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デヴォン紀大論争 マーティン・J・S・ラドウィック(著/文) - みすず書房
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デヴォン紀大論争 (デヴォンキダイロンソウ) ジェントルマン的専門家間での科学知識の形成 (ジェントルマンテキセンモンカカンデノカガクチシキノケイセイ)

自然科学
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発行:みすず書房
A5判
重さ 990g
856ページ
定価 18,000円+税
ISBN
978-4-622-08935-3   COPY
ISBN 13
9784622089353   COPY
ISBN 10h
4-622-08935-1   COPY
ISBN 10
4622089351   COPY
出版者記号
622   COPY
Cコード
C1040  
1:教養 0:単行本 40:自然科学総記
出版社在庫情報
不明
初版年月日
2021年2月10日
書店発売日
登録日
2020年12月23日
最終更新日
2021年1月27日
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紹介

1834年、イングランド・デヴォンシャー地方の地層の同定をめぐるヘンリー・デ・ラ・ビーチとロデリック・マーチソンの対立に始まり、やがて英仏を中心とした地質学者たちを巻き込んで展開された「デヴォン紀論争」。その約10年にわたる論争を、当事者の日誌や書簡、論考や雑誌記事等の一次資料に基づいて細部まで追跡し、時系列の物語的叙述によって新たな科学知識形成の過程を再構成する。
「科学知識が形成される過程をより充分に理解するために必要なのは、つくられつつある――過去においてか現在においてかはさほど重要ではない――科学の経験的研究である。それが焦点を合わせるのは、ひとりの個人的な科学者ではなく、ある個人の集団を、相互作用する交流のネットワークへ呼び集める、特定の科学的問題である。このような研究は、その貢献度がいかに少なく見えようとも、すべての当事者の役割に注意を払い、公的および私的な、公式および非公式の、儀礼的および自発的な、あらゆる交流に同様の関心をもって相互作用の力学を追跡しなければならない。そして何よりもギルバート・ライルの「厚い記述」に類似した何かによって、科学研究という社会的ドラマの、当事者自身にとっての意味を見きわめようとしなければならない。…本書は相互作用する社会集団の活動と見なされた科学研究の、経験的探究に貢献するものである。それはまず第一に、デヴォン紀論争によって引き起こされた問題と格闘する19世紀の地質学者の肩越しに見て、彼らがいったい何をしようとしていたかを突きとめる試みである。」(第1章より)

科学史の大著、待望の邦訳。

「科学とその歴史を理解するうえでは欠かすことのできない、今世紀を代表する一冊となりうるドキュメント」――スティーヴン・J・グールド

「科学概念の発展と科学者共同体の相関について説得的に、詳細に、ほとんど日毎に追究し、記録した本」――トーマス・S・クーン

目次

図版一覧
凡例
序文
登場人物一覧

第1部 舞台を設定する
 第1章 歴史的顕微鏡のもとでの科学研究
 第2章 ジェントルマン的討論の闘技場
 第3章 地球を解き明かす

第2部 プロットの展開
 第4章 序幕 グレイワッケを解きほぐす
 第5章 論争が公のものになる
 第6章 漸移系を飼い馴らす
 第7章 真価が問われるデヴォンシャー
 第8章 解釈をめぐる工作
 第9章 議論の方向を変える
 第10章 衝突する大著
 第11章 再生するデヴォン系
 第12章 大陸を征服する
 第13章 合意をつくりだす
 第14章 自然化されたデヴォン系

第3部 行動の分析
 第15章 論争の形状
 第16章 自然的知識の形成

付録
訳者あとがき
文献目録
原注
索引

著者プロフィール

マーティン・J・S・ラドウィック  (マーティンラドウィック)  (著/文

1932年に生まれる。ケンブリッジ大学トリニティ・カレッジで学び、1958年に地質学の博士号を取得。腕足類の研究から出発したが、次第に研究の力点を科学の歴史・哲学に移す。カリフォルニア大学サンディエゴ校教授をつとめたのち、1998年に同大学を退職しイギリスに戻る。現在はカリフォルニア大学名誉教授、ケンブリッジ大学科学史・科学哲学科所属の研究員。著作に『現生および化石腕足類』(1970)、『化石の意味』(1972、第二版1976)〔菅谷・風間訳、みすず書房、2013〕、『デヴォン紀大論争』(1985)〔菅谷暁訳、みすず書房、2021〕、『太古の光景』(1992)〔菅谷暁訳、新評論、2009〕、『時間の限界を破砕する』(2005)、『アダム以前の世界』(2008)など、解説付訳書に『ジョルジュ・キュヴィエ、化石骨と地質学的激変』(1997)がある。

菅谷 暁  (スガヤサトル)  (翻訳

1947年に生まれる。東京都立大学大学院人文科学研究科博士課程退学。科学史専攻。訳書にコイレ『ガリレオ研究』(法政大学出版局、1988)、ビュフォン『自然の諸時期』(法政大学出版局、1994)、ゴオー『地質学の歴史』(みすず書房、1997)、コーエン『マンモスの運命』(新評論、2003)、バロー『宇宙のたくらみ』(みすず書房、2003)、ラドウィック『太古の光景』(新評論、2009)『化石の意味』(共訳、みすず書房、2013)『デヴォン紀大論争』(みすず書房、2021)など。

上記内容は本書刊行時のものです。