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反穀物の人類史 ジェームズ・C・スコット(著/文) - みすず書房
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反穀物の人類史 (ハンコクモツノジンルイシ) 国家誕生のディープヒストリー (コッカタンジョウノディープヒストリー)

社会科学
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発行:みすず書房
四六判
重さ 360g
296ページ
定価 3,800円+税
ISBN
978-4-622-08865-3   COPY
ISBN 13
9784622088653   COPY
ISBN 10h
4-622-08865-7   COPY
ISBN 10
4622088657   COPY
出版者記号
622   COPY
Cコード
C0022  
0:一般 0:単行本 22:外国歴史
出版社在庫情報
不明
初版年月日
2019年12月19日
書店発売日
登録日
2019年10月30日
最終更新日
2019年12月16日
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書評掲載情報

2020-12-12 毎日新聞  朝刊
評者: 鹿島茂(仏文学者)
2020-03-01 毎日新聞  朝刊
評者: 中村桂子(JT生命誌研究館館長)
2020-02-15 日本経済新聞  朝刊
評者: 松村圭一郎(文化人類学者)
2020-02-01 朝日新聞  朝刊
評者: 柄谷行人(哲学者)
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紹介

世界観を真に変革する、稀な書だ。
――A. サリヴァン(『ニューヨーク・マガジン』)

われわれの農業に偏った歴史観は、見直しを迫られるだろう。
――S. シャブロフスキー(『サイエンス』)

人類が文明と政治的秩序のために支払った大きな代償を、ずばり明らかにしている。
――W. シャイデル(『暴力と不平等の人類史』)


「ある感覚が要求してくる――わたしたちが定住し、穀物を栽培し、家畜を育てながら、現在国家とよんでいる新奇な制度によって支配される「臣民」となった経緯を知るために、深層史(ディープ・ヒストリー)を探れ、と…」
ティグリス=ユーフラテス川の流域に国家が生まれたのが、作物栽培と定住が始まってから4000年以上もあとだったのはなぜだろうか? 著者は「ホモ・サピエンスは待ちかねたように腰を落ち着けて永住し、数十万年におよぶ移動と周期的転居の生活を喜んで終わらせた」のではないと論じる。
キーワードは動植物、人間の〈飼い馴らし〉だ。それは「動植物の遺伝子構造と形態を変えてしまった。非常に人工的な環境が生まれ、そこにダーウィン的な選択圧が働いて、新しい適応が進んだ…人類もまた狭い空間への閉じこめによって、過密状態によって、身体活動や社会組織のパターンの変化によって、飼い馴らされてきた」
最初期の国家で非エリート層にのしかかった負担とは? 国家形成における穀物の役割とは? 農業国家による強制の手法と、その脆弱さとは? 考古学、人類学などの最新成果をもとに、壮大な仮説を提示する。

目次

はじめに

序章 ほころびだらけの物語――わたしの知らなかったこと
国家と文明の物語のパラドックス/国家の正しい位置づけ/手短な行程表

1 火と植物と動物と……そしてわたしたちの飼い馴らし
火/集中と定住――湿地仮説/湿地と定住/なぜ無視されてきたのか/ギャップに注目する/そもそもなぜ植えるのか

2 世界の景観修正――ドムス複合体
新石器時代の植え付けから百花繚乱へ――耕作の影響/進化のモジュールとしてのドムス/狩猟民の獲物から農民の囲い物へ/人間の類似点に関する推論/わたしたちの家畜化

3 動物原性感染症――病理学のパーフェクトストーム
苦役とその歴史/後期新石器時代複数種再定住キャンプ――病理学のパーフェクトストーム/多産と人口に関する注釈

4 初期国家の農業生態系
国家作りの農業地理/穀物が国家を作る/壁が国家を作る――防御と閉じこめ/文字が国家を作る――記録と識字力

5 人口の管理――束縛と戦争
国家と奴隷制/メソポタミアの奴隷制と束縛/エジプトと中国/「人的資源」戦略としての奴隷制/略奪的資本主義と国家建設/メソポタミアの奴隷制および束縛の特殊性/飼い馴らしと重労働と奴隷制に関する推測的覚書

6 初期国家の脆弱さ――分解としての崩壊
初期国家の罹患率――急性疾患と慢性疾患/病気――過度の定住、移動、国家/環境破壊――森林破壊と塩類化/政体の消滅――戦争とコアの搾取/崩壊万歳

7 野蛮人の黄金時代
文明とその野蛮な周辺部/野蛮人の地理、野蛮人の生態系/略奪/交易ルートと課税可能な穀物コア/闇の双生児/黄金時代だったのか?

索引/原注/参考文献

著者プロフィール

ジェームズ・C・スコット  (ジェームズスコット)  (著/文

1936年生まれ。イェール大学政治学部・人類学部教授。全米芸術科学アカデミーのフェローであり、自宅で農業・養蜂も営む。東南アジアをフィールドに、地主や国家の権力に対する農民の日常的抵抗論を学問的に展開した。ウィリアムズ大学を卒業後、1967年にイエール大学より政治学の博士号を取得。ウィスコンシン大学マディソン校政治学部助教授を経て、1976年より現職。2010年には、第21回福岡アジア文化賞を受賞。著書 『反穀物の人類史――国家誕生のディープヒストリー』(立木勝訳、みすず書房、2019)『実践 日々のアナキズム――世界に抗う土着の秩序の作り方』(清水展他訳、岩波書店、2017)『ゾミア――脱国家の世界史』(佐藤仁監訳、みすず書房、2013)ほか。

立木勝  (タチキマサル)  (翻訳

翻訳者。訳書 スコット『反穀物の人類史』(2019)シーヴ/スタサヴェージ『金持ち課税』(2018)ミラノヴィッチ『大不平等』(2017、以上みすず書房)アルメンダリズほか『マイクロファイナンス事典』(明石書店、2016)ルーニー『物理学は歴史をどう変えてきたか』(東京書籍、2015)シュミル『エネルギーの不都合な真実』(エクスナレッジ、2012)ほか。

上記内容は本書刊行時のものです。