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出版者情報
文明史から見たトルコ革命
アタテュルクの知的形成
- 初版年月日
- 2020年3月2日
- 書店発売日
- 2020年3月4日
- 登録日
- 2020年1月22日
- 最終更新日
- 2020年2月25日
書評掲載情報
2020-05-17 |
読売新聞
朝刊 評者: 加藤聖文(国文学研究資料館准教授、歴史学者) |
2020-05-02 |
朝日新聞
朝刊 評者: 宇野重規(東京大学教授・政治思想史) |
2020-04-11 | 日本経済新聞 朝刊 |
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紹介
約600年存続したイスラム帝国オスマンは、第一次世界大戦での敗北を受け1922年に消滅した。列強の干渉を退ける独立戦争を経た翌年、近代的国民国家として発足したトルコ共和国はイスラムと決別してゆく。この一大革命を主導したケマル・アタテュルクは建国の父として崇められ、「ケマリズム」「アタテュルク主義」というイデオロギーが形成されるまでになった。それは次第に影響力を減じながらも、今もトルコの公式イデオロギーであり続けている。
建国に際してアタテュルクは、科学主義、理性崇拝、世俗主義といった近代西洋の理念を礎として、言語から服装まで徹底的な改革を断行した。本書はそのアタテュルクが、西洋のどのような書物を読み、どのような学説を支持し、どのような影響を受けて自らの建国思想を形成したのかを追究するものであり、これまでにない角度からアタテュルク像を描く。さらに、ヨーロッパ発祥の近代文明史にトルコ革命を位置づけることで、近代西洋に裏から光をあてるという、注目すべき試みにもなっている。徳川幕藩体制から明治の近代国家へと、性急な近代化を成し遂げた日本との、興味深い共通性も浮かび上がってくるだろう。
オスマン帝国近代史研究の第一人者による、現代トルコの起源を知るための必読書。エルドアン現大統領の政策とアタテュルクとの関係を論じた訳者解説を付す。
目次
序章
第一章 世紀末のテッサロニキ
第二章 「武装せる国民」――あるオスマン将校の誕生
第三章 青年トルコ人の科学主義
第四章 諸戦争から世界大戦へ――英雄の登場
第五章 イスラム共産主義?――トルコ独立戦争
第六章 世俗的共和国
第七章 ナショナリズムとケマリズム
第八章 トルコと西洋
結論
附論――ポスト・ケマリスト時代のケマリズム、あるいはアタテュルクを歴史化すること
日本の読者へ
訳者解説――アタテュルクとエルドアン
監訳者あとがき
原註
文献一覧
索引
上記内容は本書刊行時のものです。