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大人から見た子ども モーリス・メルロ=ポンティ(著/文) - みすず書房
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大人から見た子ども (オトナカラミタコドモ)

哲学・宗教
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発行:みすず書房
四六判
重さ 395g
304ページ
定価 3,800円+税
ISBN
978-4-622-08783-0   COPY
ISBN 13
9784622087830   COPY
ISBN 10h
4-622-08783-9   COPY
ISBN 10
4622087839   COPY
出版者記号
622   COPY
Cコード
C1010  
1:教養 0:単行本 10:哲学
出版社在庫情報
不明
初版年月日
2019年3月8日
書店発売日
登録日
2018年12月22日
最終更新日
2019年3月4日
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紹介

〈乳児は満足を示すためにだけではなく、周囲の人たちの微笑みに応えるためにも笑い、微笑みます。このことはすでにある種の対人関係を前提にしています。言語活動に先行して対人関係がとり結ばれ、その文脈のなかで言語活動が現れてくるのです。…幼児を言語活動の方へ向かわせるのは、まわりの人たちとの関係です。それは、外から規定された目標へ向かう発達なのであり、生体の内部にあらかじめ仕組まれている目標へ向かう発達ではありません〉(「心理学的に見た幼児の言語の発達」)

〈自己の身体の意識と、他人知覚とのあいだには、対応関係があります。自分が身体をもっているということを意識することと、他人の身体が自分のとは別の心理作用によって生気づけられていると意識することとは、論理的に言って対称的な二つの操作であるばかりか、現実に一つの系をなしている操作なのです〉(「幼児の対人関係」)

1949年から1951年にかけてメルロ=ポンティがソルボンヌ大学の児童心理学と教育学の講座で行なった一連の講義の要録、およびそれに関連するテクスト4編を収録。

目次

心理学的に見た幼児の言語の発達
 〔第一節 概観〕
 〔第二節〕生後一年間の言語の獲得
 〔第三節 生後五年間における言語の獲得〕
 〔第四節 言語構造の獲得〕
 〔第五節 他者の存在〕
 〔第六節〕七歳までの言語の発達
 〔第七節〕七歳以上の子どもたちのおこなうコミュニケーション

大人から見た子ども
〔序論〕
  I 他の諸学科に対する教育学の位置
  II 教育学と歴史 80
  III 教育学と精神分析 82
  IV 教育学と史的唯物論 92
〔第一章 親子関係〕
  I 子どもの誕生以前
  II 誕生後
〔第二章〕子どもの発達の諸段階
  I 離乳コンプレックス
  II 闖入コンプレックス
  III エディプス・コンプレックス

幼児の対人関係
序論
 第一章 心理的硬さ
 第二章 感情性と言語
〔第一部〕幼児における他人知覚の問題
 第一章 理論的問題
 第二章 身体図式の整備と他人知覚の萌芽
  第一節 誕生から六ヵ月までにおける〈自己の身体〉
  第二節 誕生から六ヵ月までにおける〈他人〉
 第三章 六ヵ月以後――自己の身体の意識と鏡像
  第一節 自他の癒合系(六ヵ月以後)
  第二節 三歳の危機

表現と幼児のデッサン

訳注

著者プロフィール

モーリス・メルロ=ポンティ  (モーリスメルロポンティ)  (著/文

1908-1961。フランスに生まれる。1926年、エコール・ノルマル・シュペリュール入学、在学中サルトル、ボーヴォワール、レヴィ=ストロースらと知りあう。1930年、哲学教授資格試験に合格。その前年にフッサールのソルボンヌ講演を、1935-1939年には高等研究院におけるコジェーヴのヘーゲル講義を聴講。ルーヴァンのフッサール文庫に赴き、遺稿を閲覧したのは1939年。第2次大戦中は従軍・レジスタンス活動を経験した。1945年、学位論文として同年刊の『知覚の現象学』および『行動の構造』(1942)を提出。1946年、サルトルらともに『レ・タン・モデルヌ』創刊。1948年、リヨン大学教授、1949年、パリ大学文学部教授を経て1952年、コレージュ・ド・フランス教授に就任。1961年没。著書『ヒューマニズムとテロル』(1947)『意味と無意味』(1948)『弁証法の冒険』(1955)『シーニュ』(1960)ほか。没後『見えるものと見えないもの』(1964)『世界の散文』(1969)、コレージュ・ド・フランス講義録などが刊行されている。

滝浦静雄  (タキウラシズオ)  (翻訳

1927年、岩手県に生まれる。1951年、東北大学文学部卒業。東北大学名誉教授。2011年没。著書『想像の現象学』(紀伊國屋新書 1972)『時間』(岩波新書 1976)『言語と身体』(岩波書店 1978)『ウィトゲンシュタイン』(岩波書店 1983)『メタファーの現象学』(世界書院 1988)『道徳の経験』(南窓社 2004)『修羅とデクノボー』(東北大学出版会 2011)。共訳 メルロ=ポンティ『行動の構造』『弁証法の冒険』『眼と精神』『見えるものと見えないもの』(以上みすず書房)リクール『意志的なものと非意志的なもの』(紀伊國屋書店)ほか。

木田元  (キダゲン)  (翻訳

1928年、山形県に生まれる。1953年、東北大学文学部卒業。中央大学名誉教授。2014年歿。著書『現象学』(岩波新書 1970)『メルロ=ポンティの思想』(岩波書店 1984)『哲学と反哲学』(岩波書店 1990/岩波現代文庫 2004)『ハイデガーの思想』(岩波新書 1993)『哲学以外』(みすず書房 1997)『最終講義』(作品社 2000)『ハイデガー『存在と時間』の構築』(岩波現代文庫 2000)『偶然性と運命』(岩波新書 2001)『マッハとニーチェ』(新書館 2002)『闇屋になりそこねた哲学者』(晶文社 2003/ちくま文庫 2010)。共訳 メルロ=ポンティ『行動の構造』『眼と精神』『知覚の現象学』『見えるものと見えないもの』(以上みすず書房)フッサール『ヨーロッパ諸学の危機と超越論的現象学』(中央公論社)アドルノ『否定弁証法』(作品社)ほか。

鯨岡峻  (クジラオカタカシ)  (翻訳

1943年生まれ。1968年京都大学文学部卒業。京都大学博士(文学)。京都大学名誉教授。著書『心理の現象学』(世界書院、1986)『原初的コミュニケーションの諸相』(1997)『両義性の発達心理学』(1998)『関係発達論の構築』(1999)『ひとがひとをわかるということ』(2006)『関係の中で人は生きる』(2016)(以上、ミネルヴァ書房)『〈育てられる者〉から〈育てる者〉へ』(NHKブックス、2002)『エピソード記述入門』(2005)『エピソード記述を読む』(2012)『なぜエピソード記述なのか』(2013)(以上、東京大学出版会)ほか。

上記内容は本書刊行時のものです。