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有機EL研究概論
革新的イノベーションを生んだ科学と技術
- 初版年月日
- 2020年7月30日
- 書店発売日
- 2020年7月30日
- 登録日
- 2020年6月8日
- 最終更新日
- 2020年7月17日
紹介
近年ではテレビやスマートフォンにおける本格的な実用化が始まり、フラットディスプレイパネルの主流となりつつある有機ELについて、その研究開発の約40年に亘る歴史を系統的にまとめた一冊。
有機ELは、本来は絶縁体である有機物に電気を通す“有機半導体”を用いるという、エレクトロニクス技術のなかでは特異的な存在である。このたぐいまれな科学技術は、世界のどこで、いつ、誰が、いかなる動機で、研究開発を行ったのだろうか?
有機EL研究の黎明期から第一線で活躍してきた著者だからこそ語ることのできる内容が満載である。有機ELや有機半導体分野に携わる技術者や研究者,学生にぜひ活用していただきたい。
目次
第I部 原理の実証
1章 有機EL 研究の萌芽
2章 有機EL 研究の始まり:有機単結晶EL
2.1 最初の単結晶EL
2.2 キャリヤの二重注入の実証:キャリヤ注入型EL の確立
2.3 固体電極の完成へ
3章 薄膜を用いる有機EL
3.1 はじめに
3.2 ポリマー薄膜を用いた有機EL
3.3 ラングミュア-ブロゼット薄膜
3.4 真空蒸着薄膜
3.5 非晶質ガラス薄膜
3.6 本章のまとめ
第II部 実用化を視野にとらえる
4章 積層薄膜系:コダックのブレイクスルー
4.1 コダックのブレイクスルー
4.2 コダックのブレイクスルーに至るまでの研究経過をたどる
4.3 学術的標準としてのコダック型積層素子
4.4 コダック型積層素子の三つの幸運
5章 積層薄膜系の進展
5.1 はじめに
5.2 3層積層構造の導入
5.3 ホール輸送層発光型素子から積層構造の定型化へ
5.4 青色発光をめざして
5.5 積層型素子の信頼性を求めて
6章 π 共役ポリマーを用いたEL
6.1 はじめに
6.2 ポリパラフェニレンビニレンの発光ダイオード
6.3 主鎖π 共役ポリマーの発光ダイオード
6.4 π 共役系を含むポリマーへの拡張
6.5 分子分散系ポリマーLED
7章 低分子蒸着膜系と共役ポリマー系の融合と競合
7.1 はじめに
7.2 低分子蒸着系への欧米系研究者の参画
7.3 発光効率の共通のものさし
8章 発光効率の向上を目指した動き
8.1 はじめに
8.2 キャリヤバランスの概念の導入によるキャリヤ再結合に関連する因子の整理
8.3 外部量子効率を支配する因子の特定と外部量子効率の定式化
8.4 発光性励起子の生成確率と励起子の発光量子収率
8.5 外部光取り出しとマクロキャビティー効果
9章 実用化を意識した開発:新材料と信頼性
9.1 はじめに
9.2 新材料の開発
9.3 連続駆動時の信頼性確保への道筋
上記内容は本書刊行時のものです。