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模範像なしに テオドール・W・アドルノ(著/文) - みすず書房
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模範像なしに (モハンゾウナシニ) 美学小論集 (ビガクショウロンシュウ)

哲学・宗教
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発行:みすず書房
A5判
256ページ
定価 4,500円+税
ISBN
978-4-622-08667-3   COPY
ISBN 13
9784622086673   COPY
ISBN 10h
4-622-08667-0   COPY
ISBN 10
4622086670   COPY
出版者記号
622   COPY
Cコード
C1010  
1:教養 0:単行本 10:哲学
出版社在庫情報
不明
書店発売日
登録日
2017年11月14日
最終更新日
2017年12月13日
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紹介

「最近のすぐれた芸術作品の数々は、そのように芸術が廃棄されてしまうという悪夢であるものの、しかしながら、それらの作品は同時に、実在しているということをつうじて、廃棄されることに逆らってもいるのである。(…)
おのれの苦しみのために人類は、苦しみを鎮めたり和らげたりすることのない芸術を求める。芸術は人類にたいして、人類の没落という夢を見せるのだが、それは人類を覚醒させ、みずからを律する力をもって生き延びさせるためなのである。」

アドルノ生涯の課題でもあった、モダニズム芸術を批判的に擁護するための論考を中心に、映画論や自伝的エッセイも収録する。遺稿となった『美学理論』を、具体的な芸術実践のありさまから補完する1960年代の論集であり、「規範」「伝統」「文化産業」「芸術社会学」「マネージメント」「機能主義」「バロック」「芸術ジャンルの境界」といった特定の主題に焦点を当てながら、音楽や美術から建築や映画まで、多角的に論じる。
さらに、幼年時代の回想やスケッチ風の旅行記からは、他の著作には表れない哲学者のプライヴェートな側面も窺える。アドルノ晩年の思考のエッセンスであるとともに、アドルノ自身によるアドルノ入門の書ともいえよう。

目次

模範像なしに――まえがきにかえて
アモールバッハ
伝統について
ジュ・ド・ポーム美術館での走り書き
ジルス・マリーアより
好ましからざるもののすすめ
文化産業についてのレジュメ
ある世話人への追悼文
映画の透かし絵
チャップリン二論
芸術社会学のためのテーゼ
今日の機能主義
ルッカ日誌
悪用されたバロック
ウィーン、1967年のイースターのあとで
芸術と諸芸術

解題
訳者あとがき

著者プロフィール

テオドール・W・アドルノ  (テオドールアドルノ)  (著/文

1903-1969。ドイツのフランクフルト・アム・マインに生まれる。同市の大学およびウィーン大学に学び、フランクフルト大学で講義していたが、ナチス政権時代、イギリスを経てアメリカに亡命、1949年帰国。翌年から同大学教授。ホルクハイマーとともに研究所を再建した。哲学・社会学・美学の領域を統合しながら、フランクフルト学派の代表的思想家として知られるいっぽう、アルバン・ベルクについて作曲を学び、作曲を重ねたほか、現代音楽に関する理論および批判を展開した。

竹峰義和  (タケミネヨシカズ)  (翻訳

1974年兵庫県生まれ。東京大学大学院総合文化研究科博士課程修了。専門はドイツ思想史、映像文化論。現在 東京大学大学院総合文化研究科准教授。著著に、『アドルノ、複製技術へのまなざし――〈知覚〉のアクチュアリティ』(青弓社2007)『救済のメーディウム――ベンヤミン、アドルノ、クルーゲ』(東京大学出版会2016)。訳書に、『アドルノ 文学ノート2』(共訳、2009)メニングハウス『吐き気――ある強烈な感覚の理論と歴史』(共訳、法政大学出版局2010)シュティーグラー『写真の映像』(共訳、月曜社2015)ハンセン『映画と経験――クラカウアー、ベンヤミン、アドルノ』(共訳、法政大学出版局2017)アドルノ『模範像なしに――美学小論集』(みすず書房2017)ほか。

上記内容は本書刊行時のものです。