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出版者情報
京城のモダンガール
消費・労働・女性から見た植民地近代
発行:みすず書房
四六判
400ページ
定価
4,600円+税
- 書店発売日
- 2016年4月26日
- 登録日
- 2016年3月24日
- 最終更新日
- 2016年4月28日
書評掲載情報
2016-08-12 |
週刊読書人
評者: 鈴木裕子=早稲田大学ジェンダー研究所招聘研究員・近現代女性史専攻 |
2016-07-22 |
週刊読書人
評者: 細見和之=京都大学教授・ドイツ思想専攻 |
2016-06-26 |
日本経済新聞
朝刊 評者: 吉川凪(翻訳家) |
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紹介
1920-30年代、植民地朝鮮に資本主義が押し寄せ、恐怖と快楽が背中合わせだった京城(現・ソウル)。百貨店・劇場・映画館・最新の公共施設が建ちならぶ近代都市の街路を、断髪に洋装の「モダンガール」が闊歩した。植民地支配と近代化のはざまで登場した朝鮮のモダンガールは、ショップガールやバスガールなどの新職業婦人・妓生(キーセン)・女給・女学生・女工などさまざまな階層からなっていた。商品とイメージを消費し、労働力になり、自ら商品とされつつ、新しい生を生きようとした。
当時、「正体不明の女」「あやまてる女(モッタン・ガール)」とひとくくりにされた「モダンガール」の経験とは何だったのだろうか。
たとえば、朝鮮総督府は日本で不足している米を確保しようと「朝鮮産米増殖計画」を実施、農村は疲弊して多くの農民が流民化した。娘たちも移動し、一部は海を渡って関西の紡績工場などの女工になり、あるいは炭鉱近くの朝鮮料理店で酌婦や女給になった。彼女たちもまた、パラソルやストッキング、都会の生活に憧れ、活動写真に夢中になったモダンガールのひとりだったにちがいない。
女たちを街路へ、国境の外へと押し出した夢や欲望、困難を追い、忘れられた声を復元し、見えていなかった近代を描く韓国歴史学のニューウェイブ。
上記内容は本書刊行時のものです。