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中国はここにある 梁鴻(著/文) - みすず書房
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中国はここにある (チュウゴクハココニアル) 貧しき人々のむれ( マズシキヒトビトノムレ)巻次:マズシキヒトビトノムレ

文芸
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発行:みすず書房
四六判
重さ 400g
312ページ
定価 3,600円+税
ISBN
978-4-622-08721-2   COPY
ISBN 13
9784622087212   COPY
ISBN 10h
4-622-08721-9   COPY
ISBN 10
4622087219   COPY
出版者記号
622   COPY
Cコード
C0098  
0:一般 0:単行本 98:外国文学、その他
出版社在庫情報
不明
初版年月日
2018年9月25日
書店発売日
登録日
2018年8月9日
最終更新日
2018年9月20日
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書評掲載情報

2018-12-01 朝日新聞  朝刊
評者: 保阪正康(ノンフィクション作家)
2018-11-10 日本経済新聞  朝刊
評者: 阿古智子(東京大学准教授)
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紹介

近代化の矛盾に苦しむ農村に、現代中国の姿を浮かび上がらせ、大きな感情のうねりを呼んだノンフィクション。人民文学賞ほか受賞多数。

都市の繁栄の陰で荒廃する農村。農業だけでは暮らせない人々が出稼ぎにゆき、ほとんど帰らない。老人は残された孫の世話で疲弊し学校教育も衰退した。子供は勉強に将来の展望をみない。わずかな現金収入を求めて出稼ぎに出る日を心待ちにする。
著者は故郷の農村に帰り、胸がしめ付けられるような衰退ぶりを綴った。孤絶した留守児童が老婆を殺害強姦。夢はこの世で最も悪いものと自嘲する幼馴染。夫の長期出稼ぎ中に精神を病む妻。「農村が民族の厄介者となり…病理の代名詞となったのはいつからだろう」。希望はないのか。著者は農村社会の伝統にその芽をみる。
底辺の声なき人々の声を書きとめようとする知識人のジレンマに、著者も直面する。しかし敢えて自分に最も近い対象を選び、書くことの困難にうろたえる自身の姿を読者に隠さない。こうして紡がれた語りに、農民も都会人も没頭した。第11回華語文学伝媒大賞「年度散文家」賞、2010年度人民文学賞、2010年度新京報文学類好書、第7回文津図書賞、2013年度中国好書受賞。

目次

まえがき
第一章 私の故郷は梁庄
第二章 活気あふれる「廃墟」の村
第三章 子供を救え
第四章 故郷を離れる若者たち
第五章 大人になった閏土
第六章 孤立する農村政治
第七章 「新道徳」の憂い
第八章 故郷はいずこに
あとがき

訳者あとがき

著者プロフィール

梁鴻  (リアンホン)  (著/文

中国人民大学文学院教授。1973年生まれ。北京師範大学文学博士。米国デューク大学客員教授、中国青年政治学院中文学院教授を経て現職。著書『中国在梁庄』(邦訳『中国はここにある』、みすず書房)の舞台である農村に生まれ、20歳までそこに暮らす。村からの出稼ぎ労働者を描いたその続篇『出梁庄記』のほか、『巫婆的紅筷子』『外省筆記――20世紀河南文学』『霊光的消逝――当代文学敘事美学的嬗変』『神聖家族』『梁光正的光』など著書多数。『中国在梁庄』で第11回華語文学伝媒大賞「年度散文家」賞、2010年度人民文学賞、2010年度新京報文学類好書、第7回文津図書賞、2013年度中国好書など多数の賞を受賞。

鈴木将久  (スズキマサヒサ)  (翻訳

1967年生まれ。東京大学大学院博士課程修了。博士(文学)。明治大学政治経済学部、一橋大学言語社会研究科を経て、現在、東京大学大学院人文社会系研究科・文学部教授。専門は中国近現代文学。著書に『上海モダニズム』(中国文庫)、編訳著に賀照田『中国が世界に深く入りはじめたとき――思想からみた現代中国』(青土社)、羅永生『誰も知らない香港現代思想史』(共和国)など。共訳著に柴静『中国メディアの現場は何を伝えようとしているか――女性キャスターの苦悩と挑戦』(平凡社)、梁鴻『中国はここにある――貧しき人々のむれ』(みすず書房、ともに河村昌子・杉村安幾子と共訳)がある。

河村昌子  (カワムラショウコ)  (翻訳

1969年生まれ。お茶の水女子大学大学院人間文化研究科博士課程修了。博士(人文科学)。千葉商科大学商経学部を経て、現在、明海大学外国語学部中国語学科教授。専攻は中国近現代文学。著書に『巴金――その文学を貫くもの』(中国文庫)、共編著書に『国際未来社会を中国から考える』(東方書店)、共訳書に『中国現代散文傑作選 1920-1940 戦争・革命の時代と民衆の姿』(中国一九三〇年代文学研究会編、勉誠出版)、梁鴻『中国はここにある――貧しき人々のむれ』(みすず書房)など。

杉村安幾子  (スギムラアキコ)  (翻訳

1972年生まれ。お茶の水女子大学大学院人間文化研究科博士後期課程単位取得満期退学(修士)。現在、金沢大学国際基幹教育院教授。専攻は中国近現代文学。共著書に『アカンサス初級中国語』(金沢電子出版)、『鳳よ鳳よ――中国文学における〈狂〉』(汲古書院)、共訳書に梁鴻『中国はここにある――貧しき人々のむれ』(みすず書房)など。

上記内容は本書刊行時のものです。