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現代日本法へのカタバシス[新版] 木庭顕(著/文) - みすず書房
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現代日本法へのカタバシス[新版] (ゲンダイニホンホウヘノカタバシス)

社会科学
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発行:みすず書房
A5判
重さ 520g
320ページ
定価 7,800円+税
ISBN
978-4-622-08707-6   COPY
ISBN 13
9784622087076   COPY
ISBN 10h
4-622-08707-3   COPY
ISBN 10
4622087073   COPY
出版者記号
622   COPY
Cコード
C1032  
1:教養 0:単行本 32:法律
出版社在庫情報
不明
初版年月日
2018年10月1日
書店発売日
登録日
2018年8月31日
最終更新日
2018年9月26日
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書評掲載情報

2018-10-14 毎日新聞  朝刊
評者: 加藤陽子(東京大学教授・日本近代史)
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紹介

異色の表題作が甦る。しかも、民事法にくっきり主題を絞る本として生まれ変わる。
ゆるがぬ基本は〈個人の自由〉。自由な個人と個人とが、互いに相手に全幅の信頼を置き、善意に基づき経済活動を行う社会。裏切らない、隠さない、寄りかからない、手を抜かないで、それぞれが自由に自己の利益を追求する。この澄みきった展望をもたらすのは、主著三部作で総2700頁余をかけ究明された〈占有〉概念である。著者の高度なローマ法研究はつねに今日を鋭く照射するが、敢えて「専門の外に出」て、本書で降り立つ(カタバシス)先は、現代日本の経済と社会の混乱の坩堝。なぜなら、「民事法こそは法のコア」(はしがき)。
新たに組合論(単行本未収)、委任論(書き下ろし)所収。補足的論考「債権法改正の結末」(書き下ろし)を加えるほか、旧「『ローマ法案内』補遺」は全面改稿「日本の民事法が抱える問題」となる。法学教育への深い思いと、将来の若い世代によせる明るい期待が、全篇の底を流れる。

目次

はしがき

1 現代日本法へのカタバシス
  1 ナポリの怪しい小さな古本屋
  2 「都市」の構造と公法の基礎;その1
  3 「都市」の構造と公法の基礎;その2
  4 自由;その1
  5 自由;その2
  6 占有;その1
  7 占有;その2
  8 消費貸借
  9 錯誤
  10 代理
  11 請負・法人
  12 出口

2 「客殺し」のインヴォルティーノ、ロマニスト風

3 占有概念の現代的意義

4 「債権法改正の基本方針」に対するロマニスト・リヴュー、速報版

5 債権法改正の結末
  0 序
  1 全般
  2 契約法の層の復元
  3 法律行為
  4 契約責任
  5 債権総論
  6 契約各論

6 東京地判平成25年4月25日(LEX/DB 25512381)について、遙かPlautusの劇中より
  0 序
  1 事案、およびその問題点
  2 背景に存する問題
  3 Plautusの劇中より
  4 societas原型
  5 変化の兆候
  6 領域降下
  7 本件契約を修正する
  8 かりそめの概観

7 現代日本取引社会における委任不全
  0 序
  1 問題の所在、または委任の制度的存在意義
  2 物的担保への固執
  3 信用の閉鎖
  4 エイジェントたちの狂宴
  5 プリンシパルの受難
  6 「倒産隔離」の問題
  7 委任型信用が成り立たない理由

8 日本の民事法が抱える問題
  0
  1 占有
  2 bona fides
  3 所有権
  4 民事責任法
  5 locatio conductio
  6 法人
  7 民事訴訟
  8 執行法

索引

著者プロフィール

木庭顕  (コバアキラ)  (著/文

1951年、東京に生まれる。1974年、東京大学法学部卒業。東京大学名誉教授。専門はローマ法。著書に、三部作『政治の成立』(1997)『デモクラシーの古典的基礎』(2003)『法存立の歴史的基盤』(2009、日本学士院賞受賞、以上東京大学出版会)、『ローマ法案内――現代の法律家のために』(羽鳥書店、2010、[新版]勁草書房、2017)、『現代日本法へのカタバシス』(羽鳥書店、2011、[新版]みすず書房、2018)、『[笑うケースメソッド]現代日本民法の基礎を問う』(2015)『[笑うケースメソッド II]現代日本公法の基礎を問う』(2017、以上勁草書房)、『法学再入門 秘密の扉 民事法篇』(有斐閣、2016)、『憲法9条へのカタバシス』(みすず書房、2018)、『誰のために法は生まれた』(朝日出版社、2018)ほか。

上記内容は本書刊行時のものです。