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EU百科事典
- 発売予定日
- 2024年12月27日
- 登録日
- 2024年8月27日
- 最終更新日
- 2024年11月28日
紹介
戦乱と対立を繰り返してきた「ヨーロッパ」という地域の統合の試みとして生まれたヨーロッパ連合(EU)。歴史的にも稀有な試みは、「ヨーロッパ」という概念に何をもたらし、またどのようにそれを作り上げてきたのか。欧州統合の取り組みをEU研究の主要三分野たる法律・経済・政治社会に加え、それを支える広範な市民意識や文化・芸術・音楽・宗教・アイデンティティなど、様々な側面から探求する事典。
目次
1.欧州はなぜ統合したのか:統合の起源と宗教
欧州の分断と統合/ローマ帝国とEU/EUとハプスブルク帝国/キリスト教:カトリック教会と欧州統合/フリーメイソン/プロテスタントと欧州統合/バチカンと欧州統合/EU統合における世俗主義/ユダヤ教と欧州統合/イスラムとヨーロッパ/アフリカとヨーロッパ
2.ヨーロッパ・アイデンティティと欧州市民
独仏和解と歴史教科書/ドイツとイスラエルの「和解」/ヨーロッパのアイデンティティ/「ヨーロッパ回帰」と「中欧アイデンティティ」/ヨーロッパの統合理念/欧州市民と欧州市民権/EUと境界線
3.EUの偉人たち
クーデンホーフ・カレルギーと「パン・ヨーロッパ」/バルカンの連邦構想/ロベール・シューマン/ジャン・モネ/ウィンストン・チャーチル/コンラート・アデナウアー/ヘルムート・シュミット/ウィリー・ブラント/シャルル・ドゴール/フランソワ・ミッテラン/マーガレット・サッチャー/ジャック・ドロール/ヨシュカ・フィッシャー/ヘルムート・コール/ヴァレリー・ジスカールデスタン/マリオ・ドラギ/アンゲラ・メルケル/エマニュエル・マクロン/ドナルド・トゥスク/ウラジミール・プーチン
4.西欧諸国による戦争と和解(政治)
ベネルクス(ベルギー、オランダ、ルクセンブルク)小国とEU/連邦制か、国家連合か?/ドイツとEU/フランスとEU/イタリアとEU/イギリスとEU/スペインとEU
5.経済・通貨統合の発展
経済統合の深化と拡大 ①深化/経済統合の深化と拡大 ②拡大/石炭鉄鋼共同体/EEC(欧州経済共同体)/欧州原子力共同体/関税同盟――モノの自由移動/共通農業政策(CAP)/単一市場(域内市場)統合/単一市場の拡大(南欧,中東欧とのGSC)/通貨統合:EMSからユーロ誕生まで/ユーロ圏の拡大/ユーロ危機とユーロ制度の改革/EU財政
6.EU経済とヨーロッパ主要国経済
EUの域内貿易依存度/ドイツ経済とEU/フランス経済とEU/イギリス経済とEU/産業構造
7.EC/EUと法
EU基本条約/ローマ条約――EUの基礎となった条約/EEC条約の経済的背景/単一欧州議定書(域内市場)/マーストリヒト条約/アムステルダム条約/ニース条約/欧州憲法条約/リスボン条約――EUの基本を示す条約
8.EU:制度と機構
欧州委員会/欧州議会/欧州議会の諸会派/理事会/欧州(首脳)理事会/EU司法裁判所/欧州中央銀行(ECB)
9.ヨーロッパと各国の結合
ギリシャとEU/フィンランドとEU/オーストリアとEU/スウェーデンとEU/スイスとEU/ノルウェーとEU/トルコとEU/近隣諸国政策/アラブ諸国
10.東欧諸国(旧社会主義圏)とEU拡大
中欧・東欧諸国(旧社会主義圏)へのEUの拡大/ポーランドとEU/ハンガリーとEU/チェコスロヴァキアの軌跡―中欧における二つの国の自立と連携/ルーマニアとEU/スロヴェニアとEU/クロアチアとEU/バルカンとEU/ロシアとEU/ウクライナとEU/バルト諸国とEU/EU と敵対するルカシェンコ体制のベラルーシ
11.21世紀のEUの諸問題
イギリスのEU離脱(Brexit)/EUとアメリカ/NATOの拡大/EC/EU と中国/フランスの大統領選挙/ドイツの右翼ポピュリズムと民主主義/福祉国家とEU/ベルギー・ルクセンブルクとEU/欧州の「イリベラルデモクラシー」――ハンガリーと反EU,極右の成長/ポーランド:国民の間では、親EU、政府は反EU?/統一通貨ユーロの外国為替市場と為替相場 /EU諸国の格差とポピュリズム運動
12.EUと音楽
ベートーヴェン、歓喜の歌/市民社会と音楽:芸術と娯楽/ドイツ音楽とEU/オーストリアの音楽とEU/イタリア・カンツォーネとヨーロッパの民謡/オペラとヨーロッパ/フランス・シャンソンとEU /現代フランス・シャンソンとEU/北欧のヘヴィメタルとヨーロッパ /EUで台頭する周辺のポピュラー音楽/EUと音楽
13.EUの芸術・文化政策
世紀末ウィーンとEU/EUの文化政策/EUと国際美術展覧会/EUとICOM(国際博物館会議)/EUとイタリアの文化政策/EUとオランダの芸術文化政策/EUとイギリスの文化政策/EUとドイツの芸術文化政策/EUとフランスの文化政策/ヨーロッパと文化財・都市文化政策/EUとクイア・アート
