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京城のモダンガール ソ・ジヨン (著/文) - みすず書房
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京城のモダンガール (ケイジョウノモダンガール) 消費・労働・女性から見た植民地近代 (ショウヒロウドウジョセイカラミタショクミンチキンダイ)

歴史・地理
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発行:みすず書房
四六判
400ページ
定価 4,600円+税
ISBN
978-4-622-07980-4   COPY
ISBN 13
9784622079804   COPY
ISBN 10h
4-622-07980-1   COPY
ISBN 10
4622079801   COPY
出版者記号
622   COPY
Cコード
C1022  
1:教養 0:単行本 22:外国歴史
出版社在庫情報
不明
書店発売日
登録日
2016年3月24日
最終更新日
2016年4月28日
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書評掲載情報

2016-08-12 週刊読書人
評者: 鈴木裕子=早稲田大学ジェンダー研究所招聘研究員・近現代女性史専攻
2016-07-22 週刊読書人
評者: 細見和之=京都大学教授・ドイツ思想専攻
2016-06-26 日本経済新聞  朝刊
評者: 吉川凪(翻訳家)
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紹介

1920-30年代、植民地朝鮮に資本主義が押し寄せ、恐怖と快楽が背中合わせだった京城(現・ソウル)。百貨店・劇場・映画館・最新の公共施設が建ちならぶ近代都市の街路を、断髪に洋装の「モダンガール」が闊歩した。植民地支配と近代化のはざまで登場した朝鮮のモダンガールは、ショップガールやバスガールなどの新職業婦人・妓生(キーセン)・女給・女学生・女工などさまざまな階層からなっていた。商品とイメージを消費し、労働力になり、自ら商品とされつつ、新しい生を生きようとした。
当時、「正体不明の女」「あやまてる女(モッタン・ガール)」とひとくくりにされた「モダンガール」の経験とは何だったのだろうか。
たとえば、朝鮮総督府は日本で不足している米を確保しようと「朝鮮産米増殖計画」を実施、農村は疲弊して多くの農民が流民化した。娘たちも移動し、一部は海を渡って関西の紡績工場などの女工になり、あるいは炭鉱近くの朝鮮料理店で酌婦や女給になった。彼女たちもまた、パラソルやストッキング、都会の生活に憧れ、活動写真に夢中になったモダンガールのひとりだったにちがいない。
女たちを街路へ、国境の外へと押し出した夢や欲望、困難を追い、忘れられた声を復元し、見えていなかった近代を描く韓国歴史学のニューウェイブ。

著者プロフィール

ソ・ジヨン   (ソ ジヨン )  (著/文

徐智瑛 韓国出身。西江大学校英文学科卒業、国語国文学科修士課程修了、同博士課程修了。韓国学中央研究院学術研究教授、高麗大学校民族文化研究員HK研究教授、梨花女子大学校韓国女性研究員研究教授を歴任。現在、カナダ・ブリティッシュコロンビア大学アジア研究学科博士課程在学中(Ph.D Candidate、文化史専攻)。研究分野は女性史、文化史。単著に『歴史に愛を問う――韓国文化の愛と系譜学』(イスプ、2011年)。共著に金賢珠・朴茂瑛・イ・ヨンスク・許南麟編『朝鮮の女性(1392-1945)――身体、言語、心性』(クオン 、2016年)、 韓国女性研究所編『女性の身体――視覚、争点、歴史』(創作と批評社、2005年)など。

姜信子  (キョウノブコ )  (翻訳

作家。1961年横浜市生まれ。東京大学法学部卒業。86年に『ごく普通の在日韓国人』でノンフィクション朝日ジャーナル賞を受賞。著書に『うたのおくりもの』(朝日新聞社)、『日韓音楽ノート』『ノレ・ノスタルギーヤ』『ナミイ! 八重山のおばあの歌物語』『イリオモテ』(いずれも岩波書店)、『棄郷ノート』(作品社)、『安住しない私たちの文化 東アジア流浪』(晶文社)、『今日、私は出発する ハンセン病と結び合う旅・異郷の生』(解放出版社)、『はじまれ 犀の角問わず語り』『生きとし生ける空白の物語』(いずれも港の人)、『旅する対話 ディアスポラ・戦争・再生』(春風社)、『声 千年先に届くほどに』(ぷねうま舎)、『はじまりはじまりはじまり』(羽鳥書店)など多数。訳書に、李清俊『あなたたちの天国』、ソ・ジヨン『京城のモダンガール』(共訳)、編書に『死ぬふりだけでやめとけや 谺雄二詩文集』(いずれもみすず書房)。

高橋梓  (タカハシアズサ)  (翻訳

1983年生まれ。東京都出身。東京外国語大学大学院総合国際学研究科博士後期課程在学中。上智大学言語教育研究センター非常勤講師。研究分野は朝鮮近代文学、植民地期の朝鮮人作家の日本語創作。論文に「金史良の日本語文学が生成された批評空間――植民地出身作家の交流の場としての『文芸首都』(『JunCture』第7号、名古屋大学「アジアの中の日本文化」研究センター、2016年)、「金史良の二言語作品における表現の差異をめぐる考察」(『言語・地域文化研究』第20号、東京外国語大学大学院、2014年)、「「反復」と「差異」――1940年代前半期における植民地の「国民文学」 尹大石『植民地国民文学論』を読む」(『Quadrante』第15号、東京外国語大学海外事情研究所、2013年)。翻訳に、ソ・ジヨン『京城のモダンガール』(共訳、みすず書房、2016年)、韓基亨「「法域」と「分域」――帝国内部における表現力の差異と植民地テクスト」(紅野謙介他編『検閲の帝国 文化の統制と再生産』新曜社、2014年)。

上記内容は本書刊行時のものです。