庫県尼崎市に生まれる。1968年、東京大学大学院社会学研究科(国際関係論)修士課程修了。東京外国語大学名誉教授。学問論・思想史専攻。

上記内容は本書刊行時のものです。