14.EUと文学・言語
ポーランドのホロコースト受容と文学/ハンガリーのホロコーストと文学/ホロコーストと強制収容所(フランスの文学)/ドイツ・オーストリアのホロコーストと文学/EUにおけるジェンダー問題と文学/中欧のジェンダー文学/ベルギーの文学(たち)/EUの多言語主義政策――その歴史と現状/EU内外のスラヴ言語/少数使用言語の文学/言語マイノリティから見たEU/EUの異言語間コミュニケーション/ヨーロッパの移民文学/ヨーロッパ文化としての映画祭/EU圏のサッカー
15.グローバリゼーションと人の移動
シェンゲン協定/EUの労働移動とモビリティ政策/EUと移民・難民危機/イタリアと移民・難民/ギリシャと移民・難民/ハンガリーと移民・難民/ウクライナからEUに向かう移民・避難民/ベラルーシの移民・難民と同国を経由する中東難民/ロシアにおける移民との遠い共存/イギリスと移民・難民危機/フランスと移民危機/EUにおける移民・難民法――移住と庇護に関する法/EU共通航空政策
16.EUの諸法
EU基本権憲章/EU市民権(EU Citizenship)/EU法の優位性/EU法の直接効果/EU諸価値/EUの措置(派生法)/EU法の統一的適用/民事事項における司法協力/EU法と日本企業
17.EUとビジネス
EU法とビジネス/物の自由移動/EUにおける設立・営業の自由/EUにおける労働者の自由移動/EU競争法/EUにおける個人データ保護/EUとデジタル化
18.EUのおもしろ判例
生(純粋)チョコとキットカット論争/シャンパン論争/フォアグラ論争:フランス・ハンガリーのフォアグラ問題/ワイン西と東:ポーランドのワイン,トカイ・ワイン論争/ルーマニアの牛乳問題/EUとスポーツ(ボスマン判決)
19.EUと気候変動
気候変動(地球温暖化)とEU/復興基金/排出枠取引/EUグリーンディールとFitfor55/EUのSDGsの取り組み/EUと将来世代/EUにおける動物保護/EUと海洋環境/エネルギー同盟
20.現代ヨーロッパの国際経済関係
EUの対外貿易/EU経済と中国/EU経済とアメリカ/EU経済とロシア/EU経済と新興国・途上国/EUとWTO/EUの共通通商政策/ユーロ:ドルに次ぐ地域的な基軸通貨/EUの労働政策とフレクシキュリティ(flexicurity)/ノルドストリーム1&2とドイツ=ロシア関係
21.地域としてのEU(ユーロリージョン)
CBCプログラム/ポーランドのユーロリージョン/ユーロリージョン:カルパチア・ユーロリージョン/欧州文化首都
22.教育・研究:学び合い教え合う
エラスムス・ムンドゥス(世界とEU を結ぶ教育)/ジャン・モネ・チェア(法政大学・青山学院大学での活動)/ボローニャプロセス/ブリュージュ欧州大学院大学/EUの大型教育研究支援プロジェクト/EU と教育:EU の教育分野での連合/EUの人的資本計画
23.安全保障・犯罪
安全保障・刑事司法・警察協力/欧州防衛共同体の破綻/NATO とEU――協力のゆくえ/CSCE(欧州安全保障協力会議)/OSCE(欧州安全保障協力機構)/共通外交安全保障政策/欧州刑事警察機構(ユーロポール)/ドイツにおける「新たなテロリズム」の脅威とその対策/ホームグロウンテロリズムとその対策(フランス・ベルギー)/日本と欧州の機構間の安全保障協力関係/サイバー戦争/EUと国連
24.EUとジェンダー
世界に先駆けるジェンダー政策/EU の3 機関の女性トップ/欧州議会とEU 各国の議会:ジェンダーの視点から/クオータ,パリテで男女同数に向かう各国の政府閣僚/雇用における男女平等/EU のLGBTIQ(性的マイノリティ)政策/ヨーロッパの生殖医療/ヨーロッパの女性兵士/ポーランドのジェンダー/ポーランドの妊娠中絶についての欧州人権裁判所の判決
25.コロナ・パンデミックとEU
コロナとEU経済/COVID-19:ヨーロッパでの感染爆発とその政治的影響/EUにおける医療逼迫と協働支援体制 /ワクチン開発(カリコー・カタリン)
26.EUと日本,EU と日本の大学
日EU 経済連携協定/日欧関係:貿易摩擦から多面的な協力へ/駐日EU代表部と日本/在ベルギー欧州連合日本政府代表部・日本政府NATO代表部/日本EU学会とEU研究/慶応義塾大学/早稲田大学/九州大学/神戸大学/一橋大学
27.ロシア・ウクライナ危機とEU
ロシア・ウクライナ戦争とEU:歴史的・国際的背景/ウクライナ危機に垣間見る欧州の国際法秩序観念/ソ連後の社会矛盾と露ウ戦争/ロシアのウクライナ侵略とNATO拡大/EU のロシア制裁とその課題/ウクライナ避難民/ロシア・ウクライナ危機とEU法/ロシア・ウクライナ危機と国際法/ウクライナの腐敗対策に関するEUの取り組み
上記内容は本書刊行時のものです。