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声のきめ ロラン・バルト(著/文) - みすず書房
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声のきめ (コエノキメ) インタビュー集1962-1980 (インタビューシュウ)

哲学・宗教
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発行:みすず書房
四六判
544ページ
定価 6,000円+税
ISBN
978-4-622-07530-1   COPY
ISBN 13
9784622075301   COPY
ISBN 10h
4-622-07530-X   COPY
ISBN 10
462207530X   COPY
出版者記号
622   COPY
Cコード
C1010  
1:教養 0:単行本 10:哲学
出版社在庫情報
不明
書店発売日
登録日
2018年6月5日
最終更新日
2018年6月28日
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紹介

「ぞんざいな言い方をすれば、インタビューは逃れることのできない社会的なゲームの一部を成しているのであり、あるいはもっと真剣な言い方をすれば、一方では作家と、他方ではメディアとの間の、知的な作業における連帯の一部を成しているのです。受け入れなければならない連鎖があるのです。書いた瞬間から、それは最終的には出版されるためであり、そして出版した瞬間から、社会が本に要求するもの、社会が本から作り出すものを受け入れなければならないのです。」

『零度のエクリチュール』で登場してから10年のうちに、『ミシュレ』『ラシーヌ論』『現代社会の神話』を出版したバルトは未来の記号学をつくろうと、ソシュールの言語学から学んだ「記号」の概念を鮮やかな手つきで用いるようになっていた。メディアはこぞって、この批評家に知見をもとめ、挑みかかり、食い下がる。それからも、『モードの体系』『S/Z』、そして転機となった『記号の国』……。新著が出るたびにバルトは問われつづける。「あなたはどこへ向かっているのか?」
『恋愛のディスクール・断章』『明るい部屋』にいたる自著についてのみならず、映画と文学について、快楽と恋愛について、知識人と社会について、真理と欲望について、あらゆる質問にたいして率直に、礼儀ただしく、軽やかに答えるバルトの声を転写した38本のインタビューを、この一巻に集成する。

目次

パロールからエクリチュールへ

物は何かを意味するのか?
映画について
わたしは影響を信じない
記号学と映画
「ヌーヴェル・クリティック」の名のもとに、ロラン・バルトがレーモン・ピカールに答える
『モードの体系』および物語の構造分析について
『モードの体系』
一篇の科学的な詩をめぐる対話
『S/Z』と『記号の国』について
『レクスプレス』誌は前進する……ロラン・バルトとともに
批評家ロラン・バルト
余談
インタビュー(ロラン・バルトとの談話)
文化の宿命、対抗文化の限界
快楽/エクリチュール/読解
形容詞は欲望の「言葉」である
筆記用具とのマニアックなまでの関係
オペラ座の亡霊たち
ロラン・バルトは紋切り型を論駁する
みずからを追い抜くことを諦めた社会はどのようなものになるのか?
カレイドスコープの戯れ
ロラン・バルトのための二〇のキーワード
文学/教育
シュルレアリストは身体を欠いていた
真理の危機
エロスのフィギュールの大修辞家
知識人は何の役に立つのか?
『恋愛のディスクール・断章』
現代神話解読の第一人者、恋愛について語る
暴力について
疑いをいだかせるための言葉
あまりに荒々しいコンテクスト
ロラン・バルトは釈明する
怠惰であろうではないか
紙のシャトーブリアンのために
好みからエクスタシーへ
写真について
欲望の危機

経歴・著作1953-1980

著者プロフィール

ロラン・バルト  (ロランバルト)  (著/文

フランスの批評家・思想家。1953 年に『零度のエクリチュール』を出版して以来、現代思想にかぎりない影響を与えつづけた。1975 年に彼自身が分類した位相によれば、(1)サルトル、マルクス、ブレヒトの読解をつうじて生まれた演劇論、『現代社会の神話』(2)ソシュールの読解をつうじて生まれた『記号学の原理』『モードの体系』(3)ソレルス、クリステヴァ、デリダ、ラカンの読解をつうじて生まれた『S/Z』『サド、フーリエ、ロヨラ』『記号の国』(4)ニーチェの読解をつうじて生まれた『テクストの快楽』『彼自身によるロラン・バルト』などの著作がある。そして『恋愛のディスクール・断章』『明るい部屋』を出版したが、その直後、1980 年2 月25 日に交通事故に遭い、3 月26 日に亡くなった。没後も、全集や講義ノート、日記などの刊行が相次いでいる。

松島征  (マツシマタダシ)  (翻訳

1942年-2011年。京都大学名誉教授。訳書 バルト『〈味覚の生理学〉を読む』(1985)『声のきめ』(共訳、2018、以上みすず書房)、クリステヴァ『誌的言語の革命〈第3部〉国家と秘儀』(共訳、勁草書房、2000)、クノー『文体練習』(共訳、水声社、2012)ほか。

大野多加志  (オオノタカシ)  (翻訳

1952年生まれ。1979年東京大学文学部卒業。1986年早稲田大学人文科学研究科博士課程修了。フランス文学専攻。現在、東洋学園大学人文学部教授。訳書 『ナダール――私は写真家である』(共訳、筑摩書房、1990)、ユーゴー『レ・ミゼラブル』(共訳、偕成社、1993)、マッコルラン『恋する潜水艦』(共訳、国書刊行会、2000)、ロラン・バルト著作集2『演劇のエクリチュール』(みすず書房、2005)、『マルセル・シュオッブ全集』(共訳、国書刊行会、2015)、ロラン・バルト『声のきめ――インタビュー集 1962-1980』(共訳、みすず書房、2018)ほか。

上記内容は本書刊行時のものです。