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アリストテレス 生物学の創造 上 アルマン・マリー・ルロワ(著/文) - みすず書房
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アリストテレス 生物学の創造 上 (アリストテレスセイウブツガクノソウゾウ)

自然科学
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発行:みすず書房
四六判
重さ 450g
368ページ
定価 3,800円+税
ISBN
978-4-622-08834-9   COPY
ISBN 13
9784622088349   COPY
ISBN 10h
4-622-08834-7   COPY
ISBN 10
4622088347   COPY
出版者記号
622   COPY
Cコード
C1045  
1:教養 0:単行本 45:生物学
出版社在庫情報
不明
初版年月日
2019年9月17日
書店発売日
登録日
2019年8月5日
最終更新日
2019年9月6日
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書評掲載情報

2020-01-19 読売新聞  朝刊
評者: 三中信宏(進化生物学者)
2019-11-09 日本経済新聞  朝刊
評者: 佐倉統(東京大学教授)
2019-10-19 朝日新聞  朝刊
評者: 出口治明(立命館アジア太平洋大学学長)
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紹介

〈どのページも、アリストテレスの眼を通して見たこの世界の美しさを追体験させてくれる〉
──ネイチャー誌

アリストテレスは超一級の生物学者だった──しかも、史上一人目の。自身も進化と発生学の研究者である著者は、『動物誌』を中心にアリストテレスの生物学を調べあげ、2400年前の超人的先駆者の着眼と構想を掘り起こした。形態、発生、代謝、分類、老化、情報の継承まで──それは古くて新しい、ブリリアントな生物学だ。本書のどのページもアリストテレスのセンス・オブ・ワンダーと呼ぶべきものに満ちており、哲人を魅了した生物界の不思議さと精妙さに、読む者もまた魅入られてしまう。
知りうる限りの生物種について記述し、自ら動物の解剖を繰り返し、生物界の部分と全体をシステムとして分析したアリストテレス。彼が「仕事を終える頃には、素材、形、目的、変化などはもはや思弁哲学のおもちゃではなく、研究のプログラムとなっていた」。自然のありのままの体系に重ね合わせようと周到に編まれた理論には、生き物たちの多様さの中に張り巡らされたパターン性、生命の連続性と差異化についての深い洞察が織り込まれている。
本書はそんなアリストテレスの生物学的仕事の全貌を鮮やかに描き出すとともに、時代を超えて探求され続ける生物学の精髄を読み解く。

目次

《エラトー書店にて》
アリストテレスの生物学との遭遇。そして、本書のねらい。

《島》
アリストテレスはなぜ生物を研究しようと考えたのか。既存の自然哲学に不満を抱き、プラトンの観念論にも背を向けた彼は、レスボス島で理想的な研究フィールドに出会う。

《人智の及ぶところ》
動物の世界は広大だ。動物学をゼロから築き上げたアリストテレスは、生き物についての知識をいったいどこから得ていたのか。

《解剖》
アリストテレスの解剖学的記述には、後世の多くの解剖学者たちが魅了されてきた。同時に、驚くべき正確さの傍らに明らかな不正確さが共存するという問題や、彼の観察の膨大さに翻弄されてきた。

《自然》
古代ギリシア人にとっての「自然」(ピュシス)とは何か。アリストテレスは机上の哲学だったそれまでの体系を離れ、ピュシスを解明する遠大な「研究プログラム」に着手した。

《イルカのいびき》
プリニウス風の博物誌ともリンナエウス式の分類法とも本質的に違っていたアリストテレスの分類体系について。そして、そのねらい。

《道具》
アリストテレスは自然学を行なう方法論として、彼自身が「論証」と呼ぶ知的構造を用いる。彼の三段論法的推論の威力とその限界について。

《鳥の風》
動物の各部はなぜ必要かという問いの答えを、アリストテレスは比較生物学と目的論によって導き出そうとした。彼の見出した機能と構造の関係、および自然の経済性の原理について。

《コウイカの霊魂》
アリストテレスが生物と無生物を隔てるもの――霊魂――について語るとき、彼は生体内の機能、とりわけ生理機能とその自己制御について語っている。

《泡》
アリストテレスの発生生物学。一見して何ともつかない材料が、いかにしてすべての器官を備えた生き物に「なる」のか。

参考文献リスト
参考文献解題
用語集
I 専門用語/II 本書で言及された動物

著者プロフィール

アルマン・マリー・ルロワ  (アルマンマリールロワ)  (著/文

インペリアル・カレッジ・ロンドン、進化発生生物学教授。1964年、ニュージーランド、ウェリントン生まれ。国籍はオランダ。ニュージーランド、南アフリカ、カナダで幼少年期を過ごす。ダルハウジー大学(ハリファックス、カナダ)で学士号を取得後、カリフォルニア大学アーバイン校(アメリカ)で博士号を取得。マイケル・ローズ博士のもとでショウジョウバエを対象に老化の進化生物学研究に携わる。ついでアルバート・アインシュタイン医科大学のスコット・エモンズ博士のもとでポストドクトラル・フェローを勤め、線虫の成長の研究を始める。1996年からインペリアル・カレッジ・ロンドンで講師、2001年から進化発生生物学部門リーダーを務める。

森夏樹  (モリナツキ)  (翻訳

1944年大阪生まれ。翻訳家。訳書に、フォックス『アレクサンドロス大王』(上下、2001)、ウィルソン『聖なる文字ヒエログリフ』(2004)、ケイヒル『ギリシア人が来た道』(2005)、ターク『縄文人は太平洋を渡ったか』(2006)、クラッセン『ユダの謎解き』(2007)、ダッドリー『数秘術大全』(2010)、ミズン『渇きの考古学』(2014)、ブランディング『古地図に憑かれた男』(2015)、アダムス『アトランティスへの旅』(2015)(以上、青土社)、ジャット『記憶の山荘■私の戦後史』(2011)、ルロワ『アリストテレス 生物学の創造』(全2巻、2019、以上みすず書房)、ほか。

上記内容は本書刊行時のものです。