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共食いの島 ニコラ・ヴェルト(著/文) - みすず書房
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共食いの島 (トモグイノシマ) スターリンの知られざるグラーグ (スターリンノシラレザルグラーグ)

歴史・地理
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発行:みすず書房
四六判
重さ 360g
224ページ
定価 3,500円+税
ISBN
978-4-622-08755-7   COPY
ISBN 13
9784622087557   COPY
ISBN 10h
4-622-08755-3   COPY
ISBN 10
4622087553   COPY
出版者記号
622   COPY
Cコード
C0022  
0:一般 0:単行本 22:外国歴史
出版社在庫情報
不明
初版年月日
2019年2月8日
書店発売日
登録日
2018年12月19日
最終更新日
2019年2月1日
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紹介

「強制収容所」のほかに、第二のグラーグといわれた「強制移住・遺棄」の地が、シベリアには多数あった。その実態がはじめて明らかになる。
発端となったのは、1933年早春、シベリアのオビ川に浮かぶナジノ島へ、モスクワとレニングラードから6000人が着のみ着のまま移送・遺棄され、そこで起きた事件だった。
スターリンが「上からの革命」(富農階級の撲滅、農業集団化、第一次重工業化)に着手したのは1929年。その結果、穀倉地帯ウクライナは大飢饉におそわれ、農民は大挙して都市へ流入した。都市では犯罪が激増する。秘密警察は1930年前半、「大都市の浄化」と称して、流入した元富農や「社会的有害分子」の一掃を決め、西シベリアへは1933年に13万2000人が強制移住させられた。
ナジノ島の6000人という規模は、シベリアに送られた犠牲者総数の、ほんの芥子種一粒にすぎない。しかし著者は、発掘した「事件」関係の資料から、強制移住政策の全容を知ることになった――「壮大な計画」の立案、拙速な長距離移送が原因の大混乱、送られた人たちの運命まで。
フランスの代表的なソ連史研究者ヴェルトは事実を淡々と語り、画期的な研究を実らせた。さらにこの「ミクロヒストリー」をとおして、スターリンの恐怖政治、収容所群島、秘密警察、ソビエト官僚制の実像までが見えてくるだろう。

目次

まえがき
第1章 「壮大な計画」
第2章 強制移住地、西シベリア
第3章 交渉と準備
第4章 トムスク中継収容所で
第5章 ナジノ島
むすび
エピローグ 1933-1937

謝辞
訳者あとがき

索引

著者プロフィール

ニコラ・ヴェルト  (ニコラヴェルト)  (著/文

1950年生まれ。フランスのソ連史専門家。フランス国立学術研究所(CNRS)研究員、同研究所付属現代史研究所上席研究員を歴任し、2015年に退職。以降は執筆活動を続ける。著書 『ロシア農民生活史』(ニコラス・ワース、荒田洋訳、平凡社、1985)、『共産主義黒書〈ソ連篇〉』(共著、外川継男訳、恵雅堂出版、2001、ちくま学芸文庫、2016)、『ロシア革命』(石井規衛監修、創元社、2004)、『共食いの島』(根岸隆夫訳、みすず書房、2019)他多数。父親は『戦うソヴェト・ロシア』(全2巻、中島博・壁勝弘訳、みすず書房、1967、 69)の著者、アレグザンダー・ワース。

根岸隆夫  (ネギシタカオ)  (翻訳

翻訳家。フランス政府給付留学生としてパリの国立政治学院で欧州政治史を学ぶ。長くドイツとフランスに住み、戦間期の欧州政治史、とくに全体主義に関心をもつ。パリ1968年5月、プラハの春、ベルリンの壁の崩壊、ソ連の自壊に遭遇。訳書 トロツキー『テロリズムと共産主義』(現代思潮社、1970)、クリヴィツキー『スターリン時代』(第2版、1987)、ポレツキー『絶滅された世代』(1989)、リード/フィッシャー『ヒトラーとスターリン』(上下、2001)、ジェラテリー『ヒトラーを支持したドイツ国民』(2008)、ザスラフスキー『カチンの森』(2010)、ビーヴァー『スペイン内戦』(上下、2011)、ネイマーク『スターリンのジェノサイド』(2012)、ヴェルト『共食いの島』(2019)、いずれもみすず書房。

上記内容は本書刊行時のものです。