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ウイルスの世紀 山内一也(著/文) - みすず書房
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ウイルスの世紀 (ウイルスノセイキ) なぜ繰り返し出現するのか (ナゼクリカエシシュツゲンスルノカ)

自然科学
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発行:みすず書房
四六判
重さ 380g
264ページ
定価 2,700円+税
ISBN
978-4-622-08926-1   COPY
ISBN 13
9784622089261   COPY
ISBN 10h
4-622-08926-2   COPY
ISBN 10
4622089262   COPY
出版者記号
622   COPY
Cコード
C1045  
1:教養 0:単行本 45:生物学
出版社在庫情報
不明
初版年月日
2020年8月17日
書店発売日
登録日
2020年6月17日
最終更新日
2020年8月6日
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書評掲載情報

2020-10-10 東京新聞/中日新聞  朝刊
2020-09-12 日本経済新聞  朝刊
2020-08-29 毎日新聞  朝刊
評者: 中村桂子(JT生命誌研究館名誉館長)
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紹介

20世紀後半以降、人間社会に次々に出現するようになった新たなウイルスを「エマージングウイルス」という。新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)もその一つである。
新型コロナウイルスにおいて起きたことは、他のエマージングウイルスにおいてすでに起きていた。感染者と共に大西洋を渡ったラッサウイルス。宿主であるコウモリからほかの動物を介してヒトに伝播したニパウイルス。院内感染がクラスターとなったエボラウイルス。憶測が差別につながったハンタウイルス。そして、SARS・MERSウイルスの出現は、コロナウイルスのグループからさらに新たなウイルスが出現する可能性があることを示唆していた。
人類は、ウイルスの発見以来、ワクチンや治療薬、分離・判定技術、情報網などの対抗手段を急速に発展させてきた。しかしその一方で、人間社会の発展そのものが新たなウイルスの出現を促し、感染を加速させているという見方もできる。動物やヒトが密集し、短時間に長距離を移動できるようになったことにより、ウイルスと新たな宿主が出会う機会は急増し続けている。
エマージングウイルスの10の事例を通じてウイルスと人間社会の関係を俯瞰し、今後も新たなウイルスが繰り返し社会に現れうることを警告する書。

目次

プロローグ

1章 ウイルスとは何者か
1 割り切れない不思議な存在
2 不器用なウイルスと器用なウイルス
3 なぜ、どのように病気が起きるのか
4 発見までの道のり
5 研究手段の変遷

2章 エマージングウイルスの系譜
1 人獣共通感染症とエマージング感染症
2 マールブルグ病
3 ラッサ熱
4 エボラ出血熱
5 ハンタウイルス病
6 ヘンドラウイルス病
7 ニパウイルス脳炎
8 ウエストナイル熱
9 エマージング感染症はなぜ繰り返し現れるのか

3章 新型コロナウイルス
1 コロナウイルスの特徴
2 最初のコロナウイルスの発見
3 重症急性呼吸器症候群(SARS)ウイルス
4 中東呼吸器症候群(MERS)ウイルス
5 「次の新型コロナウイルス」に備える
6 新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)の出現

4章 人類はどのような手段を持っているのか
1 ワクチン
2 治療薬
3 公衆衛生対策
4 「ワンヘルス」にもとづく発生監視

5章 ウイルスとともに生きる
1 バイオハザード対策の発展史
2 高度隔離施設の現場へ
3 病原体の管理基準
4 根絶の時代から共生の時代へ

あとがき
主要文献
索引

著者プロフィール

山内一也  (ヤマノウチカズヤ)  (著/文

1931年、神奈川県生まれ。東京大学農学部獣医畜産学科卒業。農学博士。北里研究所所員、国立予防衛生研究所室長、東京大学医科学研究所教授、日本生物科学研究所主任研究員を経て、東京大学名誉教授、日本ウイルス学会名誉会員、ベルギー・リエージュ大学名誉博士。専門はウイルス学。主な著書に『ウイルスと人間』(岩波書店、2005)『史上最大の伝染病 牛疫 根絶までの四〇〇〇年』(岩波書店、2009)『ウイルスと地球生命』(岩波書店、2012)『近代医学の先駆者――ハンターとジェンナー』(岩波書店、2015)『はしかの脅威と驚異』(岩波書店、2017)『ウイルス・ルネッサンス』(東京化学同人、2017)『ウイルスの意味論――生命の定義を超えた存在』(みすず書房、2018)『ウイルスの世紀――なぜ繰り返し出現するのか』(みすず書房、2020)など、主な訳書にアマンダ・ケイ・マクヴェティ『牛疫――兵器化され、根絶されたウイルス』(みすず書房、2020)、主な監訳書にエド・レジス『悪魔の生物学――日米英・秘密生物兵器計画の真実』(柴田京子訳、河出書房新社、2001)など。

上記内容は本書刊行時のものです。