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一次愛と精神分析技法 新装版 マイケル・バリント(著/文) - みすず書房
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一次愛と精神分析技法 新装版 (イチジアイトセイシンブンセキギホウ)

哲学・宗教
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発行:みすず書房
A5判
416ページ
定価 7,400円+税
ISBN
978-4-622-08696-3   COPY
ISBN 13
9784622086963   COPY
ISBN 10h
4-622-08696-4   COPY
ISBN 10
4622086964   COPY
出版者記号
622   COPY
Cコード
C3047  
3:専門 0:単行本 47:医学・歯学・薬学
出版社在庫情報
不明
書店発売日
登録日
2018年3月17日
最終更新日
2018年4月4日
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紹介

精神分析学の歴史は、ウィーン、ブダペスト、ロンドン、ベルリンなど各都市のそれぞれが果たした役割抜きには語れない。ブダペストに生まれ育った本書の著者バリントは、その地に依拠しつつ、若き日に理論色の濃いベルリンの雰囲気に触れ、ナチスドイツを逃れてロンドンに亡命して、後半生を送った。恩師フェレンツィの考えと実践を継承・発展しながら、各都市の学派の「セクト主義」を排して活動してきた著者は、その対象関係論をはじめとして、フロイト以後の世代の最も重要な精神分析医になった。
本書はその生涯の活動を刻印した主著であり「自我の初期発達段階、一次対象愛」「エロスとアフロディテ」「愛と憎しみについて」など欲動と対象関係をあつかった第1部と、「性格分析と新規蒔き直し」「精神分析治療の最終目標」「転移と逆転移」など技法の問題を論じた第2部、それに第3部・訓練の問題の全20章から成る。親と子、男と女、さらに同性の間で交感される愛と性と「やさしさ」について透徹した分析を加えたこの書を、専門家以外の読者にも提供したい。

「本書が中井久夫氏らの訳で世に出るのは、著者にも読者にも、また著者と浅からぬ縁のあった私にも、大変な幸運である」(土居健郎)

目次

初版への序文
第二版への序文
(付)ドイツ語版への序文

第一部 欲動と対象関係
第1章 生物発生基本原則と性心理とには平行性がある
第2章 自我欲動のエロス成分についての二覚書
第3章 リビドーの前性器的編成の理論に対する批判的覚書
第4章 エロスとアフロディテ
第5章 自我の初期発達段階、一次対象愛
第6章 母への愛と母の愛(アリス・バリント著)
第7章 性器愛について
第8章 愛と憎しみについて
第9章 倒錯と性器性
第10章 親と幼児の関係論――シンポジウムでの発表

第二部 技法の問題
第11章 性格分析と新規蒔き直し
第12章 感情転移について
第13章 精神分析治療の最終目標
第14章 自我の強さ、自我の教育、「学習」
第15章 転移と逆転移(アリス・バリントとの共著)
第16章 治療目的と技法との変遷
第17章 分析の終結について
第18章 新規蒔き直しと妄想抑鬱症候群

第三部 訓練の問題
第19章 精神分析家の訓練システムについて
第20章 精神分析訓練と教育分析

バリント私記(中井久夫)
訳者あとがき
原題と初出
事項索引
人名索引

著者プロフィール

マイケル・バリント  (マイケルバリント)  (著/文

1896年ブダペストに生まれる。ブダペスト大学医学部を卒業後、妻アリスとともにベルリンに移り、ハンス・ザックスの下で教育分析を受ける。その後ブダペストに戻り、シャーンドル・フェレンツィについて教育分析を終えた。フェレンツィとの深い関係は1933年のその死まで続いた。同年、ブダペスト精神分析診療所長になって以降、バリントは独自の構想を展開しはじめる。1939年、ユダヤ弾圧を逃れてイギリスに亡命、国内を訪ね歩きながら、最終的にロンドンに定住した。フロイト以後の精神分析に多大な業績を残して、1970年、心臓発作のため74歳の生涯を終えた。主な著作として『スリルと退行』(1959、邦訳、岩崎学術出版社)『治療論からみた退行』(1968、邦訳、金剛出版)『一次愛と精神分析技法』(1999、邦訳、みすず書房)がある。

森茂起  (モリシゲユキ)  (翻訳

1955年神戸に生まれる。京都大学教育学部大学院博士課程修了。博士(教育学)。現在、甲南大学文学部人間科学科教授。著書 『トラウマ映画の心理学』(共著、新水社、2002)『トラウマの発見』(講談社、2005)『埋葬と亡霊』(編著、人文書院、2005)『〈戦争の子ども〉を考える』(共編著、平凡社、2012)『自伝的記憶と心理療法』(編著、平凡社、2013)ほか。訳書 バリント『スリルと退行』(共訳、岩崎学術出版社、1991)『一次愛と精神分析技法』(共訳、みすず書房、1999)フェレンツィ『臨床日記』(みすず書房、2000)『精神分析への最後の貢献』(共訳、岩崎学術出版社、2007)J・シミントン/N・シミントン『ビオン臨床入門』(金剛出版、2003)アブラハム/トローク『狼男の言語標本』(共訳、法政大学出版局、2006)シャウアー/エルバート/ノイナー『ナラティヴ・エクスポージャー・セラピー』(共訳、金剛出版、2010)ほか。

枡矢和子  (マスヤカズコ)  (翻訳

1941年神戸に生まれる。甲南大学文学部英文学科卒業。1965-1990年、西谷啓治博士に師事、また1981年から1997年までJames Kirwan博士に師事して英文学を学ぶ。主婦、元甲南大学非常勤講師。「自己の在りよう、自己と他者との関係」を問いつづけて今日に至る。

中井久夫  (ナカイヒサオ)  (翻訳

1934年奈良県生まれ。京都大学医学部卒業。神戸大学名誉教授。精神科医。文化功労者(2013年度)。

上記内容は本書刊行時のものです。