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出版者情報
なぜならそれは言葉にできるから
証言することと正義について
- 初版年月日
- 2019年10月16日
- 書店発売日
- 2019年10月17日
- 登録日
- 2019年8月26日
- 最終更新日
- 2019年10月10日
書評掲載情報
2020-12-12 | 東京新聞/中日新聞 朝刊 |
2020-12-05 |
朝日新聞
朝刊 評者: 温又柔(小説家) |
2020-03-01 | 東京新聞/中日新聞 朝刊 |
2019-12-22 |
東京新聞/中日新聞
朝刊 評者: 美村里江(女優、エッセイスト) |
2019-12-21 |
朝日新聞
朝刊 評者: 武田砂鉄(ライター) |
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紹介
暴力をうけた人は、それを話すことができるだろうか。周囲の人はそれを聞くことができるだろうか。
暴力は、日常の「こうであるはずだ」という約束を壊す。世界で生きていく前提が崩れてしまうのだ。だから、何が起こったのかを認識するのにとても時間がかかる。その話を聞いた人も、言われたことを即座に理解することはできない。
けれども、暴力は世界中で蔓延し、ある日突然被害者になる人は増え続けている。世界への信頼を打ち砕かれた人が、ふたたび世界へと戻って来られるために、私たちは何ができるだろうか。
著者エムケは戦地を取材し、さまざまな人と出会う。そこから、「語ること」「聞くこと」「聞いたことを伝えること」について考えていく。
語ることを強いるのではなく、言葉にできないとするのでもなく、「それでもなお語る」ことを探ること。口ごもりながら、断片的に語るとき、そこには空白があり、謎があるかもしれない。だからこそ「それ」は言葉にできる。
語りの首尾一貫性ではなく、聞く人が「それ」を聞けるかが、世界への信頼を取り戻す鍵となる。
出会った人々の言葉とともに、旅するエムケの生活や思い出が、普遍的な考察へとつながっていく。温かく、深みのあるエッセイ。
目次
「なぜならそれは言葉にできるから」――証言することと正義について
序章/1 さまざまな証人、または――我々に語るのは誰か?/2 精神的打撃、または――「理解しようと試みない」/3 「物体」への変身/4 二重化、または――リズム、儀式、物、脱出/5 去る、または――沈黙の時/6 信頼、または――それでも語る
他者の苦しみ
拷問の解剖学的構造
リベラルな人種差別
現代のイスラム敵視における二重の憎しみ
故郷――空想上の祖国
民主主義という挑戦
旅をすること 1
旅をすること 2――ハイチを語る
旅をすること 3――旅のもうひとつの形について
初出
訳者あとがき
上記内容は本書刊行時のものです。