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きのこのなぐさめ ロン・リット・ウーン(著/文) - みすず書房
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きのこのなぐさめ (キノコノナグサメ)

文芸
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発行:みすず書房
四六判
重さ 360g
328ページ
定価 3,400円+税
ISBN
978-4-622-08809-7   COPY
ISBN 13
9784622088097   COPY
ISBN 10h
4-622-08809-6   COPY
ISBN 10
4622088096   COPY
出版者記号
622   COPY
Cコード
C0098  
0:一般 0:単行本 98:外国文学、その他
出版社在庫情報
不明
初版年月日
2019年8月19日
書店発売日
登録日
2019年6月18日
最終更新日
2019年8月8日
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書評掲載情報

2019-12-22 読売新聞  朝刊
評者: 三中信宏(進化生物学者)
2019-12-08 毎日新聞  朝刊
評者: 江國香織(作家)
2019-10-13 毎日新聞  朝刊
2019-09-28 日本経済新聞  朝刊
評者: 飯沢耕太郎(きのこ文学研究家)
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紹介

悲しみの淵にいた私を、そこから連れ出してくれたのは、きのこだった――。

マレーシア人の著者は、文化人類学を学ぶ交換留学生としてやって来たノルウェーでエイオルフと出会い、恋に落ちた。夫婦となった二人は深く愛し合い、日々のささやかなことも人生の一大事についても、何でも話し合う仲だった。
ある朝、いつものように自転車で職場に向かったエイオルフが突然倒れ、そのまま帰らぬ人となる。最愛のパートナーを失った著者は、喪失の痛みのさなか、ふと参加したきのこ講座で、足下に広がるもうひとつの世界、きのこ王国に出会う。きのこたちの生態は、不可思議な魅力に満ち満ちていた。
苔むす森でのきのこ狩りの効用と発見の喜び。きのこ愛好家間の奇妙な友情と不文律。専門家・鑑定士への「通過儀礼」。絶品きのこトガリアミガサタケ。悪名高いシャグマアミガサタケ。色・形・匂いの個性とその奥深さ。とっておきの、きのこレシピ。
悲しみの心象風景をさまよう内面世界への旅と、驚きと神秘に満ちたきのこワンダーランドをめぐる旅をつづけ、魂の回復のときを迎える、再生の物語。約120種類のきのこが登場。

目次

序文

きのこがひとつ、喜びひとつ。きのこがふたつ、喜びふたつ。
  きのこの世界へようこそ/アドレナリン放出

二番目によき死

秘密の場所
  ニューヨーク、セントラルパークでのきのこ狩り/どこできのこを見つけた?/夢

特別専門家集団
  きのこの友情/きのこ専門家の試験──きのこ愛好家の通過儀礼/無慈悲な悲しみのプロセス/小文字の’e’ではじまるenke(未亡人)

きのこへの疑念
  どのきのこなら食べられる?/狭間の国(limbo)/芝に怒る/エープリル・フール

フィフティ・シェイズ・オブ・ポイズン
  白黒つけられない/フロー/人生の轍

トガリアミガサタケ──きのこ王国のダイヤモンド
  ニューヨークでトガリアミガサタケ狩り/ファッショナブルなアミガサタケ/シャグマアミガサタケ──きのこ王国のはみだし者

五感への働きかけ
  全ての感覚をリンクさせる/あんずの香りと他に教わった? アロマ/ねずみ捕りの技術

アロマ・セミナー
  内輪だけにしか通じない専門用語/官能評価パネル/古くからの習慣と新しい習慣/感覚を総動員する

名もなき者たち
  触れてはいけないきのこ/ホイランド教授が様々な角度からリバティキャップを説明する/公平な情報か、それとも群集心理の扇動か?/マッシュルーム・トリップ

前菜からデザートまで
  喪失の数式/スープ/きのこジャーキー/ゴマ油と?油でローストしたきのこ/パテ/きのこのマリネ/きのこのロースト/きのこソース/キャンディーキャップ/砂糖で煮詰めたアンズタケのぶつ切りとアンズタケとアプリコットのアイス/’Dogsup’/お風呂場の体重計/離婚vs死

素晴らしきラテン語
  猿でも分かるきのこの学名/色と形/匂い、アロマ、そして大きさ/ずっと与え続けられる贈り物

天からのキス
  天からのキス

きのこの作法
訳者あとがき
参考文献
きのこ名索引

著者プロフィール

ロン・リット・ウーン  (ロンリットウーン)  (著/文

1958‐。社会人類学者、作家。マレーシア生まれの中華系マレーシア人(漢字表記は龍麗雲)。ノルウェーの公認きのこ鑑定士。18歳の時、交換留学生としてノルウェーに留学。そこで出会ったエイオルフ・オルセンと結婚し、ノルウェーに住み続ける。地方自治体の部長職や、男女平等センターの理事などを経て、夫と共にワークショップの企画運営を行うコンサルタント会社を興す。https://www.instagram.com/littwoonlong/

枇谷玲子  (ヒダニレイコ)  (翻訳

翻訳家。翻訳家。1980年富山県生まれ。デンマーク教育大学児童文学センターに留学。大阪外国語大学(現大阪大学) 卒業。北欧家具輸入販売会社勤務、翻訳会社でオンサイトのチェッカーの経験を経て、現在は北欧書籍の紹介を行う。訳書に、クロー『ウッラの小さな抵抗』(文研出版)、ヨンセン『キュッパのはくぶつかん』(福音館書店)、セッテホルム『カンヴァスの向こう側』(評論社)、リール『樹脂』(早川書房)、M・ブレーン著/J・ヨルダル画『ウーマン・イン・バトル――自由・平等・シスターフッド!』(合同出版)など。

中村冬美  (ナカムラフユミ)  (翻訳

東海大学北欧文学科を卒業の後、スウェーデンのヴェクシェー大学(現在のリンネ大学)北欧言語学科に留学。翻訳を生業として20年になる。TV番組のリサーチャーや産業翻訳者の経験を生かし、丁寧な翻訳をモットーとしている。訳書に、本書の他、トシュテンセン『あるノルウェーの大工の日記』バルブロ・リンドグレーン『ばらの名前を持つ子犬』アストリッド・リンドグレーン『こうしはそりにのって』など。翻訳デビュー作のスコーテ『わたしを置いていかないで』は読書感想文全国コンクールの課題図書に選出された。

上記内容は本書刊行時のものです。