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固有値計算と特異値計算
- 初版年月日
- 2019年12月20日
- 書店発売日
- 2019年12月20日
- 登録日
- 2019年11月7日
- 最終更新日
- 2023年1月28日
紹介
固有値計算とは正方行列の特徴量である固有値・固有ベクトルを求めること,特異値計算とは一般の行列の特徴量である特異値・特異ベクトルを求めることを指す.特に多変量解析の主成分分析,重回帰分析,情報圧縮などの一手法として,コンピュータ性能の向上によって一般的になりつつあり,自然科学,工学をはじめとしたあらゆる分野での応用が進んでいる.
本書では固有値計算・特異値計算における基礎理論の解説に重点を置き,より正確に,かつより速く値を求める方法を解説し,アルゴリズムを通して理解を深められるつくりとした.
付録として,FORTRAN90またはFORTRANによる固有値計算のためのソースコードを収録した.
著者
長谷川秀彦/今村俊幸/山田 進/櫻井鉄也/荻田武史/相島健助/木村欣司/中村佳正
目次
1 あらまし
1.1 固有値問題
1.2 固有値と固有ベクトルの性質
1.3 どの固有値が必要か
1.4 アルゴリズム概観
1.4.1 密行列の場合
1.4.2 帯行列の場合
1.4.3 疎行列の場合
1.5 固有値と固有ベクトルの品質
1.6 固有値問題ソフトウェア
1.7 プログラム
2 密行列の固有値計算
2.1 単一固有値の計算法
2.1.1 最大固有値の計算法(べき乗法)
2.1.2 最小固有値の計算法(逆反復法)
2.1.3 2 番目,3 番目の固有値の計算法
2.2 ヤコビ法
2.2.1 ヤコビ法のアルゴリズム
2.2.2 ヤコビ法の収束
2.2.3 固有ベクトルの計算
2.3 QR 法
2.3.1 QR 分解
2.3.2 QR 法のアルゴリズム
2.3.3 QR 法の収束
2.3.4 原点シフトによる加速
2.3.5 陰的ダブルシフトQR 法
2.3.6 固有ベクトルの計算
2.4 ハウスホルダー3 重対角化を用いる方法
2.4.1 ハウスホルダー変換
2.4.2 ハウスホルダーQR 分解
2.4.3 エルミート行列の3 重対角化
2.4.4 ハウスホルダー逆変換
2.4.5 ハウスホルダー順変換に対する性能改善
2.4.6 3 重対角行列の固有値計算
2.5 非対称行列の固有値計算
2.6 一般化固有値問題
2.6.1 B が対称正定値の場合
2.6.2 一般の場合
2.6.3 QZ 法
2.7 非線形固有値問題
2.7.1 非線形固有値問題の解法
2.8 最新のアルゴリズム
2.8.1 MRRR 法
2.8.2 スペクトラル分割統治法
3 疎行列の固有値計算
3.1 レイリー-リッツ法
3.2 非対称行列の解法
3.2.1 アーノルディ法
3.2.2 ヤコビ-ダビッドソン法
3.3 対称行列の解法
3.3.1 ランチョス法
3.3.2 LOBPCG 法
3.4 量子力学に現れる固有値問題
3.4.1 ハバードモデルのハミルトニアン
3.4.2 ハミルトニアンの固有値計算
3.5 プログラム
4 櫻井- 杉浦法
4.1 行列のスペクトル分解
4.2 周回積分による固有ベクトルの抽出
4.3 数値積分による近似
4.4 非線形固有値問題への適用
4.5 櫻井-杉浦法のアルゴリズム
5 反復改良法
5.1 連立1 次方程式に対する反復改良法
5.1.1 アルゴリズム
5.1.2 数値実験
5.2 固有値問題に対する反復改良法
5.2.1 アルゴリズム
5.2.2 数値実験
5.3 実対称行列の全固有ベクトルに対する反復改良法
5.3.1 固有分解
5.3.2 アルゴリズム
5.3.3 収束定理
5.3.4 数値実験
6 特異値問題
6.1 特異値の性質
6.1.1 他の数値計算との関係
6.2 特異値計算アルゴリズム
6.2.1 2 重対角化アルゴリズム
6.2.2 2 重対角化アルゴリズム(ブロック版)
6.2.3 2 重対角行列の特異値計算
7 高精度特異値分解
7.1 QD 法
7.2 陽的シフトつきQD 法
7.3 DQDS 法
7.3.1 実装の概略
7.3.2 シフト戦略
7.3.3 収束判定条件の設計
7.4 OQDS 法
7.4.1 特異ベクトル計算
7.4.2 OQDS 法の行列要素表示
7.4.3 シフト戦略
7.4.4 ギブンス回転と一般化ギブンス回転の実装
7.4.5 収束判定条件の設計
7.5 プログラム
上記内容は本書刊行時のものです。