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出版者情報
狂気の時代
魔術・暴力・混沌のインドネシアをゆく
発行:みすず書房
四六判
重さ 420g
392ページ
定価
3,600円+税
- 初版年月日
- 2021年4月16日
- 書店発売日
- 2021年4月20日
- 登録日
- 2021年3月8日
- 最終更新日
- 2021年4月13日
紹介
「この狂気の時代に/その狂気に加わるのは耐えられないことだ[…]だがそれに加わらないのは/すべてを失うこと」(第4章より)
19世紀の宮廷詩人が詠じたこの「暗闇の時代の詩」をなぞるかのように、インドネシアの各地で1990年代後半に様々な騒乱が発生。新聞記者としてそれらに遭遇した著者は、魔術と暴力が渦巻く混沌の島々に惹かれていく。
1996年にボルネオ島で起きたダヤク族とマドゥーラ族の民族紛争と虐殺、98年にスハルト独裁体制を崩壊させる端緒となったジャカルタの学生デモと軍の衝突、99年に東ティモール独立を巡って行なわれた住民投票とその波紋など、世界最大級の多民族国家を揺るがしたさまざまな蛮行と混乱が、現場の熱気そのままに活写される。
「これは、暴力と恐怖についての本だ」(プロローグより)東京を拠点にミャンマーやタイ、朝鮮半島などアジア各地で取材を重ね、のちに日本を舞台とするノンフィクション『黒い迷宮』と『津波の霊たち』で評価を確立する知日派ジャーナリストが2005年に世に問うた原点の書。
目次
プロローグ 1996年 バリ島で見た不吉な夢
第1部 恥に近い何か 1997-1999年 ボルネオ島
第1章 若者たちがすること
第2章 最高の人々
第2部 放射する光 1998年 ジャワ島
第3章 クリスモン
第4章 狂気の時代
第5章 魔術に頼らない強さ
第6章 ジャカルタ略奪
第7章 ワヤン
第8章 昇天日
第3部 サメの檻 1998-1999年 東ティモール
第9章 クロコダイル
第10章 ファリンティル潜入
第11章 吸血鬼の町
第12章 自由の鷲
第13章 平たい峰
第14章 国連施設の敷地――コンパウンド
第15章 井戸のなか
謝辞
訳者あとがき
上記内容は本書刊行時のものです。