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出版者情報
人体の冒険者たち
解剖図に描ききれないからだの話
- 書店発売日
- 2018年7月18日
- 登録日
- 2018年6月5日
- 最終更新日
- 2018年6月28日
書評掲載情報
2020-05-30 |
日本経済新聞
朝刊 評者: 布施英利(解剖学者) |
2018-09-29 |
日本経済新聞
朝刊 評者: 布施英利(解剖学者) |
2018-09-01 |
朝日新聞
朝刊 評者: 野矢茂樹(立正大学教授) |
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紹介
〈クリニックを開業するのは、患者さんたちのからだといっしょに人生の風景を眺める、冒険旅行になぞらえられるかもしれない。よく知っている地形に見えても、往々にして分け入った小道が開けて、日々、新たなパノラマをのぞくことになるのだ〉
ルネサンス期、魂がどこよりも近くにあると考えられていたのが、唇だった。形を変えただけで息が温かくなったり冷たくなったりするのが、生命力の証拠だと思われていたのだ。また17世紀の天文学者たちは、星の見え方をもっとよく知るために、目の構造に注目した。私たちのからだは、いつでも世界を知るための冒険の入り口だったのだ。
スコットランドの家庭医ギャヴィン・フランシスは、ときに救急医や従軍医として、さまざまな患者に出会ってきた。顔半分だけが麻痺した女性、手のひらを釘で打ち抜いた大工さん、直腸にケチャップの瓶が入った男性……。本書はそんな患者たちとフランシス、そして人体の解明に挑んだ偉人たちの冒険の物語だ。
小説のようなケースヒストリーに古今東西の人体をめぐる逸話を交えた、読む人体図鑑とも呼べる医療エッセイ。さあ、人体をめぐる旅に出よう。
目次
守秘義務に関する覚え
プロローグ
脳
1 魂に神経外科手術を
2 けいれんと聖性と精神医学
頭部
3 目 視覚のルネサンス
4 顔 美しき麻痺
5 内耳 魔法とめまい
胸部
6 肺 生命の息
7 心臓 カモメのざわめきと潮の満ち引き
8 乳房 回復の考え方ふたつ
上肢
9 肩 腕と武器
10 手首と手 穿たれ、切られ、架けられ
腹部
11 腎臓 究極の贈りもの
12 肝臓 おとぎ話の結末
13 大腸と直腸 見事な芸術作品
骨盤
14 生殖器 子づくりについて
15 子宮 生と死をまたぐところ
16 胞衣 食べる、燃やす、木の下に埋める
下肢
17 腰 ヤコブと天使
18 足とその指 地下空間の足跡
エピローグ
謝辞
訳者あとがき
出典および訳註
図版リスト
索引
上記内容は本書刊行時のものです。