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出版者情報
平和学のいま
地球・自分・未来をつなぐ見取図
- 初版年月日
- 2020年7月15日
- 書店発売日
- 2020年7月14日
- 登録日
- 2020年6月9日
- 最終更新日
- 2024年1月24日
紹介
グローバル化社会のもとで複雑化する今日的課題へ平和学からアプローチすることで、さまざまな問題の根源に迫る。平和創造のための学問である平和学の理論的展開を踏まえ、平和学の役割とアイデンティティを探究し、私たち一人一人が平和創造にどのようにかかわるかも明示する。
目次
はしがき
第1章 「戦争なければ平和」ではない! [横山 正樹]
1 戦争・紛争の不在から暴力の不在へ
2 潜在的実現可能性を奪う暴力
3 暴力レベルの変動と潜在的実現可能性
4 集団/個人からみた暴力と人権
5 暴力と「不条理な苦痛」減少への方向転換
第2章 構造的暴力の発見とその克服プロセス [横山 正樹]
1 飢餓は暴力か?
2 構造的暴力の発見
3 直接的暴力/構造的暴力の区分と相互関係
4 公害・環境問題はどんな暴力か?
5 暴力克服プロセスとしての自力更生
第3章 公害・環境破壊と開発主義の暴力 [横山 正樹]
1 経済開発は公害発生が前提か?
2 マレーシア日系企業 ARE 社の放射能公害事件
3 社会的費用とアンアカウンタブル・コスト論
4 環境破壊と一体の開発主義
第4章 サブシステンス志向の社会をめざす市民連帯へ [横山 正樹]
1 自力更生と市民連帯
2 グローバリゼーションと構造的暴力
3 市民連帯による永続社会とサブシステンス志向
◆コラム1 サブシステンス [横山 正樹]
4 NGOのサブシステンス志向とエクスポージャーの手法
◆コラム2 核兵器廃絶への展望 [川崎 哲]
第5章 開発主義からの脱却―「快」の増大から「苦」の縮減へ [平井 朗]
1 はじめに
2 開発の中での「快」と「苦」
3 開発の展開
4 開発と暴力
5 おわりに─開発主義からの脱却
第6章 近代世界システムと平和 [宮寺 卓]
1 はじめに
2 「経済」とは何か?
3 資本主義世界経済
4 おわりに
第7章 開発・安全保障パラダイムから脱「安全保障」へ [蓮井 誠一郎]
1 はじめに
2 開発と安全保障の共通点
3 開発と安全保障の相関関係
4 グリーン・ニューディールと気候安全保障
5 おわりに―サブシステンス志向の脱「安全保障」
第8章 ジェンダーと平和―「生命と社会の再生産」をめぐる諸理論の批判的検討 [藤岡 美恵子/伊藤 美幸/平井 朗]
1 はじめに
2 男女平等では問題は解決しない
3 ジェンダーとサブシステンス
4 おわりに
第9章 リプロダクティブ・ヘルス/ライツと平和 [小川 景子/伊藤 美幸]
1 はじめに
2 出産にみる女性の身体性とサブシステンス
3 平和学からみたリプロダクティブ・ヘルス/ライツ
4 環境汚染による存続の危機
5 おわりに
第10章 「国際協力」という言葉がもつ権力性―言葉が現実を作り出す [北野 収]
1 はじめに
2 なぜ援助でなく協力なのか?
3 経済協力行政の前史
4 国際協力が考案された背景と経緯
5 国家事業としての国際協力の追認
6 援助から協力・支援へ
7 国際協力をめぐる教育研究の変化
8 国益と人間の安全保障は常に両立可能か?
9 おわりに
第11章 サブシステンスの剥奪と草の根の活動―フィリピン農村地域の事例から [勅使川原 香世子]
1 はじめに
2 東ネグロス州ギフルガン市トリニダッド村の人びとの暮らしと健康
3 医療市場への包摂とサブシステンスの崩壊
4 サブシステンス獲得をかけた村人たちの闘い
5 おわりに
第12章 北アイルランド紛争と平和構築 [小山 英之]
1 はじめに
2 北アイルランド紛争の背景
3 北アイルランド紛争の諸側面
4 政治的背景と和平プロセス
5 北アイルランド紛争と宗教
6 平和構築に必要な重要な要素
第13章 エクスポージャーと市民連帯―平和学の方法と実践 [平井 朗]
1 はじめに
2 平和学の視点
3 エクスポージャーとは何か?
4 連帯を作り出すコミュニケーションとは―コミュニケーションが含む2つの相反するベクトル
5 エクスポージャーの5段階
6 エクスポージャーの実践事例
7 自らのエクスポージャーを構想する
8 おわりに
あとがき
上記内容は本書刊行時のものです。