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なぜならそれは言葉にできるから カロリン・エムケ(著/文) - みすず書房
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なぜならそれは言葉にできるから (ナゼナラソレハコトバニデキルカラ) 証言することと正義について (ショウゲンスルコトトセイギニツイテ)

哲学・宗教
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発行:みすず書房
四六判
重さ 370g
248ページ
定価 3,600円+税
ISBN
978-4-622-08853-0   COPY
ISBN 13
9784622088530   COPY
ISBN 10h
4-622-08853-3   COPY
ISBN 10
4622088533   COPY
出版者記号
622   COPY
Cコード
C0036  
0:一般 0:単行本 36:社会
出版社在庫情報
不明
初版年月日
2019年10月16日
書店発売日
登録日
2019年8月26日
最終更新日
2019年10月10日
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書評掲載情報

2020-12-12 東京新聞/中日新聞  朝刊
2020-12-05 朝日新聞  朝刊
評者: 温又柔(小説家)
2020-03-01 東京新聞/中日新聞  朝刊
2019-12-22 東京新聞/中日新聞  朝刊
評者: 美村里江(女優、エッセイスト)
2019-12-21 朝日新聞  朝刊
評者: 武田砂鉄(ライター)
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紹介

暴力をうけた人は、それを話すことができるだろうか。周囲の人はそれを聞くことができるだろうか。
暴力は、日常の「こうであるはずだ」という約束を壊す。世界で生きていく前提が崩れてしまうのだ。だから、何が起こったのかを認識するのにとても時間がかかる。その話を聞いた人も、言われたことを即座に理解することはできない。
けれども、暴力は世界中で蔓延し、ある日突然被害者になる人は増え続けている。世界への信頼を打ち砕かれた人が、ふたたび世界へと戻って来られるために、私たちは何ができるだろうか。
著者エムケは戦地を取材し、さまざまな人と出会う。そこから、「語ること」「聞くこと」「聞いたことを伝えること」について考えていく。
語ることを強いるのではなく、言葉にできないとするのでもなく、「それでもなお語る」ことを探ること。口ごもりながら、断片的に語るとき、そこには空白があり、謎があるかもしれない。だからこそ「それ」は言葉にできる。
語りの首尾一貫性ではなく、聞く人が「それ」を聞けるかが、世界への信頼を取り戻す鍵となる。
出会った人々の言葉とともに、旅するエムケの生活や思い出が、普遍的な考察へとつながっていく。温かく、深みのあるエッセイ。

目次

「なぜならそれは言葉にできるから」――証言することと正義について
序章/1 さまざまな証人、または――我々に語るのは誰か?/2 精神的打撃、または――「理解しようと試みない」/3 「物体」への変身/4 二重化、または――リズム、儀式、物、脱出/5 去る、または――沈黙の時/6 信頼、または――それでも語る
他者の苦しみ
拷問の解剖学的構造
リベラルな人種差別
現代のイスラム敵視における二重の憎しみ
故郷――空想上の祖国
民主主義という挑戦
旅をすること 1
旅をすること 2――ハイチを語る
旅をすること 3――旅のもうひとつの形について

初出
訳者あとがき

著者プロフィール

カロリン・エムケ  (カロリンエムケ)  (著/文

ジャーナリスト。1967年生まれ。ロンドン、フランクフルト、ハーヴァードの各大学にて哲学、政治、歴史を専攻。哲学博士。『シュピーゲル』『ツァイト』の記者として、世界各地の紛争地を取材。2014年よりフリージャーナリストとして多方面で活躍。著書に『憎しみに抗って』『なぜならそれは言葉にできるから』(以上みすず書房)、『Stumme Gewalt(もの言わぬ暴力)』『Wie wir begehren(わたしたちの欲望のあり方)』『Ja heißt ja, und . . . (「はい」というのは「はい」と…)』ほか多数。『メディウム・マガジン』にて2010年年間最優秀ジャーナリストに選ばれたほか、レッシング賞(2015年)、ドイツ図書流通連盟平和賞(2016年)をはじめ受賞多数。

浅井晶子  (アサイショウコ)  (翻訳

翻訳家。1973年生まれ。京都大学大学院人間・環境学研究科博士課程単位認定退学。訳書に、イリヤ・トロヤノフ『世界収集家』、パスカル・メルシエ『リスボンへの夜行列車』(以上早川書房)、ステン・ナドルニー『緩慢の発見』(白水社)、カロリン・エムケ『憎しみに抗って』『なぜならそれは言葉にできるから』(以上みすず書房)、トーマス・マン『トニオ・クレーガー』(光文社古典新訳文庫)、エマヌエル・ベルクマン『トリック』、ローベルト・ゼーターラー『ある一生』(以上新潮社)、ユーディト・W・タシュラー『国語教師』(集英社)ほか多数。

上記内容は本書刊行時のものです。