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出版者情報
現代日本法へのカタバシス[新版]
- 初版年月日
- 2018年10月1日
- 書店発売日
- 2018年10月2日
- 登録日
- 2018年8月31日
- 最終更新日
- 2018年9月26日
書評掲載情報
2018-10-14 |
毎日新聞
朝刊 評者: 加藤陽子(東京大学教授・日本近代史) |
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紹介
異色の表題作が甦る。しかも、民事法にくっきり主題を絞る本として生まれ変わる。
ゆるがぬ基本は〈個人の自由〉。自由な個人と個人とが、互いに相手に全幅の信頼を置き、善意に基づき経済活動を行う社会。裏切らない、隠さない、寄りかからない、手を抜かないで、それぞれが自由に自己の利益を追求する。この澄みきった展望をもたらすのは、主著三部作で総2700頁余をかけ究明された〈占有〉概念である。著者の高度なローマ法研究はつねに今日を鋭く照射するが、敢えて「専門の外に出」て、本書で降り立つ(カタバシス)先は、現代日本の経済と社会の混乱の坩堝。なぜなら、「民事法こそは法のコア」(はしがき)。
新たに組合論(単行本未収)、委任論(書き下ろし)所収。補足的論考「債権法改正の結末」(書き下ろし)を加えるほか、旧「『ローマ法案内』補遺」は全面改稿「日本の民事法が抱える問題」となる。法学教育への深い思いと、将来の若い世代によせる明るい期待が、全篇の底を流れる。
目次
はしがき
1 現代日本法へのカタバシス
1 ナポリの怪しい小さな古本屋
2 「都市」の構造と公法の基礎;その1
3 「都市」の構造と公法の基礎;その2
4 自由;その1
5 自由;その2
6 占有;その1
7 占有;その2
8 消費貸借
9 錯誤
10 代理
11 請負・法人
12 出口
2 「客殺し」のインヴォルティーノ、ロマニスト風
3 占有概念の現代的意義
4 「債権法改正の基本方針」に対するロマニスト・リヴュー、速報版
5 債権法改正の結末
0 序
1 全般
2 契約法の層の復元
3 法律行為
4 契約責任
5 債権総論
6 契約各論
6 東京地判平成25年4月25日(LEX/DB 25512381)について、遙かPlautusの劇中より
0 序
1 事案、およびその問題点
2 背景に存する問題
3 Plautusの劇中より
4 societas原型
5 変化の兆候
6 領域降下
7 本件契約を修正する
8 かりそめの概観
7 現代日本取引社会における委任不全
0 序
1 問題の所在、または委任の制度的存在意義
2 物的担保への固執
3 信用の閉鎖
4 エイジェントたちの狂宴
5 プリンシパルの受難
6 「倒産隔離」の問題
7 委任型信用が成り立たない理由
8 日本の民事法が抱える問題
0
1 占有
2 bona fides
3 所有権
4 民事責任法
5 locatio conductio
6 法人
7 民事訴訟
8 執行法
索引
上記内容は本書刊行時のものです。